英雄兄妹(22/84)縦書き表示RDF


なぞなぞ勝負が始まります☆
英雄兄妹
作:HEERO



第22話 VSチョルト


 チョルトはさっそく、第一回戦の対戦相手であるカインに、悪魔流なぞなぞを繰り出した。
 「『悪は悪でも眠いときに出る悪は?』。へっへっへっ! 分からないだろ?」
 「『あくび』じゃないですか?」
 カインは即答した。
 「次は僕の番ですね。『五つの穴が空いた魚とはどんな魚でしょう?』。僕、これくらいしか知らないんですよね、なぞなぞ…」
 このなぞなぞに、チョルトは悩みだした。
 「……五つの穴が空いた魚………あれか! 解ったぞぅ!『ボレロルルス・ペントナム・ロム・ハザルモプシス』だな!! ハハハ! まさかお前が魔界の穴空き怪魚を知っていたとはなぁ!」
 「いえ、『穴子』です」
 カインの勝利。


 「次はメスガキか! お前には負けないぜ!」
 第二回戦には妹が挑むことになった。
 「おい、チビ悪魔! 妹の鼻を殴ったりしたら承知せんぞ!!」
 兄は心配で心配でたまらないといった様子である。自分の心配をしたほうがいいのではないだろうか。
 「もちろん、オイラが先攻だ! いくぞ! 『闇は闇でも人を不快にさせる闇は?』」
 (え? 私は暗いの苦手だから、『闇』でも答えになってる気がするけど……。あっ、でもこれは悪魔の出したなぞなぞだもんね。それも考慮して考えなきゃ)
 「さあ〜〜、どうした? 分からないのか!?」
 相変わらず腹立たしい声である。
 「違うかもしれないけど……『嫌味』?」
 「………正解だ……」
 「正解!? やったぁ! じゃあ、次は私の番だね! 『空の上にあるのは何でしょう?』」
 「空の上……?」
 妹は数々のなぞなぞブックを読破しているだけあり、出題するなぞなぞも難易度が高い。
 (上手いぞ妹よ! 答えは『宇宙』! 悪魔が宇宙など知っているはずがない!!)
 兄は心の中で感嘆の声をあげた。
 「う……『宇宙』?」
 チョルトは宇宙を知っていた。
 「うわぁぁぁぁ!! 答えられたぁぁぁぁ!!」
 兄が悲鳴をあげる。
 「違うよ。答えは『シ』だよ。『ドレミファソラシド』の『ソラ』の次は『シ』でしょ?」
 妹は勝利を収めた。チョルトと兄は、何だかいたたまれない気持ちになった。


 カインと妹は無事、チョルトを通過した。残るは兄とリリム、そして鼻血の男である。
 「ダーリン、あたしなぞなぞ苦手なの」
 「実は私も苦手なんだ」
 リリムと鼻血男が情けないことを言い出した。
 「だからあたし達、チョルトを倒しちゃおうって話してたわけ」
 「な、何だって!? 俺は嫌だぞ!! 俺はあいつをなぞなぞでねじふせる!!」
 「でも、あたし達の旅の目的って、悪魔達をやっつけて、カマドーマから追い払うってことでしょ? なぞなぞで遊んでる場合じゃないんじゃない?」
 リリムにしては真面目な発言。
 「……リリム……それもそうだな……」
 「じゃあ、さっさとやっつけちゃいましょ!」
 「え!? せめて一回くらいなぞなぞで勝負を……」
 もうリリムに兄の声は届いていなかった。
 リリムの体が光り輝き、悪魔の姿へと変貌する。
 「げっ!! お前はリリム!!」
 チョルトが驚愕する。
 「弱虫チョルト! 悪いけどあんたのお遊びにはもう付き合ってられないわ!!」
 リリムの瞳が鈍く光る。チャーム・アイだ。
 「君も悪魔……うわ!」
 チャーム・アイのターゲットは鼻血男だった。
 「リリム! お前何を……!?」
 「さあ、行くのよ我が下僕!!」
 リリムの命に従い、鼻血男がチョルトへ向かって走りだす。
 「ば〜〜かめ!!」
 チョルトは突進してくる鼻血男の鼻に、ストレートを打ちつけた。見事なカウンターである。
 「ぐあっ……!!」
 鼻血男が鼻から血しぶきをあげながら仰向けに倒れた。
 「うそ……! あんた、そんなに強かったっけ……!?」
 唖然とするリリム。
 「ヒャーーーヒャッヒャッヒャッ!! オイラがいつまでも弱っちい悪魔だと思ったら大間違いだ!!」
 チョルトは倒れている鼻血男の頭を踏み付けた。チョルト自体小さいので、踏まれても大して痛くはないだろうが、非常に腹が立つことは間違いないだろう。
 「リリム、あいつ弱いんじゃないのか!?」
 「そのはずなんだけど……」
 チョルトはニヤつきながら口を開いた。
 「オイラは強い。お前らなんかすぐにでも皆殺しにできるんだぜ。お前らがここを無事に通るには、なぞなぞで俺に勝つしかないんだよ!」
 悪魔チョルト。実は恐ろしい奴だった……。












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