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美術部のテーマは「ヌード」。でも、ヌードを描いたことのないあやは……
第56話 自画像!?
「ま、これはあくまで私の意見。どうとるかはあなたの勝手」
 女医は不敵な笑みを浮かべた。
「……あっそ」
 あやは言った。
「わざわざのご講評、どーも」
 引きつった笑顔に青筋が浮かんでいた。
「まー、参考までに聞かせてもらうけど」
 あやは叩きつけるようにしてスプーンを乱暴にカップの縁に置くと、怪訝な目を向けて女医に訊いた。
「どーすれば見えるワケ? 『本当の私』……ての?」
 さー、見せてよ、早く―――女医を挑発するあや。
 いくぶん余裕を取り戻し、あやは「ふふんっ」と鼻で笑ってみせた。
 女医は答えなかった。
 しばしの沈黙―――上気したあやの頬にわずかに汗がにじむ。
 女医は「フッ」とため息を漏らすように微笑すると、あやの顔を見て言った。
「いーわよ?」
「え」
 予期しない答えに、意表をつかれて言葉を失うあや。
「思う存分、見せてあげるわ。あなたの本性ってやつを……ね」
「なっ……!?」
あやの表情に不安の影がよぎる。
 それを見透かしたかのように、女医は「くす」と小さく笑った。
「別に驚かなくても簡単なことよ」
「か……簡単って、いったい何を……?」
「まー、常道といえばそれまでだけど―――」
 女医はあやに向き直った。
「自画像、描いてみなさい」
 自画像―――!?
 あやは女医の言葉をくりかえした。

 なぜ、今さら自画像なんか……

                                     第56話 終
何かと思えばただの自画像!? 女医の真意、そしてヌードは……?
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