入院中のユウのもとに、あのお姉さまが誘惑に……!?
第21話 男オンナと呼ばれた女
その頃、ユウくんは……
「バイクで2ケツして、手ぇ放して落っこちたんだって? バカだねー、キミ」
病室に響く女子学生の嬌声―――麻生めぐみ先輩。
「もぉ〜、笑いごとじゃないですよ。こったちはね、ホントにね、死ぬかと思っ……」
ムッとして反論を始めるユウ。
「あー、はいはい。これ以上、話しても聞かないかんねー」
ユウの状況説明能力の低さは、先日の合コンですでに実証済み―――
「でも、さいわいケガも軽いみたいだし、上祭の仕事も大丈夫そうね。あー、よかった♪」
先輩は背中からユウに抱きついて、じゃれつくようにして身を寄せた。
やわらかい胸の感触に、赤面しながらあらがおうとするユウ。
「ちょ……麻生先輩っっ、あのですねぇ!?」
う、ギプスが邪魔で、身動きが取れない……
「そーいえば、聞いたわよ?」
「はひ?」
麻生先輩は、ユウから身を離して向き直った。
「あんた、藤沢のえっちな姿、想像して、我を忘れてドブにダイブしたんだって? フウ、マジかよ、この子は……」
「なっ、なんでそれを……いや、ちがうっ、ちがいますってぇぇぇー、だからぁー、もぉー」
「別にいーじゃん、そんなコト」
先輩は「くすっ」と笑った。
「えっ……えっ!? 先輩っ、だからボクはぁー……えっ、えっ!?」
えっちな妄想を既成事実化されることに、あくまで抵抗するユウ。
そんなユウを尻目に、先輩はすくと立ち上がると、半身になって肩を脱いでみせた。
「キミが二度と下らない妄想に走らないように、一度、ホンモノを見せてあげよっか?」
先輩はボタンを外すと、ピンタックのシャツをハラリと滑らせて、白い背中とブラを露出してみせた。
ブッ
鼻血と鼻水が、ユウの鼻孔から一度に噴き出した。
「見んの? 見ないの? あたしはどっちでもいーんだけどな」
あんた男でしょ? ハッキリしよーね―――
そんな選択を押しつけられ、ユウはカクカクと震えながら目を伏せた。
問 あなたならどーする?
答 私ならブライト(死語)
そんなしょーもない大昔のCMを思い出しながら、ユウは堂々めぐりの思考をくりかえしていた。
目の前で剥き出しにされた白のリフトアップブラ―――麻生先輩の胸の谷間。
かたまったまま長考に入るユウ―――
「ちょっ……ちょっとぉー、コレじゃあたし、ただのバカなんだけど」
おさまりのつかなくなった半裸の麻生先輩―――気まずい空気。
フッ―――自嘲のため息。
「やっぱりね」
「へっ?」
「こんな私のハダカなんか、見たいわけない……か」
先輩はさみしそうに目をそらすと、右手をこめかみにあてて、耳の毛をかきあげた。
「えっ? 先輩、それ、どーゆー……!?」
ようやく会話の糸口を見出した形のユウ。
「私さ、昔から男オンナとか言われててさー」
先輩は言った。
「ホントゆーとさ、誰からも相手にされたこと、ないんだ」
強気な先輩の弱気な素顔―――
「先輩……あの、ボ……ボク、そのぉ―――」
こういう告白にどう対応すればいいのか―――ドギマギしながら、気の利いた言葉を見つけ出そうとするユウ。
「笑っちゃうよね、こんな私がヌード写真集なんて」
「そ、そんなことないですよっ」
ユウはどうにか言った。
「先輩、十分に魅力的ってゆーか、あの、ボク……」
言いながら、次第に台詞が上の空になってゆくユウ。
ヤバイ、そんなコトよりも、下半身が……!?
先輩の生ブラのせいで、すでに爆発寸前のそれ―――ど、どぉしよぉー!?
「ホントに? 速水くん」
ついにシャツを脱ぎ捨て、ユウと向き合おうとする先輩―――
「あっ、あのぉ〜っっ……」
その時、「どぴっ」という音とともに、何かが脈打った。
うっ!!
第21話 終
結局、先輩の告白よりもカラダのほうに反応してしまったユウ……サ、サイテイ!!
次回、ユウの見舞いに来た舞が目にした光景とは……(もう想像できてると思いますけども)。
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