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舞をバカにされ、キレる寸前のユウ。男を見せるチャンス!?
第78話 惚れてんねやろ?
「ははあー、ウチ、わかったで」
 少女は悪戯な笑みを浮かべて言った。
「え……」
 ユウはドキッとして少女の顔を見つめた。
「自分、惚れてんねやろ? このミスとかゆーのに」
「えっ……!?」
 図星を指されて動揺するユウ。
 その顔があわれにもひきつった。
「キャハハ、やめとき自分。趣味わるいで」
 少女はカラカラと笑った。底意地の悪さをかくそうともせず。
「うるさい!!」
 ユウは目に涙をためながら声をあげた。
「お、おまえなんかに舞さんの何がわかるっていうんだよっっ!?」
「え……」
 少女の顔から笑みが引いた。
「舞さんはねえ、英語だってペラペラだしねえっ、剣道とかだって強いしねえっ、それにピアノだって弾けるんだあ?」
「ピアノ……」
 少女は小さく呟いた。
「そだよっ」
 ユウは言った。
「舞さんのピアノはねえっ、音がきれいなんだあ?」
 熱弁をふるうユウ―――それを遠くから見守る人影が揺れた。
(―――速水……くん!?)
 舞はその場に立ち止まって二人のやり取りを見つめていた。
 その美しいシルエットが風になびいていた。
「アホか、それ?」
 少女は歯をむき出しにしてユウの顔を睨んだ。
「そんなん、誰が弾いたかて同じやんか」
「ち、ちがう! 舞さんのピアノ、本当に……」
「もー、えーわ」 
少女はユウの言葉を遮った。
「ホンマ、ウザイで、自分」
「え……」
 ユウは続く言葉を飲み込んだ。
「自分も他の男と同じやな。上っ面しか見てへんカスや」
「え……」
 少女はおどけるようにしてピアノを弾く素振りをしてみせた。
「ピアノくらい、ウチでも弾けるで! あのブス呼んできて、ひとつ比べたろーやないけ」
「え……!」
 ユウの顔色が変わる。
 舞は黙ったままやり取りを聞いていた。
 頬にうっすらと汗がにじむ。
「どっちがピアノできるか―――ガキの頃から習わされとったさかい、ウチもピアノ、ちょっとはやるで?」
「そ、そんなこと……」
 思わぬ成り行きに、ユウの顔に狼狽の色が浮かんだ。

 ど、どうしよう、この子と舞さんがピアノなんて……

                                     第78話 終


ブログで文芸批評における実存的自覚の問題について書いてみました☆
こんな台本小説に実存主義の影響が!?
うん、まあ、それはあまり関係ないかな……むしろダダだね、これは(-з-;)
記事URL→ http://risako-novels.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-9ad8.html
なお、同じページから「赤い橋」の証言動画も見られます☆
思わぬ成り行きに狼狽するユウ。勝手にピアノ勝負なんて、そんな……
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