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秦のやり方に心の中で憤るユウ。けれど何も言い出せなくて……
第69話 お兄ちゃんになにすんのよ?
「どーした? はやく言ってみ、早坂?」
 秦はすべてを見透かしたような目でユウの反応を覗っていた。
 嘲るようなその視線―――ユウの中で何かが切れた。
(お兄ちゃん……)
(速水……くん?)
 ユウの変化に気づいたあやと舞は、思わず身構えた。
「あ……あのですねえ!?」
 ユウは突然に身を乗り出して声を上げた。
 目元にじわっと涙が浮く。
「ユ、ユウ!?」
 下手に関わるのはやめて―――そう言いたげなバンダナ、そしてメガネ。
 秦はそんな後輩たちの反応を楽しんでいるようだった。
 何も言わずにユウの言葉を待ちながら……
 そうとも知らず、ユウは秦に向かってまくし立てた。
「そんな勝手にねえ、人のそうゆう写真とか無断で見せたりとかしたらねえ……」
 言いかけたその時だった。
 グシャア―――
 金属がへこむような音とともに、テーブル上の灰皿が舞い上がった。吸いかけのタバコを力任せに叩きつける秦―――
「ひっ」
 ユウは思わず防御姿勢をとった。
「無断じゃねーだろ」
 秦はこめかみに青筋を立てながらユウの顔を睨みつけた。
「こちとら写真集出すって言ってあんだろ、タコ!!」
「そっ、それはあっ」
 ユウは思わず半歩後ずさった。
「テメー、テキトーこいてなめた口きーてんじゃねーぞ、あ?」
 火のついたタバコを放られ、ユウは「あちっ、あっつぅっっ」ともんどりうった。
 その時だった。
 バシャアッ―――
 秦に浴びせられたグラス一杯のビール。
 ピクッ―――秦の表情が怒りに動いた。
 ポタポタと音を立ててしたたる水滴……
 とりかえしのつかない何かが起きてしまったような気がして、居合わせた全員が固唾を呑んだ。
 空になったグラス―――それを握っていたのは、小刻みに震えるあやの手だった。
「お兄ちゃんになにすんのよ? このエロオヤジ!!」
 目に涙をため、悲壮な表情で秦に対する妹のあや。

 その顔は怒りと恐怖にひきつっていた。

                                     第69話 終


今日は大晦日ですね☆
今年中に終わらせようと思っていたこのお話ですけども、
1日2時間睡眠の私にはちょっと忙しすぎて……だから台本小説形式なのね。
そんな投げやりな私ですけど、過去には女子高生に倫理や哲学を教えていたのね?
そんな昔のことをブログに少し書いておきました。
記事はここ→ http://risako-novels.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-a8ac.html
大学時代もヘーゲルを中心とするドイツ観念論の講義は満点だったの、私。
でも、好きなのは実存主義なのね……
やっぱり、あやはトラブルメーカーだった? よりによって秦先輩にケンカを売ってしまい……
りさこの公式ブログです☆ 気になるお話、いっぱいです♪
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写真集〜「恋ひな」「恋ピア」 小説の舞台となった諏訪市の写真集です☆
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