舞のヌードを撤回してほしい―――渋川先輩の真意とは?
第32話 覚悟……!
「駄目―――ですか?」
床に視線を落としたまま、先輩は拓夫とユウに問い訊ねた。
その無言の迫力―――
「い……いいえ、そんなコトは……!」
バンダナはゴクッと唾を飲み込んだ。
「えっ、ちょっと、木村クン!? い……いーの!?」
いつになく低姿勢なバンダナに、ユウは思わず拍子抜けして叫んだ。
「バ……バカヤロウ! 先輩から頼まれてイヤとは言えねーずら!?」
「な……なに言ってんの! ホントはこわいくせにぃー」
「なっ……なにぃぃ!?」
さすがのバンダナも形無し……
ちょっとだけ溜飲を下げたユウだった。
「かたじけない」
先輩はもう一度、軽く会釈するように頭を下げて、謝意をあらわした。
(↑ 専門的には「揖」といいます)
「し、しかし、先輩……」
拓夫はおそるおそる訊いた。
「どうして藤沢のコト、白紙に戻すなんて……」
「―――それは」
先輩は舞に向き直って言った。
「彼女の覚悟が、未だ定まっていないから―――です」
ドキッ
舞の表情が、明らかに動いた。
「自分は裸になることが悪いことだと思っているわけではありません。ただ、お互いに後で後悔するようなことは……ね」
穏やかな口調の中にかくされた厳しい指摘―――先輩はそんな言い方のできる人だった。
「は……はい……」
バンダナは思わず目をそらして床板を見た。
(だ……だけど、ミス上大のヌードがないってのは、ちょっと……)
その時だった。
「ん?」
ユウは目をしばたかせた。
ものすごい勢いで道場へと駆け込んでくる一人の男子学生―――
あれ、もしかして!?
「とわっっ、とわいへん……どわぁーっっ」(※現代日本語訳「大変だーっ」と言っている)
「んめっ、メガネ!? ……くん」
ユウは思わず立ち上がった。
「いっ……一体どぉしたってぇの、こんなとこまで!?」
「ユ……ユウくん、大変だだよっっ!!」
ハアハアと息を切らせながら、メガネはユウに告げた。
「あやちゃんが、あやちゃんがぁーっっ……」
「えっ……なにっっ? あやがまた何かしたのっっ!?」
メガネはそこで大きく息を飲み下してから言った。
「あやちゃんが、ヘンな小学生に頭かちわられただよォーっっ!?」
「なっ……なんでぇーっ!?」
てか、どーゆーシチュエーションで小学生に頭とか割られるわけ!?
メガネに促され、医務室へと走るユウ―――
あや―――――――!!
あやのことを考えると、いてもたってもいられないユウだった。
第32話 終
舞のヌードはさておき、妹のことが気になるユウ―――実はシスコンなんです。
次回、医務室にいたのは美人女医とあのクソガキ……因縁の再会です。
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