英雄兄妹(41/86)縦書き表示RDF


皆で占い屋へ行きます^^
英雄兄妹
作:HEERO



第41話 占い屋へ行こう!


 兄妹達は町で必要な物を全て買い揃え、旅の準備を完璧に整えた。
 「素敵な服ありがとう、ダーリン!」
 「あ、ああ…」
 「こんな服貰っちゃったら、もう元の姿になんか戻れないわ!」
 ちなみにリリムの服装は、悪魔状態になると何故か黒ビキニになる。故に、仲間達はリリムが元の姿に戻る度、目のやり場に困ることになるのだ。
 「なあ、兄貴達」
 「ん? どうしたチョルト?」
 「オイラ初めてこの町に来たときに『占い屋』とかいうのを見つけたんだ。準備も終わったみたいだし、面白そうだからみんなで行ってみないか?」
 「おお、いいね〜! 異世界の占いとなりゃ、信憑性抜群なんじゃねえか!?」
 「れ…恋愛とかも占ってもらえますかね……」
 一行はノリノリ気分で占い屋へと向かった。


 占い屋は町の外れにひっそりと佇んでいた。
 「ボロボロだね…」
 「ボロボロだな…」
 唖然とする兄妹。
 「風情があっていいじゃないですか。きっと由緒ある占い師の家系なんですよ」
 フェレスがいいこと言った。
 「よし、じゃあ誰から行く? こういうのって一人ずつ行くんだよな?」
 「オイラから行くよ!」
 まずチョルトが占ってもらうことになった。


 三十秒後、チョルトが泣きながら占い屋から出てきた。
 「丸虫は……占ってくれないって……うう……」
 「ハハハ! 泣くな、泣くな! しょうがねえよ! じゃ、次は俺が言ってくるから!」
 次は兄が占い屋へと入っていった。


 「おじゃましま〜す!」
 「おや、丸虫の次は変態かい?」
 薄暗い部屋の奥に、黒いローブを身に纏った老婆が一人、椅子に腰掛けていた。彼女の目の前の机には、ベタにも水晶玉が置かれている。
 「ば、婆さん……何で俺が変態だと…!?」
 驚きのせいだろうか。兄はつい、自分のことを変態だと認める発言をしてしまった。
 「そんなこと、分かるに決まってるだろ?」
 「さ、さすが占い師だぜ…。人の内面くらい、簡単に見透かしちまうってわけか……」
 「いやいや、だってあんたパンツ一丁じゃないか」
 「あっ、そうか!!」
 兄は、妹とリリムの二人に服を買ってあげる約束をした。ところが一人目の服を買った時点で不覚にも資金が尽きてしまい、しかたなく身につけている衣類を売却して、もう一人の服を買ったのだ。仲間達はこのことを知らないので、当然兄が何故パンツ一丁なのかも知らないはず。しかし誰一人、兄にその理由を尋ねる者はいなかった。それはつまり……
 (俺の変態キャラが定着してしまったせいで、パンツ一丁じゃもう誰もつっこまなくなってんだな……)
 悲しいぞ兄。君は悲しすぎる。
 「んん!? あんた、いや、貴方様は!?」
 老婆が急に態度を変えた。
 「な、何だよ…?」
 「神だ……貴方様の身から神の力を感じる……。貴方様は……一体……?」
 「俺? 俺はこの世界を救うために異世界から来た……シスコンだ!」
 言ってることが分らない。
 「おお! やはり救世主様でしたか! なるほど、では神が貴方様に力を授けなさったというわけですな!」
 「ああ、よく分からんが、確かにシスコンエロって神に力を貰ったぞ」
 シスコエルである。
 「それはそうと婆さん、早く占ってくれないか? 後ろが俺の仲間でつかえてんだよ」
 「これは失礼しました。では……」
 老婆が手をかざした途端、水晶が輝きだす。
 「見えます。見えますぞ……」


 「ただいまっす!」
 兄が占い屋から出てきた。
 「お兄ちゃん、何て言われたの?」
 「このまま服着ないと風邪ひくって言われた」
 「だろうね」
 占い意味無し!
 「じゃあ次は私が行くね!」
 次は妹が占い屋へと入っていった。


 部屋に入ってきた妹に、老婆が問いかける。
 「嬢ちゃん、『救世主様の妹』かい?」
 兄の活躍が目覚ましいせいか、いつの間にか妹は『救世主の妹』という立場に成り下がっていた。
 「あ、はい。占い師さんって、一目でそんなことまで分かるんですか?」
 「いやいや、顔が似てるから」
 (お兄ちゃんと顔が似てる……!?)
 妹は少し嫌そうな顔をした。
 「さて、占いを始めるとしようかねぇ…」
 老婆の前に置かれている水晶が輝く。
 「なるほど……。嬢ちゃん、迷ってるね? 躊躇っている。このまま旅を続けることを」
 「あっ……」
 「旅を続けている限り、嫌でも仲間の傷つく姿を見なくてはならない。かといって、仲間達を引き止めることも出来ず、苦しんでいる……そんなところだね?」
 「は、はい…」
 兄の記憶が奪われた一件も、妹の心に大きな影響を与えたのかもしれない。
 「どうせ止められないのなら、嬢ちゃんがもっと強くなってみんなを助けてやったらどうだい?」
 「私が…?」
 「近いうち、嬢ちゃんの身に女神が舞い降りる」
 「女神? 一体どういう…」
 「ふふ…。すぐに分かるさ。さあ、これを持ってお行き」
 老婆は妹に指輪を渡した。ゴキブリングだ。
 「大丈夫。嬢ちゃんならやれるよ」
 「……は、はい!」
 頑張れ妹よ。お前も救世主だ。


まさか占いの話だけで、もう一話使うことになるとは……ーー;











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