あやからヌードになってほしいと頼まれたユウ。起死回生の一手とは!?
第44話 お兄ちゃんのばかぁーっっ
「アレ」を手に妹に向き直るユウ―――
あやはきょとんとした顔で、ユウを見つめ返した。
「あっ、あのねえ、あやもねえー」
ユウはあやに一冊の本を見せながら言った。
中途半端にイケメンな裸の男と、そこらで事務仕事をしてそうな同じく裸の女とが、不自然な表情でポーズを決める、微妙な写真の表紙……
「はは、あやもコレ見たらいいと思うんだぁ? 便利なんだぁね、コレ。ためにな……」
ベコォッ
にぶい音がしてユウの鼻骨が変形した。
「あべしぃっ」
目をむいてその場に倒れこむユウ。
「お兄ちゃんのばかぁーっっ、なによッ、なによ、こんなもん!!」
鉄拳に続き、無抵抗の兄にくりかえしトゥ・キックを叩き込む妹。無残に引きちぎられたヌード・ポーズ集……
「あっ……あーっっ、ボクの……ボクのポーズ集−っっっ!!!」
「死ねーっ、お兄ちゃんなんか死んじゃえーっっ」
何がポーズ集よ!!
ポーズ集にキレまくるあや。
「やめっ……ゴパッ!!」
地と涙にまみれた顔面を振りながら、ユウはあまりの不可解さに自問していた。
一体なんなのっっ、もぉっっ、なんでポーズ集、ダメなのっっ!?
「おめた、相変わらずガキっぺえだな。いい年してなにやってるだか」
いつの間にか上がりこんだバンダナが、ピコピコとコントローラを叩きながら嘆息する。
「早く大人になるだな」
「きっ……木村……バンダナァーっっ!?」
思わずあだ名のほうを絶叫するユウ。
「いつもいつも、どこから入ってんの、キミーっっっ!?」
「それはそーと、いよいよ明日から撮影に入るでな。ちゃんと遅れねーでくるだぞ、ユウ? そりゃっ、スピンヒールっ!」
バンダナは用件だけ言うと、画面の中の敵キャラに踵落しを食らわせた。
「わかったから、もー帰ってっつってるでしょ、木村クン!!」
目に涙をにじませながら抗議するユウの鼻先に、バンダナは左手を差し出して言った。
「オイ、ユウ、次、『ポートピア殺人事件』、ほう、早く!」
「もぉ、帰ってぇぇぇーっっ」
ワオーン―――どこかで鳴く犬の遠吠えが、ひときわ高く月夜の空に響いた。
第44話 終
結局、自身の血で罪を贖ったユウでした。次回、ヌード撮影初日です!
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