妹の前で醜態をさらし続けるユウ……。屈辱の兄妹……!
第34話 お姉様!?
力をこめてユウの頬をつねりあげる剣次郎―――小学生の子どもにいじめられる大学二年生のユウ。
その屈辱的な光景に、あやの胸は痛んだ。
その時だった。
「ふっ……ふさげけんなっっ!!」
「ぐもーっ」と牛のような叫び声とともに、ユウは顔を振って剣次郎の指を振り払った。
「うわー、なにコイツ!?」
その剣幕に、逆にどん引きするバンダナ。
まるで気にする風のない剣次郎に向かって、ユウは声を張り上げた。
「あのねえ、だいたいねえ、人にケガさせといてねえ、一言もあやまんないなんてねえ!? おうちの人だってねえ、フツーはねえ、許さないんだぁーねっっ!!?」
中途半端な文節で区切りながら、ユウはどうにか自分の想いを最後まで言い切った。
「…………」
沈黙する剣次郎。
まさか、僕の想いが通じたの!?
そう思った次の瞬間だった。
「……なぁーんてコト言ってるけどよォ」
言いながら剣次郎は美人の女医を振り返った。
「コイツ、ブッ殺しちゃっていーかな、ねーちゃん? なんかムカツクよ」
「いい加減にしなさい、剣次郎」
女医は小さく息をついて、パキパキと指を鳴らす剣次郎をたしなめた。
「お……お姉様!?」
先生が剣次郎くんのお姉さん!?
意外な人間関係に、ユウ、バンダナ、メガネの三人は、一様におどろきの声をあげた。
こんなクソガキに、お医者の、それもとびきり美人のお姉様がいたとは……
ゴクッと喉を鳴らすバンダナとメガネ。
「まっ、どーしても俺にあやまらせてーっつーんならよ……」
剣次郎は口元にニヤリと酷薄な笑みを浮かべた。
固唾を呑んで次の言葉を待つユウとバンダナたち。
剣次郎は手にした竹刀をユウの鼻先に突き出して言った。
「あんちゃんの実力で、俺を腕づくであやまらせてみな?」
剣次郎に威圧され、ユウはゴクリと口の中のものを飲み下した。
冷たいものが背筋に走り、震えだす体をどうにか抑えるのが精一杯だった。
「やめときなさい、速水くん」
女医は抑揚のない声で言った。
「あなたじゃ剣次郎には勝てないわ」
「え」
ユウは、かすれたうめきのような声を漏らした。
「あなたじゃ、その娘の二の舞になるだけよ。頭かちわられてね。当たり前でしょ?」
はっきりと事実を告げられ、ユウの自信は一気に萎えた。
(あ……あや……やっぱ、僕……)
情けない顔でうつむくユウを、あやは祈るような目で見つめていた。
(おにーちゃん……)
そんなユウの姿を見たくなんかなかった。
負けないで……しっかりして、お兄ちゃん……!
そんなあやを、ドキドキしながら横目でうかがうメガネ……
「んだよ、ビッてんのかよ、あんちゃん」
やれやれといった感じで、ユウに侮りの目を向ける剣次郎。
「兄妹そろって口先番長か、あー、なさけねーっ」
剣次郎は「ケッ」と鼻で笑った。
その言葉にユウの表情が動いた。
「妹の悪口を……っ、いっ、言うなあああーっっ!!」
泣きべそをかきながら、拳を固めて立ち上がろうとするユウを、後ろから「やばいだよ」と止めに入るメガネ。
「おっ、やる気になったね? あんちゃん!!」
剣次郎の顔がパッと輝く。
「かまうこたねーだぞ、ユウ!! やっちめぇ、こんガキ!!」
「ちょっ……木村くん! なに煽ってるだ!?」
いきりたつユウと野次馬気分のバンダナを抑えながら、メガネも必死……
「別に俺はどっちだっていいんだよ? あんちゃん」
剣次郎は大学生三人の馬鹿騒ぎを、離れたところから眺めていた。
「……ムダって言ってるのに、わからない子ね、速水くんも……」
女医はあきれたように息をついた。
その時だった。
「そういう決めつけもどうかと思いますが、先生」
聞き覚えのある男子学生の声に、女医の表情が動いた。」
声のする方向にいたのは―――渋川先輩!?
渋川先輩がきてくれた!?
意外な成り行きに、ユウは振り上げた拳をいつしか下ろしていた。
第34話 終
あの弟にして、この姉あり―――美人女医まで敵に回してしまったユウに渋川先輩が……
次回、互いのヌードをかけて果し合い!? バンダナの新提案とは……
【りさこのお話】
このほど、ベタなコメディで有名な和藤さんが企画した「ジャンルシャッフル企画」というので「ホラー」が当たってしまった私です☆ たぶん、来年に参加者の作品が発表される運びとなると思いますので、お楽しみに<(_ _)>
あと、「ピア恋。」の原作漫画の舞さんのカット、今日のブログで掲載できそうです。
よければ覗いてみて下さいね<(_ _)> ↓
りさこの公式ブログです☆ 気になるお話、いっぱいです♪
りさこのギャラリー☆画像がいっぱい 小説の原作漫画やCGなど、いっぱいです♪
写真集〜「恋ひな」「恋ピア」 小説の舞台となった諏訪市の写真集です☆
りさこの動画のお部屋 りさこのいろんな動画がいっぱいです
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。