便利な時代
朝、目覚めた男は、枕元に置いてある数個の内の一つのリモコンを手に取り、エアコンの電源を入れた。次に男は、別のリモコンを手に取ると、テレビを付けた。ニュースで昨日起こった事件を確認しながら、慣れた手付きでまたまた別のリモコンを取り、自動カーテンを開けた。
ふと空腹を感じた男は、四つ目のリモコンのボタンを押し、壁の一部が開いて現れたコーヒーやトーストといった簡単な朝食を食べる。
それからしばらくして、枕元に置いてある五つ目のリモコンが自動で作動し、リモコンに操作された男は、リモコンの電池代を稼ぐ為、会社へと出勤していった。