関東管領職、越後の龍(4/4)PDFで表示縦書き表示RDF


関東管領職、越後の龍
作:麗蘭



終、川中島の霧明け


その戦いは、両軍とも多数の死傷者を出した。
川中島の龍と虎は、結局勝敗のつかぬまま、四度目の川中島戦の幕を閉じた。

その後の越後龍は、というと……



「景虎様〜!!何処においでですか〜〜!!!」
あれはいつぞやの侍女の片方では……?
またか。あの者はよくわたしの眠りを邪魔するな。
……何か、あれに恨まれるような事をしただろうか……?
「お館様〜!景虎様〜〜!!」
侍女は未だ景虎を探しているようだ。
………寝れん。
「……何事だ?あと、渡りでどたばたと騒ぐな」
仕方なく渡りに出ると、侍女は、はっとして振り返る。
「あら、申し訳ありません」
「して、何用だ?」
景虎はいかにも眠そうに目を細めた。
「あ、そうそう。先程侍女頭の部屋に、これが飛んできまして…。とうの侍女頭は突然矢が射られたことで、只今失神中で……」
侍女は懐から一本の矢文を取り出した。
景虎は静かにそれを受け取り、熟読した。



――先日の合戦かっせん、見事であった。よくぞ一人で敵陣に飛び込んだ。次の合戦を、楽しみにしておるぞ。



名前は無い。しかし、景虎には差出人がわかった。

「ふん……。わたしもだ、虎よ――…」



ちなみに、その後龍と虎の争いが、両者の亡くなるまで続いたというのは、また別のお話。


もしかしたら、今もなお、川中島の何処かで、合戦は続いているのやもしれないが、それを知る者は、誰一人として残ってはいない。



そんな、戦乱の最中の物語――…



短い連載でありましたが、最後まで読んで頂き、有り難う御座います。……序章、関係ありませんでしたね…。













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