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ガチャ11 依頼の受注と探索準備

休みでもやることは盛りだくさん!予定より遅れました。ごめんなさい!

 Dランク冒険者ドナルとの決闘を終え、リュウは冒険者ギルドの中へ入っていく。

 登録したてのリュウがDランクのドナルを決闘で制す姿を見ていた冒険者達から、穴が開くほどの視線を送られながらギルド内の人気のない待機スペースへ向かう。


(ギルドカードでもステータスは確認できるようになったんだったな)


 リュウは真新しいギルドカードを取りだして、ステータスを表示させる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名 前 リュウ

種 族 人間

ランク F

レベル 10 

HP126/126

MP 89/169

筋力 67

魔力 44

耐久 68

敏捷 77

器用 49

幸運 EX


スキル

【レアガチャlv1】

【MP増加lv1】

【身体能力強化lv1】

【千里眼lv1】

【鑑定lv3】

【 異世界言語翻訳・通訳】


魔法

【雷魔法lv1】

【サバイバル魔法lv10】


加護

【ガチャ神の加護】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(満遍なく上がっている感じか? ……いや、敏捷の上がりが他より多めだ。戦闘中に速く動くことを意識して行動したからかもしれないな)


 思ったよりもステータスが上昇しており、気持ちが高ぶりつつも表情には出さずに敏捷の値が多めに上がった理由を考察する。


(だとすれば、ある程度自身の伸ばしたい能力を鍛えていけるってことか! ……恐らく正解に限りなく近いだろうな。そうでなければ、ドナルのような物理特化型のステータスになるわけがない)

 

 1人納得したリュウはギルドカードを劣竜革のボトムのポケットに戻して待機スペースから掲示板へ移動。

 今度こそは誰にも邪魔されずに依頼を選べると喜ぶが、よくよく考えればドナルに絡まれなければ騒ぎもおきず、煩わしい視線を浴びることもなく済んだと思うとやりきれない気持ちになりながら、改めて貼り出されている依頼書を眺めていく。

 

(……これにするか)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

依頼主 リーデンブルグ王国騎士団


指定ランク 特になし


依頼内容

 深緑の森にゴブリンが溢れてきているという報告がなされた。群れをなしており、統率している個体が現れた可能性もある。後日騎士団を派遣しての掃討作戦を実施するが、騎士団の準備が整うまでゴブリンの数がこれ以上増えて深緑の森から外へ出てこないように間引いて欲しい。可能であれば統率個体がいるかどうかの確認もお願いしたい。


討伐対象 ゴブリンの群れ


期限 騎士団の準備が整うまで


報酬額 ゴブリン1体討伐につき銅貨5枚

    統率個体の発見と詳細報告合わせて銀貨5枚

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 戦闘の経験を積むのには数をこなすことが一番良いと考えたリュウは既に戦ったことのあるゴブリンを大量に相手にすることに決めて、依頼を受注するためにダリアのいるカウンターへ向かう。


 ダリアは他の冒険者の対応をしながらリュウが近づいてくることに気がつき、営業スマイルから柔らかな微笑みに変わっていた。目を合わせるとポーカーフェイスのリュウが少しだけ慌てているように見えてダリアはそれが可笑しくてなって笑う。

 そんなダリアの笑みを見て呆けている目の前の冒険者の要件を手早く済ませて、ダリアはリュウへ声をかけた。


「あら? 今日は決闘した後だし、もう来ないかと思ったわ。何を受注するのかしら?」


「これを受注したい」


 リュウは王国騎士団からの依頼書をダリアへ渡す。


「……ゴブリンの群れの討伐ね。最近の深緑の森は様子がおかしいという噂が流れていたんだけど、今日の午後、ある冒険者パーティーが探索をしてゴブリンの異常発生が起きていることを突き止めてくれたの。

 数が多すぎるため森の奥までは進むのは危険だと判断して、入り口付近の探索をして戻ってきたらしいわ。

 あなたはドナルにも勝った人だからゴブリンに遅れをとるなんて思えないけど、数は力よ。引き際を間違えないでね?」


 依頼書を見るとダリアは心配そうに眉を寄せ、無事に戻ってこれるようにと再度引き際に気をつけてして欲しいと念を押す。


「ああ。ゴブリンに囲まれて死ぬなんて御免だからな。適当に間引いて戻ってくるさ」


「ならいいんだけど。あなたは登録してすぐに決闘しちゃうような人だから、ちょっと心配だわ」


「喧嘩は売られたらなるべく買う主義なんだよ」


「……呆れた」


 リュウの返事に納得できないものの、冒険者が依頼を正式に受注することは余程の理由がなければ受付で断ることはできない。ダリアは仕方がないとため息をつきながら依頼書に受付したことを証明するためにギルドの印を押した。


