秦におもちゃにされる麻生。その一方で自画ヌードに挑むあやは……
第65話 あやちゃんのハダカ!?
「あんっ、あっ、あああ―――ッ」
床に崩れ落ちる麻生の声を背に、メガネは必死になって向かいの研究棟にバンダナの姿を探していた。
全面ガラス張りの巨大な高層建築―――上大教員研究棟。
(向かいの研究棟ったって、大きすぎてどこにいるだかわからないだよ!)
メガネは窓に指をついて目を皿にした。
豊かで形のよいバスト、つんと上を向いた挑発的な乳首、ほどよく引き締まった弾力のあるヒップ、そして、グラビア誌の巻頭を飾ったこの顔―――
(これが本当の私……)
あやは鏡に映し出された自らの裸身に見入った。
胸、尻、瞳、唇、そして亀裂に沿って走る下の毛並み……
(こんな形してたんだ、私って)
新鮮なおどろき。
(なんか久しぶりだな、こんなにドキドキするのって)
あやは戸外に面したガラス張りの大窓に手を当てると、大きく息を吸い込んで、伸びをした。
あー、なんだか気持ちいいや!
両手を広げ、あらわになった胸も陰部も隠さずに、あやは伸び伸びとした気持ちで窓辺に裸身をさらしていた。
同じ頃、向かいの旧講堂では、メガネが窓に爪を立てたまま硬直していた。
「あ……ああ……」
言葉にならない呻き、そして異常な痙攣……
「ど……どしたのっ、メガネくん!?」
ユウが背後から声をかける。
メガネは震えていた。
その視線の先にはあたりを覗うバンダナの姿があった。
けれど、それは視界の中心からずいぶんと離れた左の隅にかろうじて小さく映り込んだにすぎない光景だった。
焦点にあったのは、そう、隣室の窓辺に立つ全裸のあや……!
後ろ手にソファにもたれ、かすかに腰をそらせて陰部を突き出してみせる優雅なあやの姿―――
(あ、あやちゃんのハダカ!?)
メガネは「ゴクッ」と喉を鳴らして口の中の物を飲み込んだ。
異常に冴えわたる視覚。いたずらな唇、隆起した乳首、産毛のような恥髪までもすべて……
肩をすくめて微笑んでみせるあやがこちらに視線を向けているような錯覚。
ブッ
大きな音とともに、メガネの鼻から大量の血液があふれだした。
「どっ、どーしたってぇの、メガネくんっ!?」
「あっ……あや……あや……」
うわごとのようにあやの名をくりかえすメガネ。
「オイコラ、なにしてんだ。てめーら?」
秦は苛立ちの目を向けて二人に言った。
「せ、先輩、メガネくんが……メガネくんがあーっ」
こんな先輩でも医学生、早く応急処置をしてもらって……
ユウはすがりつくような目で秦の顔を見た。
第65話 終
偶然に見てしまったあやのハダカ! メガネくん、大出血……!
次回、思わぬ事態に撮影の行方は……? 秦の目論見が明らかに?
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