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『アホ』と『知的』、『マヌケ』と『華麗』の矛盾した融合こそが『兄』という男の強さ!!
英雄兄妹
作:HEERO



第79話 誰もあいつを止められない


 レグロスをぶっ飛ばしたことがきっかけとなったのだろう、兄の心がいつもの自信を取り戻し始めてきた。
 (俺は一体何を怯えていたんだ。たかだか四匹の悪魔に囲まれたくらいで情けない。ああ、実に情けない。悪魔とはこれまでにも何度か拳を交えてきた。さらに人生をさかのぼれば、俺はビルや崖から落ちたこともあるし、宇宙人にさらわれたことだってあった。それらの経験に比べれば悪魔四匹なんて、四つのホクロに過ぎんじゃないか。いや待て、悪魔に黒っぽいイメージがあるから適当にホクロと例えてはみたが、ホクロも出来る場所によってはメンタル面に多大なダメージを負う危険性がある。例えば、どこだろうな……)
 考え事をしている兄の首にオカ魔の魔闘鞭が巻き付いた。
 「なぁにをボ〜っとしてるの〜ん!? 戦いはもう始まってるのよん!」
 「ま、待て、話を聞いてくれ! 今、想像してたんだ!」
 「何を〜ん!?」
 「両瞼に二個ずつホクロが出来るのと、唇の上下等間隔にホクロが出来るのと、どちらが嫌かだ!!」
 「ヒイッ!! どっちも嫌よ!!」
 オカ魔は奇声をあげつつ身をよじった。
 「隙ありぃぃ!!」
 首に魔闘鞭が巻き付いたまま、兄が一瞬にしてオカ魔との距離を詰める。
 「妹が成長した時のために開発しておいた技!! 『キャッチ・ザ・ブラ』!!」
 兄はオカ魔のブラジャーを剥ぎ取った。
 「ギョエエエエエ!!!!」
 慌ててそのたくましい胸板を手で隠すオカ魔。それにより、彼女(彼)の手から魔闘鞭が放り出される。
 兄は宙に舞う魔闘鞭を手に取ると、村の方へ向かって走りだした。


 「森の方が騒がしい…。レグロス達が来たのか……」
 兄妹達を宿屋へ案内し、魔笛を使ってレグロス達を呼んだあの老人が、村の中心にある広場で佇んでいた。
 「ん? 誰かこっちへ走ってくるな…」
 森の方から、村の広場に向かって、体を輝かせた男が走ってくる。しかもその手には鞭とブラジャー、ズボンからは黒光りする長い物(リリムの尻尾)が飛び出していた。
 「じょ、常軌を逸した変態が向かってくるぅぅぅ!!!」
 尋常ではない恐怖を感じたのだろう。老人は気を失い、その場に倒れ込んでしまった。
 「こぉらん! 鞭を返しなさい!」
 オカ魔が空から追い掛けてくる。兄は立ち止まって鞭を構えた。
 「ホ〜〜ッホッホ! あんたにその鞭が使いこなせるかしら〜ん!?」
 「あ? 誰がこの鞭を使うと言った?」
 「え…!? ちょっ、あんた何を!!」
 兄の信じられない行動が、オカ魔の顔色を変える。
 なんと兄は、魔闘鞭の手に持つ部分に迅速かつ的確に鼻糞を付着させ始めたのだ。
 「やめてぇぇぇぇ!!!!」
 オカ魔が泣きながら兄に向かってくる。
 「ほらよ」
 兄は急降下してくるオカ魔に向けて魔闘鞭を放り投げた。オカ魔は素早い反応でそれをキャッチする。
 「ありがとう〜! あんたほんとは優しいのね……って、キタネェェェェ!!!」
 オカ魔はべたつく自分の手を見て叫び声をあげながら地面へと衝突した。
 「おいおい! オカ魔がやられたぜ!!」
 「落ち着くニャオンヌ! あいつは卑怯な手段で実力をカバーしてるに過ぎないニャオンヌ!」
 ダンマが地を走り、キャフが低空を滑るようにして兄に襲い掛かる。
 「チッ! 次から次へと!! こうなりゃ『ブラジャーバズーカ』だ!!」
 兄は森の方角からこちらに向かってくる二人の悪魔に向けてブラジャーを構えた。
 「頼むぞエーテル!」
 ブラジャーの背面にドッジボール程の光り輝く弾が作りだされる。
 「ちょっ! あんた何やってんのよん!! 私のブラをどうする気ん!?」
 土煙の中から現れたオカ魔が顔に焦りを浮かべながら兄に尋ねる。
 「飛ばす」
 兄の手から、バズーカの如くブラジャーが放たれた。
 「嫌ぁぁぁ!! 待って私のブラちゃ〜〜〜ん!!」
 飛ばされたブラジャーを悍ましき形相で追跡するオカ魔。彼女(彼)の向かう先にはブラジャーだけでなく、ダンマとキャフの姿も見受けられる。
 「お、おい! 向こうから何かくるぞ!!」
 「あれは……ブラジャーだニャオンヌ! ブラジャーが物凄い速度でこっちに飛んでくるニャオンヌ!!」
 「げっ! しかもその後ろにはオカ魔の奴が!!」
 「すぐに方向転換だニャオンヌ! このままじゃ激突だニャオンヌ!!」
 オカ魔との衝突を避けるため、回避行動に移ろうとするダンマとキャフ。しかし二人のとろうとしたその行動は、兄の放った追い撃ち、『シスコンアロー(矢を模した、高速遠距離系の技)』が体を掠ることにより、ほんの一瞬だけ妨げられてしまう。
 二人が動きを止めた、その一瞬が命取りとなった。ブラジャーと、それを追い掛けるオカ魔との距離が、かわしきれない程縮まってしまったのだ。
 「ぶ、ぶつかるぅぅぅぅ!!!」
 辺り一帯に鈍い音が鳴り響いく。
 ダンマとキャフは、猛スピードで突っ込んできたオカ魔に弾き飛ばされ、オカ魔もまた、二人にぶつかった衝撃で体勢を崩し、顔面から地面に突っ込む形となってしまった。
 「よっしゃ!」
 兄はガッツポーズをとりながらエーテルを解除した。
 「いてて……やっぱ消耗が激しいな、こいつは…。でも結構体に馴染んできたかも」
 「厄介な技をお持ちのようですが、どうやらもう限界のようですね?」
 「レグロス!? うあっ!!」
 声に反応し、振り返った兄をレグロスのナイフが襲った。
 兄の左腕から血が滴る。
 「げっ! 血! やばっ! むっちゃ血が出てる!!」
 「私の部下をあんな目にあわせてくれたんです。その程度じゃすましませんよ。もっとも君のあの人間離れした力、あれは失いたくない。だから思う増分痛め付けたうえで生け捕りにさせてもらいます」
 (くぅ……万事休すか……!!)
 兄、またまたピンチ!


もっと文章を勉強します。











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