第62話 屋外露出……!?
密閉された旧講堂内の一室。
窓から降りそそぐ真夏の日差しに、数年分の埃が舞い上がる。
秦は箱のタバコを口へと運ぶと、前歯を立てて次の一本を引き抜いた。
着衣もつけず、そのままの格好で腕組みをして立ち尽くす麻生―――その裸身に玉のような汗が浮かんでいた。
秦は吸いかけのタバコを灰皿に押し当てた。
シュボッと小さな音がして、それは白い煙とともに消えた。
動き出す気配のない秦、次第に顔を紅潮させる麻生……
「あ、あの、センパイ……!」
先に沈黙を破ったのは麻生のほうだった。
「は、はやく続きを撮って下さい! でないと、私……!」
「まー、焦んなって、麻生。おもしれーのはこれからだぜ?」
秦は新しい一本を口にくわえると、ジッポの蓋を跳ね上げた。
(は、秦先輩、いったい何を……)
たちこめる熱気の中、朦朧となる自分を抑えながら、ユウは考えをめぐらせた。
(それにしても麻生先輩、あんなカッコで何分もさらしものにされて……)
未だ目の前の光景を信じられずにいるユウ。
手を伸ばせば届く距離に、裸の女の人が何もせずに立ち尽くしている……
そう、何もせずに。
それでお金がもらえるわけでもなければ、×××するでもなく……ただ、無意味に。
「……そろそろいーか」
秦の言葉に居合わせた全員が敏感に反応する。
「麻生、おまえ、そこの大窓にはりついてみ?」
秦は腰かけたソファから、上目遣いに麻生を見た。
何を言われているのかが飲み込めず、麻生は絶句したまま秦の顔を見つめていた。
「浜、おめー、向かいの研究棟に志村きてるか確認しとけや」
「は、はあいっ」
メガネはあわてて窓へと向かって小走りした。
「先輩、それって、つまり、外から撮ると……」
解説を求めるユウに秦はジッポの蓋を弾きながら、歯を見せて笑った。
「実はそーなんだよ。おもしれーだろ、屋外露出みたいでさ」
「で、でも、そんなことしたら、外の人から丸見えってことなんじゃないかと……」
「誰もこんな場所、見てねえって。いちいち細かい奴だな、オマエ」
秦は煮え切らないユウの態度に苛立ちながらも、「な、麻生?」と裸の彼女を振り返った。
麻生は押し黙ったまま、窓に目をやった。
本当にここから外へ向かって裸を……
ふくらはぎから太ももにかけて、麻生の背後に疼くような感覚が走った。
(ホ、ホントにいいのかな、こんなことまでして)
ユウは口を真一文字につぐんだまま、固唾を呑んで成り行きを見守っていた。
やがて意を決した麻生は、何も言わずにガラス張りの壁面に腕を交差させながら身を寄せた。
窓にへばりつく哀れなカエルのように……
顔から火が出るほど恥ずかしかった。
そんな麻生を見つめるユウとメガネ……
「……ちょっと甘いな」
秦は呟いた。
秦の手がスッと麻生の背後へと伸びる。
「いくぜ、麻生」
秦はニッと口元に薄い笑みを浮かべた。
第62話 終
えっと、前にブログかどこかでお話したかもですけど、
私も知人からヌード撮影を頼まれたことがあります……やりませんでしたけど(-_-;)
今日のブログに久しぶりにあやちゃんの画像が追加される予定なので、また見てみてね☆
屈辱の指示に黙って従う麻生。次第にエスカレートする秦の要求―――
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