とんでもないことが起きているとも知らずに、女子寮へ向かうユウとバンダナですが……。
第8話 やらせてやるぜ?
「どっしぇー、どこ行くのぉ、バンダ……木村クゥーン!?」
「なぁに、ヌード・ビーチ係員の予行演習だだ」
後部座席のユウを振り返り、拓夫はアクセルを握る右手を手前に起こした。
「ユウはちょっと肩に力が入りすぎだでよォー! ちゃんと毎日、ぬいてっか?」
(私の小説の中で、田舎のオヤジみたいな会話はやめて…… (-_-;) ↑ )
「えっ……えっ……へっ……? ぬいてる……って、何を?」
「オェオェ、マジかよオメェー」
拓夫は怒鳴るように声を上げた。
「おめ、その年でマスタベ、知らねーだか?」
「えっ……マ……マ……鱒食べ!?」
「マスだよ、マス! マスターベーション!」
「マスタードラゴン……ああ、ドラQだね!」
「て……てんめぇー、知っててわざとごまかしてるだな!?」
「しゃ〜っ、誤解だよ! 誤解だってば、バン……木村クン!!」
バンダナ怖さに必死で釈明するユウ。
「じゃあ、ズリセン……要はセンズリ!」
「えっ……ゴマすり? えっ?」
「ちくしょー、なら、一人えっち!」
「そ、それ、名前だけなら聞いたことあるよ!」
「マジかよ、クソォー、ならばっ」
拓夫は、そこで間を置いて言った。
「オナニー」
どよーん―――何となく流れる気まずい空気(なんで?)。
オ……オナ、オナ……
急に照れ始めるユウ。
「し、し、知ってるよ! 自慰でしょっ、自慰っ! 中学の性教育でね、うんとねっ、習っ……」
「だーっ、恥ずいよ、おめぇー! もっと軽〜く流せよ!」
思わず赤面する拓夫。
まったく、空気読めよ、空気……
「まっ、いーだ。知ってるんなら、やってるら、毎日?」
「えっ……いやっ、さっ、さぁね〜っ」
「ま、ユウはそっちのほうはうぶらしいで、今度、俺が十回はぬける、いい裏モンを貸してやるでよ」
「えっ……あっ、ありがとうございますっ、木村クンっ」
くっそー、バンダナの奴、お下劣な話題を臆面もなくふりやがってーっ!
口と内心で態度が全く正反対のユウ。
こうして、いつも共感してるフリをしては、バンダナを利用している(つもりの)ユウだった。
「ところでユウ、おめさんさぁー」
そんなことともつゆ知らず、陽気な声でユウに問いかける拓夫。
今度はいったい何を……ユウは思わず身構えた。
「ユウ、おめさん、藤沢のこと、好きずら?」
「うぅっ!?」
思わず心臓が止まりかけたユウ。
え、ええっ、なんなの、いきなり!?
てか、どーしてバレてんのっ、舞さんのことーっ!?
「なっ……なんだぁ〜ねっ」
あわてて、本日二度目の(正しくは三度目)釈明を始めるユウ。
「そのねっ、藤沢さん、たしかにねっ、キレイだからぁー、だけど、ボクはねっっ」
「実は俺、そーゆーの当てるの、得意だでよ」
まるでユウの話を聞いていない拓夫。
なんで? 話とか完全にできあがっちゃってるじゃんか!?
ユウはもどかしさに身もだえした。
キッ―――地面を鳴らしてタイヤの回転が止まった。
「やらせてやるぜ、今夜?」
「え?」
ユウは訊き返した。
バンダナの奴、今、なんて……?
これからいったい何が起こるのか、まるで想像できずにいるユウだった。
第8話 終
完全に周囲にモロバレのユウの片想い。ありがち……ですよね?
次回、舞が一人えっちを告白させられて!? そんなの私なら嫌!!
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