第24章〜二人のアオイ〜
池袋サンシャインシティ内にある会場。
俺とアオイが入場した時、既に会場内は多くの人で溢れていた。
怯えた表情のアオイ。その手を引くように、俺が目指した
ブーズは、H氏がデザインした商品を実売商品
、完成品として仕上げた会社のブースだった。
このA社。実際にアイドルを抱え、数々のイベントを手掛ける
我々の業界では、メーカーとしての立場の強い会社だ。
「Aさん。お世話様です。今日は、今回商品化して頂いた
うちのアオイを連れて来ました」
そう挨拶し、アオイを紹介したが、やはり、アオイはA氏を
直視出来なかった。
そんな、緊張のピークにあるアオイにA氏は追い討ちを
かける。
「はい。こんにちは〜。君がアオイちゃん?あれ〜?
サイトや、商品化した写真と実物・・随分違うねぇ」
アオイの最も恐れていた反応…。
癒し系で売るweb上のアオイ。
実物は派手な顔…今時の女子大生。
アオイと俺の関係を知った後、H氏はいみじくも
「彼女のサイト。完全武装してますよね」
そう言った。
それが、web上のアオイと現実のアオイの真実。
今日これから行なわれるアオイイベントには、web上の
アオイしか知らない、そんな人々がやって来る。
Aさんのこの一言は、アオイを緊張から、恐怖へと
突き落とした。
「ス☆キップさん!どうしよう。。。やっぱり私
誰にも会えない!どうしよう…」
そんな中、いよいよ、デザイナーT氏、
そして、うちのお客さんの中で最も、アオイに嵌っている
K氏と、初顔合わせとなった。
俺は、何とか、アオイにその緊張を超えた恐怖心を
取り除いてもらう事に必死だった。
会場を抜け出し、4人で食事。
ただ。。。アオイは一切、食事に手を付けなかった。
結果的に4人の食事は成功。
H氏は、賢明にも、場を盛り上げてくれたし、
K氏は、現実のアオイを見ても、レストラン内で彼女にサイン
をねだり、彼女の自尊心を満足させてくれた。
二人との対面を終え、俺とアオイは二人、アオイ自身のイベント
会場である秋葉原へと向かった。
「ス☆キップさんっ。HさんもKさんも、サイトの私と今の私の
違い、何も言いませんでした^^
緊張してたけど、凄く楽しかったです^^
今日来てくれる人達がみんなHさんやKさんのような
人達ならいいな」
山手線。池袋から秋葉原までの車中・・アオイは、再び訪れる
緊張の合い間、少し嬉しそうに、そんな言葉を呟いていた。
俺は、H氏とK氏に心の中で感謝しつつ、本当に…
そんな人達だけが、今日、来てくれるといいな…
そう思わずにはいられなかった。
イベント開始2時間前…。
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