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小学五年生と剣道で勝負することになってしまったユウ。剣道なんてしたことないのに……
第26話 舞さんに入門!?
 どーしよー……
 剣次郎に果し合いの約束をさせられ、ユウは途方にくれていた。
「ああ、剣次郎くんね」
 塾長はとぼけた顔で教えてくれた。
「あの子、ほら、そこのナントカ流の息子さんなんですよ。こないだも近所の子を病院送りにしたとかで、ホンっト、評判よくないんですよねェ〜、はは、よそでこんなこと言っちゃいけませんけどね」
 子ども相手のチャンバラごっこと高をくくっていたユウ……
(ヤバイ、このままじゃマジで殺されるかもっ!?)
 それに、せめて形だけでも何とかしないと、大人の面目が……
 こうなったら―――

 塾から戻ったユウは、覚悟を決めて道場の門を叩いた。
 上大(じょーだい)振武館(しんぶかん)道場―――
「あ、あのですねえ!?」
 緊張と恐怖のあまり、素っ頓狂な声を上げるユウ。
 なに、あの子―――居並ぶ剣士たちの視線が、ユウに向けられる。
「あ、あのですね、どうか僕に剣道を教えて下さい……なんて」
 どう見ても場違いなユウの存在―――き、気まずい。
速水(はやみ)……くん?」
 所在なげなユウに、一人の女子学生が歩み寄った。
「あっ、まっ、舞……藤沢さん!?」
 そういえば、舞さんって剣道・ナギナタ部だったんだっけ!?
「あの、そことかいても稽古の邪魔だから……」
「は、はいっっ、そでしたッ、失礼しましたっっ!!」
 ペコペコと四方に頭を下げながら、あわてて逃げ帰ろうとするユウ。
「まって、速水くん」
 そんなユウを舞が呼び止めた。
「部の稽古が終わった後でよければ、うちが」
 舞は凛とした表情でそう言った。
「あっ……はいっっ、あのっ、よろしくお願いしますっっ!! どもっ」
 そう言って、もう一度、勢いよく頭を下げるユウ―――
 うわー、武道の人って礼儀とかうるさそうで、なんか怖い……
 どう見ても真剣そのものといった感じの舞に、ユウはすっかり気圧(けお)されていた。
 だって、目が笑ってないんだもん……
 舞はユウに背を向け、再び稽古に戻った。
 ドキドキドキ……
 不思議と心臓が高鳴った。
(なに考えてんねやろ、速水くん……どーせ、からかい半分だろうけど……)
 なんかバリむかつく―――心に苛立ちがこみ上げる。
 卑屈な笑みを浮かべて、それを見送るユウ。
 そんな二人の様子を、外からじっと見つめる一人の少女―――あや。

 その視線は険しかった。

                                    第26話 終
ユウのだらしない態度に苛立つ舞。そんな二人を監視する妹の目……
次回、夜の道場で、ユウと舞、二人だけの特訓!?

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