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砕け散ったナントカ流のプライド……! 女医、ヌード確定!?
第38話 みんな脱がせろ!!
 さて、今日も道場で汗ば流そうかのォ―――
 等々(とどろき)治三郎(じさぶろう)は道着の帯を締めなおした。
 振武館(しんぶかん)はいつになく騒がしかった。
 聞こえてくるのは学生たちの声……怒号。
(ほう、こげんやぐらしかこつもめずらしかとね)
 何の騒ぎかと思い、治三郎は窓をのぞきこんだ。
「落っとっせ! 落っとっせ!」
 やんやとはやしたてるバンダナ頭のヤンキーに、小学生に馬乗りになって首を絞めるいい年をした男子学生……
「なんね、この騒ぎは!?」
「ふっ……副学長ォ!?」
 いちはやく治三郎に気づき、素に戻るメガネ。
 やっ……やばい!!
「そこでなんばしょっとかと聞いとろうが」
 治三郎の剣幕に、ユウの動きが止まった。
「え、いや……あのですねえ!?」
「いや、副学長」
 割って入ったバンダナが、ユウの頭を押さえつける。
「むぎゅう!?」
 うっ、なに、今の感覚!?
 唇にやわらかいものが……
 ま、まさか、剣次郎くんと、キ……キス!?
「実はマウス・トゥ・マウスの救命講習なんかをちょっと……ね」
 うー、うー、と手足をバタつかせる剣次郎……
(う、うわ……)
 引きまくるメガネと舞……
 ユウはようやく唇を離した。
 頬を淡く紅潮させ、口元を腕で「じゅるっ」とぬぐいながら……
 剣次郎は大の字になって伸びていた。
 再起不能……じゃなければいいのだけれど。
「夏は水難事故が多い季節です」
 女医が治三郎の前に進み出た。
「こういうことは、皆で協力して理解を深めてもらうことが大事なのではないでしょうか」
「……ま、まあ、古沢先生がそげんおっしゃるのでしたら、私は……」
 治三郎は柄にもなく視線を泳がせると、ぎこちなく頷いた。
(た……たすかった)
 メガネは大きく喉を鳴らして唾を飲み下した。
(あやうく、僕のエリートとしての経歴に傷がつくところだっただよ。それも、こんな果し合いなんかで)
 にしても、この勝負の結果は一体……
 ようやく身を起こした剣次郎を見つめながら、その成り行きを固唾を呑んで見守る両陣営の面々―――特にメガネ。
 剣次郎はユウの顔を見つめていた。
 その射るような視線に、ユウは内心でたじろいだ。
「オレ、なんか、あんちゃんのこと、見直しちゃったよ」
 剣次郎は言った。
「オレ、あんちゃんが先生なら、いうこときいてもいいよ?」
「えっ……」
 ユウの口からおどろきの息がこぼれる。
「オレの先生になってよ、あんちゃん」
 剣次郎はぎゅっとユウのシャツをつかんだ。
「剣次郎くん……」
「私からもお願いするわ、速水くん」
 女医もまた弟の肩に手を置きながら、ユウに対して一礼した。
「ふっ……古沢先生、わっ……わかりましたっっ!!」
 ユウはペコペコと何度も頭を下げて、女医の申し出に応えた。
「……んでぇ、ヌードは?」
 バンダナは横目で女医の表情を覗った。
「この勝負、引き分けよ。無効試合で」
 バンダナの視線をかわすように顔を背けると、女医はキッパリと言い放った。
 ううっ……
 何も言い返せずに涙を呑むバンダナ、そしてメガネ……

 そ、そりゃあないでしょっ!!?

                          第38話 終
据え膳を下げられて無念の涙を呑んだバンダナ一味……ヌ、ヌードは一体……(T_T)
次回、あやの意外な経歴が明らかに!?

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