意地悪でスケスケの帰国子女がどこまでもユウに嫌がらせして……どうする?
第79話 僕と勝負しろ……!
「さよか。それならそれでえーんやで」
少女はサングラス越しにユウの顔を見て言った。
「え、ええっ!?」
意外な言葉に、ユウは思わず声をあげた。
それって、どういう意味……
少女は改めてユウに向き直った。
「ミス上大の女、自分のことキレーで英語ペラペラでピアノうますぎとかフイてること、あちこちで言いふらしたるさかいにな」
「ちょっ、ちょっと待ってよ!」
悲鳴にも似たユウの声がひびく。
「舞さん、そんなこと、一言も……」
「なにゆってんねん。自分がそうゆったんやで?」
少女は酷薄な笑みを唇に浮かべた。
「だから、それは僕があっ……」
「自分が悪いんやで?」
嘲るような少女の瞳がユウの顔をとらえた。
「惚れた女、自分のせーでボロカス言われて悲しーか? アハハ」
「そんな……っ」
ユウは動揺して少女から目をそらした。
「ま、助かる道がないわけでもないねんで?」
少女はユウを弄ぶように言った。
「え……」
それにすがり、一縷の望みをつなごうとするユウ―――その怯えた眼差し。
少女は言った。
「ウチの見てる前で、あの女にどブスゆったれや。それで言いふらすのだけは勘弁したんねん」
ユウは押し黙った。
黙ったまま少女の美しい横顔を見つめていた。
「自分みたいなパッとせーへん男にブスゆわれたら、どない思うやろな? ショックでかいで、アハハハハ」
ウケるで、ホンマ―――少女の高笑いがあたりにひびいた。
「言うわけないだろ、バカヤロウ」
「え」
ユウの言葉に少女の表情が変わった。
「舞さんにむかって、そんなこと言えるわけないだろ? ふざけんなっっ」
「……は? なんやねん、自分」
睨みかえす少女の眼差しに、ユウは一瞬ひるみそうになった。
(速水くん……)
そんなユウの姿を、舞はじっと見つめていた。
「そんならしゃーないな」
少女は両手を頭の後ろに回して伸びをしてみせた。
「あとで泣いても知らんで♪」
「待てよ」
間髪にいれずにユウは言った。
「あ?」
少女の目が再びユウの顔を捉えた。
「やるなら僕と勝負しろ」
ユウは奥歯を噛みしめながら少女を睨みかえしていた。
「僕がピアノで勝ってやる……!」
勝負―――!
第79話 終
実存主義と構造主義のはざまで、今でも「普遍論争」は続いていると私は思うのね。
そんな私の高校時代の小説、ブログでちょっとだけ読めますので、覗いてみてね☆
記事の中で少し引用されているので、見つけられると思います。
ついでに埼玉在住女性の「赤い橋」の証言のダイジェスト動画もご覧いただけます。
記事URL→ http://risako-novels.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-c2ee.html
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