第40章〜疲労〜
ふと目を覚ますと、午前2時。
知らず知らず座椅子で眠っていたようだ。。。
まだ…2時か…。
そう。アオイがキャバクラのバイトから開放される時間は3時。
あと一時間。
俺は溜息をついて、すっかり、家族の寝静まった家の中、
一人、その時を待つ。
「ス☆キップさん。今終りました〜これから帰ります」
そして。
「ス☆キップさん。今帰りました〜」
「アオイちゃん。お帰り〜。じゃあ安心して寝る事にします
おやすみ。」
週に2度から3度、こんな真夜中の携帯メールが、俺とアオイ
の日常へと変化していった。
6時には起床する俺。二つの仕事をこなし休日と呼べる日の無い
生活は、少しずつ、俺を疲労させていく。
感情の起伏も激しくなり、自分をコントロール出来なくなって
きたのも、丁度この時期だった。
副業での友人の甘えからくるツケの滞納等、悩みを抱えていた時
、アオイ商品プロジェクトの一人、デザイナー氏から貰った励ましの
メールを電車内で読み、涙が止まらなかった事もあった。
アオイもまた…。
慢性の寝不足。初めて接する夜の大人の世界に、感情を高ぶらせていた。
或る日は…
「ス☆キップさん、私って嫌な女だよ。自分勝手だし、
思いやりないし、可愛くないし嫌になる…」
「アオイちゃん、そんな事ないよ。アオイちゃんは優しい
いい娘じゃない。俺は知ってるよ」
「私がいい娘?知ってる?いい加減な事言わないで!ス☆キップさん
私の事なんて、何も知らないじゃん!」
そして、或る日は…
「もうさぁ、ス☆キップさんとは終わりにしようかな…」
「え?何で!?どうしたの、アオイちゃん!」
「私って悪魔じゃん!」
「どうして!アオイちゃんは、悪魔じゃないよっ。俺にとっては
天使なんだよ」
「ス☆キップさんにとってはそうかもしれないけど、ス☆キップさんの
家族や、友達にしたら私は悪魔じゃん!スキップさんの生活とか
壊してる悪魔じゃん!私!私!最悪じゃん!」
「アオイちゃん…」
アオイとの会話が週2度に限定され、それさえも、お互い
疲れた中での会話。。。
アオイは電話で話す度、自分の高ぶる感情を俺にぶつける事が
多くなっていった。
それでも。
それでも俺は、アオイとの日々が、いつまでも続く
事を願っていた…。 |