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エコ魔導士  作者: 中村 尽
幕間
46/67

あらすじとキャラ紹介と用語集Ⅳ

これまでのあらすじ


 春を待たず【ハロン湖】を出立し、最初の目的地【石の町 トレログ】を目指して冬の雪山越えをすることにしたエコとターク。


 その道中で行政魔導士ソリャ・ネーゼと出会った二人は、ソリャの意見に引きずられるようにして近隣の村に滞在し、タークは椅子作り、エコは魔法の修行をすることに。

 その結果、エコは『フレイム・ロゼット』を第二次元に開花させ、身分証明証『マナ板』を手に入れることが出来た。




 修行が終わってソリャと別れた二人はそのまま雪山に入るが、急に悪化した天候に苛まれ、雪中の穴ぐらで凍死しそうになる。

 あわや『エコ魔導士』完結かと思われたその夜、遠く北の地で魔導士『リリコ・ラポイエット』が暗殺され、究極の魔法『ミッグ・フォイル』が発動した。



 発動した『ミッグ・フォイル』は、森羅万象を捻じ曲げ、季節を夏に変えた。エコとタークはそのお蔭で一命をとりとめたが、世界では混乱が起こっていた。



 熱射により急速に崩れ始めた雪山を、命からがら下山しようとするエコとターク。エコは雪解けが巻き起こす嵐の轟音の陰に、人と人とが争う物音を聞き分ける。

 エコとタークが向かった先にあったのは、二人の魔導士が“トア”という男を追い、『人間もどき』を虐殺する光景だった。


『人間もどき』の助けに入り、“トア”を追っている行政魔導士のチームに囲まれたエコとターク。一触即発の状況に起きた出来事は、積層する雪海の崩落――――巨大な雪崩だった。




 二人の魔導士、行政魔導士、“トア”を含む『人間もどき』と共に雪崩に巻き込まれたエコとタークは、限界を超えたエコの『グロウ』によってなんとか死を免れた。その際近くにいたトアと共に、お互いの生を喜び合う。



 だが雪崩に巻き込まれて生き残ったのは、エコ達三人だけではなかった。二人の魔導士も、雪崩からかろうじて脱出していたのだ。全身に重症を負い、生命の火を弱らせながらも、二人の魔導士は末期の言葉とともに、エコ達に魔法を放つ。

 ――――死の淵に立つ魔導士の魔法は、『忌み落とし』という法則によって地形を変えるほどの威力を持っていた。


 魔法はエコ達の頭上を擦過し、エコ達を再び生き残らせた。エコたちはあっけに取られたまま山を下り、トアと別れる。




 そうしてようやく、二人は【石の町 トレログ】に辿り着いたのだった。











キャラクター紹介



エコ


挿絵(By みてみん)




 主人公。マンドラゴラの少女。師匠という人物によって作られた魔法生物であるため寿命が短く、引き換えに高度な学習能力を持つ。

 師匠を探す旅をする途上で様々な経験を積み、急速に成長しつつある。



使える魔法


『フレイム・ロゼット』第二次元―――― 莫大な熱量をもつ炎の花を咲かせる魔法。

『ウォーターシュート』―――――――― 水塊を高速で射出する魔法。

『クレイ・ルート』―――――――――― 地面から粘土と石つぶてをいくつも噴き出させる魔法。










ターク・グレーン


挿絵(By みてみん)



 エコとともに旅をする長身の男。エコに命を救われたことを恩義に感じており、恩返しをする機会を常に窺っている。

 エコと出会い旅をするうち、価値観が変わってきている。


【ハロン湖】で土を食べて以降、時折むしょうに土を食べたくなるらしい。














カイラン=ハクリン


挿絵(By みてみん)



 ハーピィ族の少年。青の谷の英雄、キュザ=ハクリンの息子。戦士としての将来を嘱望されていたが、初戦で戦死した。








アナメク=ヤキル


挿絵(By みてみん)




 ハーピィ族の少年。青の谷の参謀、キュイハッチュ=ヴェロニカの息子の一人。一見臆病で地味な少年だが、強かに生き抜く術を心得ている。










キュザ=ハクリン


挿絵(By みてみん)



 カイランの父にして、ハーピィ族青の谷の長。宿敵トレアラングル=プレットシーと交戦し、命を落とす。










トレアラングル=プレットシー


挿絵(By みてみん)



 ハーピィ族【赤の谷】の女首長にして、ハーピィ族最強の戦士。幼い頃からの戦闘狂で、「弓が引きにくい」という理由で自らの豊満な胸を切り落とした。それが『忌み落とし』となって、魔力が上昇している。













ソリャ・ネーゼ


挿絵(By みてみん)



 かつてエコと戦った行政魔導士の女性。椅子を始めとする家具の収集家でもあり、タークの腕を見込んで椅子を作らせる。その際“ついでに”エコにつきっきりで修行をつけ、エコに魔導士相応の知識と技術を伝授したのち、魔導士の証明証である『マナ板』を与えた。


 その優秀さ故、若くして魔法生物問題について対処をする行政局の執行官という役職についている。











カナリヤ・ヴェーナ


挿絵(By みてみん)




 フスコプサロの会に入会したばかりの、世間知らずのお嬢さん。容姿端麗だが、本人にその自覚はない。可愛いものが好きで、ネママに一目惚れ(?)する。

 その後一瞬でネママファンクラブ(非公式)を作り、会長に就任した。









ビルガルグルン・ラップバーン


挿絵(By みてみん)

 

 フスコプサロの会の会員で、カナリヤとは同期。極めて社交的な人物で、情報通。押しに弱い。









ネママ・ネメルリム


挿絵(By みてみん)




