第11話 106号室の惨劇
「ギョクッ」
部屋中に聞こえるほど大きな音で、ユウの喉が鳴った。
「ど、どーしただ、ユウ!?」
拓夫はビールをもつ手を止めた。
「ん―――――っっ」
ユウの顔色が激変する。
最初は赤、次は真っ青に―――
糸の切れたあやつり人形のように、ユウの体が大きくのけぞった。
「オェェェェェェェェェーッ」
天を仰ぐようなしぐさとともに、ユウの口から噴き上げる黄色の液体、昼食のナルト、そして麺類とおぼしき縮れた物体―――
「う、うわぁ〜ッ、間欠泉噴き上げゲロォォォぉぉ!?」
きっ、きったねぇぇぇーっ!
バンダナは思わず身をかわした。
かえす反動で、自分の吐いたゲロの中にベチャッと崩れ落ちるユウの全身。
エレエレエレ……
ゲロの海の中で、彼はまだ吐き続けていた。
「うっぞー、最低〜、あたしの部屋で倒れゲロォォー!?」
両手で頭を抱えながら、顔面蒼白となる千佳。
「ま、窓あけるだよ、窓―っ!」
拓夫が鼻を押さえながら叫ぶ。
すっぺぇー、すっぺぇーよ、コイツー!!
「ったく、酒の飲み方しらねー奴だなー!? これだでガキわーっ!!」
窓を開け放つ拓夫の背後で、それまで無言だった舞が、もぞもぞと立ち上がった。
「ちょっ……ま、舞ちゃん? そんなカッコで、どこ行くだ!?」
「ト……トイレ……」
バタンと戸を閉めて、舞は廊下に出て行ってしまった。
あんな下着同然のカッコで外って、舞ちゃんのイメージが、イメージがぁー……
千佳は胸の前で手を上げたまま、呆然と立ち尽くしていた。
第11話 終
下着のまま廊下へ出て行ってしまった舞。ピアノの小公女のイメージが……
次回、舞の身にふりかかる悲劇。地に堕ちるミス上諏訪大学の栄光……!
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