英雄兄妹(63/86)縦書き表示RDF


最終話が終わったら、最後に外伝とかやりたいです。カインとかリリムとかアシュタルトの過去とか。
いつになるのやら…。
英雄兄妹
作:HEERO



第63話 三魔将


 フラウロスと別れた後も、しばらく飛び続けたアシュタルトは城の大広間にたどり着いていた。
 黒く、だだっ広い空間の真ん中に、アシュタルトを含め、悪魔が三人。
 「アシュタルトよ、あのお方の傷も随分癒えてきたようだ。世界中に散った者達は上手くやっておるようだな」
 「はい、ディメルア様」
 アシュタルトは自分の身長の半分程しかない悪魔、ディメルアを見下ろしながら、その問いに答えた。
 ディメルアは奇妙な風貌をしている。黒いボロ布のような服。うっそうと伸びきった、全身を覆い尽くす程の灰色の髪。そしてその髪の間から覗く、二つの赤い双眸。悪魔だと言われなければ、ただの目の充血した小柄な浮浪者にしか見えない。
 「今は人間の放つ負のエネルギーを、天使共から受けた傷の治癒に充てておられるが、完治さえしてしまえば、最大の目的である力の増大にエネルギーを回す事が出来る」
 「はい。そして増大したあのお方の力を持ってすれば、全異世界はおろか、天・魔界全土をも手中に納める事ができます」
 どうでもいいが、この二人の会話は、まるで第三者に説明をしているかのようである。
 「なあ〜、アシュタルト〜」
 不意に、アシュタルトとディメルアの会話を、間の抜けた声が遮った。二人のやり取りを傍らでじっと見ていたもう一人の悪魔である。
 その悪魔の身長は三メートルを裕に超えており、横幅もかなりある。多分、寝そべったとしても、アシュタルトの身長には勝てるだろう。そしてその巨体の恐ろしさを更に引き立てているのが、顔の真ん中で大きく陣取っている『一つ目』である。彼の顔自体が大きいので、その大きさは尋常ではい。同じ大きさの穴があったとすれば、子供の体ならすっぽり入ってしまうだろう。
 「どうしたんですか、『バロール』?」
 アシュタルトは一つ目悪魔を見上げ、その名を呼んだ。
 「ここに来る前に、フラウロスの奴と会わなかったか〜?」
 「フラウロス、ええ、会いましたよ。海神を倒した人間達がいるという話をしたら、飛び出していきました」
 それを聞いたバロールは、長く、重い溜息を吐いた。
 「そうか〜。あいつに美味いもん食わしてもらう約束してたんだけどな〜。あいつは戦う事しか頭にないからな〜」
 「そういうあなたは食べる事ばかりですね」
 アシュタルトは見上げるのをやめ、目を閉じて呆れたように呟いた。
 「フラウロスの奴、勝手に出ていったのか…。許可をとってからにしてもらいたいものだが…。まったく、あいつは……」
 ディメルアがぼやく。
 「お言葉ですがディメルア様。あのお方の右腕であり、私達『三魔将』の司令官でもある貴方に、今しっかりしていただかなければ、いざという時に対応出来なくなります。(もっとも、フラウロスを向かわせてしまったのは私なのですが…。私とした事が、あの時は無為な彼に対してつい感情的になってしまいました。私の方こそ反省しなくてはなりませんね)」
 「これは手厳しいな」
 目上の者にも容赦ないアシュタルトの言葉に、ディメルアは苦笑した。
 これまでのやり取りから、アシュタルト、フラウロス、バロールの三人は、『三魔将』と呼ばれる位にあり、そして彼等に指令を下すのが、たった今、部下から『しっかりせんかい!』と注意を受けた、支配者あのおかたの右腕にあたるという悪魔、ディメルアであるという事が分かる。恐らく、今は支配者が動けない状況にあるので、ディメルアは代理で三魔将を扱っているのだろう。
 「でもディメルア様〜。な〜んか、世界中に散った奴らに比べて、俺達って自由がないと思うんですけど〜。俺達も盛大に暴れ回りたいですよ〜」
 「何を言っているんだ、バロール。お前達のような最上級悪魔が他の悪魔達のように暴れれば、人間共などあっという間に絶えてしまう。我々は計画上、人間を生かさず殺さずの状態に維持しておく必要があるのだからな。故にお前達に任せられる任務は、情勢の確認と不穏分子の除去。そしてこの城の警備に限られるのだ」
 「でもディメルア様〜、『ベルゼブブ』の奴も結構強いけど、好き勝手にやってますよ〜?」
 「確かにベルゼブブは強いが計画に支障の出る程ではない。それにあいつは計画などを考慮したうえで人間共を虐げている。やり方が器用なのだよ、戦闘だけに長けているお前と違ってな。まあ、その分お前には不穏分子の除去を期待しているぞ。今回はフラウロスが行ってしまったようだがな」
 バロールとディメルアの会話を聞いていたアシュタルトは、そっと口元に指を当て、考え事を始めた。
 (不穏分子…。フラウロスなら難無く潰す事が出来るでしょうが、何か嫌な予感がしますね…。ふっ……私にも『まだ』女の勘などというものが残っていたとは…)
 アシュタルトは目を閉じ、おもむろに左手を胸から股にかけて撫で下ろした。


オマケ……って、もう言うのやめます^^; 毎回オマケですもんね。


「妹ってさ、意外と美形のアイドルとかが好きだったりするんだよな。もし俺も美形だったら、妹は俺にエッチな事をさせてくれたのだろうか?」

フェレス
「いや、いくらなんでもそれはないのでは…? 美形でも血の繋がりがあるんですし」


「だよな…。だとしてもやっぱ美形には生まれたかったな。だって人生得じゃん」

フェレス
「確かに救世主様は美形ではないですね。しかし、かっこいいとは思いますよ。ワイルドな感じで」


「そ、そうか?」

フェレス
「ええ、今もパンツ一丁ですし」


「顔じゃなくて素行かよ!!」











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