『フスコプサロの会』に所属する魔導士。自身が小人であることにコンプレックスを抱いている。タークの暗殺をエコに阻止されてからは、殺人の依頼を請け負うのを止めた。













リリコ・ラポイエット・フォイル


挿絵(By みてみん)









 北にある『雪飾りの街 シャンターラ』の長。圧倒的な魔力を持つ魔導士だったが、イラによって暗殺される。その際『ミッグ・フォイル』を発動させ、大魔導士となった。



イラ・ネーゼ


挿絵(By みてみん)





 異様な外見を持つ女性で、ソリャ・ネーゼの双子の妹。姉の持つ天性の才能を羨んでおり、今ではその嫉妬心に縋って生きている。

『フスコプサロの会』の魔導士でもあり、フスコプサロの会で最も重要な任務を任されるほど。










トア


挿絵(By みてみん)



 額に角の生えた『人間もどき』。ソリャ・ネーゼの配下に追われていたところを、エコとタークに助けられる。エコに仄かな恋心を抱く。









クラン=ブルージュ・アンベリア


挿絵(By みてみん)



『フスコプサロの会』に所属する、両足のない魔導士の少女。『忌み落とし』によって強化されたその魔法は力強く、アジジカントとの息の合った連携攻撃は強力。

 雪崩に巻き込まれた際に大怪我を負い、末期の魔法を放ったと同時に事切れる。12歳。


使える魔法



『フィゴストリンガーズ』―――― 炎熱線を発現させ、対象を切り裂く魔法。

『ヒエロゥフェッロ』―――――― 氷で出来た小さな刃をいくつも発射する魔法。










アジジカント・エルレソペ


挿絵(By みてみん)




『フスコプサロの会』に所属する、片腕のない魔導士。『忌み落とし』によって強化されたその魔法は力強く、クラン・ブルージュとの息の合った連携攻撃は強力。

 雪崩に巻き込まれた際に大怪我を負い、末期の魔法を放ったと同時に事切れる。32歳。




使える魔法



『フランフレット』――――――直線上に高熱を撃ち出す魔法。








フィズン・ドナターク


挿絵(By みてみん)



 かつてタークの命を狙っていた刺客の一人。落ちこぼれながらも魔導士の端くれだったが、【ハロン湖】の決闘でエコに惨敗したことがきっかけで【魔封じの焼き印】を押され、魔法が使えなくなってしまった。

 今では心を入れ替えて、『師匠』と呼び慕うテンクラ・ハルナのもとで修行している……らしい。








テンクラ・ハルナ


挿絵(By みてみん)



 フィズンの師匠。熱心な樹教徒。











■用語集(これからのあらすじと人物紹介Ⅲと重複する内容あり)


『ハーピィ族』


 鳥類の形質に強く影響された姿を持つ人種。

元は魔法生物の一群に過ぎなかったが、数を増すにつれて人間の手に負えなくなり、そのうちに鳥と人の中間に位置するかのような独自の文化を生み出して社会生活を営むようになったため、今では人権を認められて人類の一種族と認識されている。


 現在では、高山地帯の数少ない生活に適した土地を巡っていくつかの部族が争いを繰り返している。




『足無し牛』


 家畜化された大型のカタツムリ。元は魔法生物として開発されたが、現在では品種改良を重ねて食肉用、愛玩用、騎乗用など多目的の品種が存在する。草食性。


『蝸牛車』


 足なし牛の甲殻の中に座席を設え、本体にロイコクロリディウムを寄生させることで操る乗り物。速度は遅いが悪路に強い。




『虚力』


 虚なる力、即ち魔力を表す。


『実力』


 実の力、即ち肉体の力。筋力や体力など、生命の力を指す。


『忌み落とし』


 身体能力に代表される『実力』と呼ばれる力を弱らせることで魔力(虚力)を底上げする禁忌の法。

肉体を傷つければ傷つけるほど魔力が上昇するため、自ら四肢を切断したり目をくり抜いたりする魔導士か後を絶たない。





『マナ板』


 一人前と認められた魔導士のみが所有できる、公式身分証明証。複雑な魔法陣によって幾重にも偽造防止がされており、無くすと大変。

 魔導学院を卒業したものが学長より授かる他、上級行政魔導士には発行権が認められた者も存在する。




『魔法の次元説』


 魔法の発達には段階的な次元があるとする、魔導学の学説のひとつ。全部で第五段階まであるとされる。すなわち、


第一次元『事象次元』――火や風などが、ただ現象として起こる段階。

第二次元『形の次元』――事象に明確な形と、それに伴った質感が与えられる段階。

第三次元『効果次元』――術者のイメージに応じた特殊な性質が与えられる段階。

第四次元『場の次元』――魔法の効果範囲が著しく広域化する段階。

第五次元『ミッグ・フォイル』――詳細は神秘のヴェールに包まれているが、世界を覆うほどの広範囲に、永遠とも思えるほどの期間影響を与え続ける究極の魔法次元。


 である。




『ミッグ・フォイル』


 魔導士の死によって発動する、究極の魔法。



『リリコ・ラポイエット・フォイル』


 大魔導士「リリコ・ラポイエット・フォイル」の発動したミッグ・フォイル。太陽の光を強烈にし、冬を夏にしてしまった。



『樹教』


 多くの信徒を持つこの世界で最も大きな宗教。神木『御樹おんじゅ』、及びその眷属たる全ての植物を信仰対象とする。

 そのため植物を急速成長させる『グロウ』を忌み嫌い、『禁呪』にしてしまったようだ。








『死者の宮殿』


 死んだ者のいくところ。






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