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この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。

シンデレラ

真っ赤に染まったシンデレラ

作者:小桜 桃
 清々しいほどの晴天でした。
 雲は1つもなく、青い空が楽しそうに輝いています。
 私は顔を大きく覆った長い黒い前髪を揺らしながら静かに教室のドアを開けます。
 教室では男女が楽しそうに笑っていました。
 私は今日も恐る恐る私の机のあるべき場所に進みます。
 しかし、今日もそのあるべき机はありません。
 前から派手な集団が私をみて笑っています。
 思わず泣きそうになりましたが、私は涙をぐっとこらえて今日もどこかにある机を探しに行くのです。

 今日は一階の階段下にありました。
 いつもこの現実を信じたくはありませんが、確かにそこには『佐々ささ あおい』と私の名前の付いた名前があります。
 机には落書きで「ブス」やら「学校くんな」やら「化け物」やら大きな文字で「死ね」と書いてありました。
 目の前がぐにゃぐにゃと揺れ、私が泣いているのが理解できました。
 私はゴシゴシと目をこすると机を運び始めました。

 重い机は椅子と一緒に運べないので別々にして運びました。
 途中で授業が始まりましたが、先生は机のことを知っているので何も言ってきません。
 椅子と机を運び終えると私は授業の邪魔にならないように廊下で机を雑巾で拭き始めました。
 中々頑固で、二時限目の初めにやっと終わりました。
 そしてまた教室に静かに入ると私の机を隠した派手な集団が絡んできます。

「机綺麗にしたの?せっかくだから俺達のもやっといてよ。一緒でしょ?」

 私は授業に出れなかった分の勉強をしたいのですが、それを許す集団ではありませんので、私は仕方なく痛い手を使って机を掃除します。
 
 家に帰っても安全とは行きません。
 父は昔犯罪を犯して捕まり、刑務所で自殺しました。母は私を養うために働いて過労死しました。
 両親がいないので、私は親戚の家で厄介者として暮らしています。

 ご飯は今日も私だけコンビニに行って買ってきました。

 やはりこの長い前髪のせいでしょうか、人見知りなこの性格のせいでしょうか、それとも親が犯罪者だからでしょうか、どうにもうまく行ったことがありません。

「早く掃除してちょうだい」

 世話になっている身で叔母さんの命令を断れるはずがありません。
 私はパクパクと急ぎ目に料理を食べて今日も掃除をします。

 まるで私はシンデレラです。
 ただ掃除をして魔女さんが助けに来るのを待つのです。
 いつかガラスの靴を履いて、舞踏会を待つのです。

 そう言って私は今日も涙を拭って自分を慰める日々を暮らします。

 今日も学校に行きます。
 水をかけられても、机が今日もなくても、私はシンデレラ、耐えたらその先に幸せがあります。
 今日もお掃除をします。
 嫌味を言われても、お弁当が冷たくても、私はシンデレラ、耐えたらその先に幸せがあります。

「死ね」と何度言われても、私は耐えます。

 今日も帰り道、濡らされた服が冷たく、思わずくしゃみが出ます。
 明日も続くのか、そう思っても変われないので、私は前を見て歩こうと思います。

 舞踏会、早く開いてください。
 白馬に乗った王子様、早く私にガラスの靴を履かせて下さい。
 そんな事を考えながら私は重い足を運ぶのです。

 次の日の事でした。
 私は殴られていました。
 それはもうすぐ殴り終わるような時間でした。
 早く助けに来て、私だけの王子様。と私は自分をただひたすらに慰めます。
 早く助けに来て、私だけの…

「王子様…」

 私が呟いた瞬間、周りの殴っていた人のリーダー…心愛ここあさんはブッと笑います。

「え?王子様??マジそれwwww」

 心愛さんはそう言ってから私を蹴って殴ります。

「お前みたいなブスに来るわけないじゃんwwww」

 周りの人も笑い始めます。

「ブース」「化け物〜」「学校くんなよブス」「王子様とかワロタwww」「マジそれ冗談だったら最高w」「死ねよ化け物」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」

 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね周りの人が口々にそう言い始めます。

「やめて…下さい…」

 そんな私の言葉を無視して皆は言い続けます。

 目の前がまたグニャグニャと曲がり、私はまた泣き出します。

 私は今頃気づきました。
 舞踏会なんて開かれない。
 白馬に乗った王子様なんていない。

 嗚呼、今頃気づいてしまいました。
 こんな世界にもう価値はありませんね。

 私はその場を全速力で走り抜けます。
 心愛さんたちは私を追いかけますが、私はただひたすらに走ります。

 ガチャリと屋上のドアを開けると、そこは清々しいほどの晴天でした。
 雲は1つもなく、青い空が楽しそうに輝いています。
 私は顔を大きく覆った長い黒い前髪を揺らしながら静かに屋上の柵の方へ歩きます。

「まるで私を応援してるかのようですね」

 私はそう、小さく呟いて柵を越えます。

 不思議と恐怖は無く、むしろ空と同様、清々しいほどいい気分です。

 私は息を大きく吸うと、真っ逆さまに落ち始めます。

 ドサッグチャリと音が聞こえます。
 血が次々と飛び散り、足はボロボロに曲がっていました。
 痛みはありません。

 これでやっと…

 そう思ったところで意識は途切れました。
ハッピーエンドも書きます!
少々お待ちを…

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