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暴走する秦の行為に良心の痛みを感じるユウだけど……
第68話 ロクキュッパでどうだ?
「先輩、誰っすか、これ!?」
「けっこー、かわいーじゃないすか、この子」
 男子学生の歓声がどっとわいた。
「あー、コイツ、女バレの部長の麻生っつってさー……」
 秦は口から煙を吹き出した。
「昔からオトコオンナとか言われてた奴でよ? おもしれーから、ちょっとからかったら、即コレよ」
 ユウは黙ったまま秦の言葉を聞いていた。
 視線をテーブルの上に落とし、はじけるビールの泡の一粒一粒を凝視する。
「なんならよ」
 秦は新しいタバコをくわえると、ジッポに火をつけた。
「コイツの画像、CDに焼いて六九八〇円(ロクキュッパ)でどうだ?」
 秦の言葉に、さすがのバンダナも青ざめた表情でうつむいた。
 バンダナだけじゃない。メガネもユウも舞も千佳も……
「それって高すぎっすよ、先輩〜」
「せめて二九八〇円(ニーキュッパ)で!」
 下卑た笑いを浮かべる学生たちに秦はタバコの煙をかざしながら笑い返した。
「バーカ、ヤラセじゃねーんだ。一万でも安いぜ?」
 ま、ムリにとはいわねーよ、物好きは多いからな―――そんな言葉が後に続いた。
「先輩、それ、おいしすぎっすよ〜」
 迎合するような後輩たちの声……
(そんな……麻生先輩のあんな画像が学内で売られ……)
 ユウの顔から血の気が引き、その表情が険しさに歪んだ。
 その時、秦の表情がかすかに動いた。
「―――ん?」
 秦の視線が店内の一角に注がれた。
「オイ、そこで何やってんだ、おめーら?」
 ビクッとなってつまんだ刺身を取りこぼすバンダナ、そしてメガネ―――
「てめーら、先輩に対して挨拶なしとは、いい度胸してんじゃねーか」
「す、すいませんっしたーっっ」
 あわてて立ち上がり、秦に頭を下げる上祭実行委の面々。
「んっ?」
 秦の目に怪訝の色が浮かんだ。
 その視線の先には表情を失ったユウの顔があった。
「なんか言いたそうだな、早坂?」(※ 正しくは速水)
「え……」
 後ろでブンブンと首を横に振るメガネ。
(お兄ちゃん……)
 固唾を呑んで成り行きを見守る、あや。
「まあ、言ってみろよ」
 秦は鷹揚にかまえると、くわえたタバコに大きく息を吹き込んだ。
「なんなら、聞いてやんぜ、おまえの話?」
「え」
 ユウは思わず目をそらした。

 えーっと、あんのぉー……

                                     第68話 終


「ピアノ少年の恋」なのにどこに「ピアノ」がでてくるの!?
……と、怒られてしまったこの作品、ご迷惑をおかけしています……<(_ _)>
たぶん、75話までには「ピアノ」という単語が出てくると思います、きっと……。
いや、問題はそれだけじゃないのだけども……
詳しくは評価・感想欄をどうぞ☆
いろいろご指摘、ありがとね!
ガツンと言っちゃれ、早坂くん!!
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