「はい。受付が完了したわ」


「ありがとう」


「とにかく無理しちゃダメよ?」


「ああ」


 リュウは心配そうに見つめてくるダリアからなんとか目線を外し、冒険者ギルドを出て、連戦に耐えられるように準備をすべく王都の大通にある道具屋へと足を運ぶ。


◇◇◇

 

「いらっしゃいませ」


 カウンター越しに女性店員がいる。店内には瓶に入った薬品のようなものや薬草といったものから、ナイフやリュックなど冒険者に必要そうなものが一通り揃えられていた。流石は王都だけあって品揃えが豊かである。


「HP、MPを回復できるようなものや沢山のものを収納できるバックが欲しいんだが、オススメのものはあるか?」


「HPやMPはそれぞれポーションがあるよ。バックは色々あるけど、あんた冒険者なんでしょ? お金があるならマジックバックやポーチがいいんじゃないかな」


「ポーションはもちろん買うけど、マジックバックて何?」


「マジックバックはね、見た目よりも多くのものを収納できるマジックアイテムよ! 最近、久しぶりに入荷できたの! 今買わないと次に来たら売れちゃってるかもしれないよっ」


「ひとまず見せてもらえないか?」


「いいよ。……はい、どうぞ」


 リュウは目の前に並べられた大きめのベルトポーチとリュックを手にとって眺めつつ鑑定をした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前 マジックポーチ

評価 D

価値 銀貨20枚

説明 空間魔法がかけられて見た目よりも多くのものが入るポーチ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前 マジックリュック

評価 B

価値 金貨1枚相当

説明 空間魔法がかけられた見た目よりも多くのものが入るリュック

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「なぁ、このポーチってどれくらいまでの大きさのものをどれくらいの量なら入れられるんだ?」


「そうねぇ。大きさはこのポーチの口を通る大きさのものに限られるよ。量は……正確にはわからないの。ただ、うちの店の棚に並んでいるポーション全てを入れても大丈夫だったから、とにかく沢山入るよ?」


 店員の言葉を聞いてリュウは内心買うことをほぼ決めていたが、銀貨20枚の買い物であり、後悔しないよう念のために質問をする。


「モンスターから採れる魔石や討伐証明部位をメインにいれたいんだが、可能かな?」


「大丈夫だと思う。魔石はAランクモンスターでも倒さない限りそのポーチに収まる大きさのものばっかりだし、討伐証明部位も一緒。牙や爪、耳なんかの小さくて持ち運びに困らないようなものばかりだから、とんでもない大物を倒さない限り心配ないと思う」


「じゃあ、こっちのポーチとMP回復用のポーションを1本貰うよ」


「ありがとうございます!ポーチを買ってくれるなら、MPポーションはこの棚にあるやつから好きなの1つ持ってていいよ!お代はいらないからさ」


 「太っ腹だな」


 リュウはポーションを選びながら鑑定していき、中でも一番品質の良いものを探した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前 上質なMP回復ポーション

評価 E

価値 銀貨1枚

説明 MPが20から50回復するポーション

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ふふふ。その代わり、次もサービスするからアイテムを買うなら是非当店にてお願いしますね!!」


「そうさせて貰うよ。ポーションはこれにする。お代は?」


「銀貨20枚になります」

 

 リュウは銀貨を支払い、マジックポーチを受けとって早速ベルトに通し、MPポーションを入れてみる。すんなりと入ったことに驚きつつ、どうやって出すのかと悩んでいると、店員が声をかけてきた。


「頭に取り出したいものをイメージして手を入れるとすぐに出せるよ。入れたものを忘れちゃうと取り出せないからその点だけは気をつけてね!」


 言われたようにMPポーションをイメージしてポーチに手を入れると、手に吸い付くようにして瓶が掌に触れた。


(めちゃくちゃ便利だな! これでゴブリンの耳なんかを手に持って歩かなくても済むな!!)


 ゴブリンの耳を持ち運ぶのが嫌だったリュウはストレスから解放されると安堵しながら、銀貨1枚分も割り引きして、マジックポーチの使い方の説明もしっかりとしてくれた店員にお礼を伝えた。

 

「助かったよ。また来る」


「ありがとうございましたー!」


 準備を整えたリュウは王都の重厚な門を潜り抜け、深緑の森へと向かって行った。

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