一人えっちが発覚し、ついに観念した舞。そこにバンダナたちが到着して……
第10話 はじめてのお酒
「あのー、バンダナくん、もしかして、ここは女子寮でわ……」
「まぁ、オレたに任せとけや」
続きを言いたげなユウを無視して、拓夫は右手の甲で、カーテンのかかった部屋の窓ガラスを叩いた。
コンコン―――
ごくっ―――ユウは生唾を飲み込んだ。
バクバクし始める心臓……
ややあって、ガラッという音ともに、部屋の窓が開いた。
「ようっ、邪魔するでな」
窓の下に靴を脱いで、「よっこいせ」と足をかける拓夫。
「拓夫、遅いだよォー」
彼氏の手をとって、部屋の中へと招き入れる千佳。
大きな胸を、タンクトップ一枚に包み、下はパンツ丸出しで……
目のやり場に困り、とりあえず部屋の中を見回すユウ。
生まれて初めて入る女の子の部屋―――
でも、そんな感慨に浸る余裕もなく、ユウは所在なさげに窓辺に突っ立っていた。
舞は肩からパジャマを羽織って座っていた。
憧れの舞さん―――
でも、緊張してそれどころじゃなかった。
何が何だかわからないまま、テーブルを挟んで舞の向かいに座り、なみなみと注がれたビールとご対面……
「ハイ、まずは一杯」
「おっ、悪りぃな、千佳」
飲む気まんまんのバンダナ一味。
まだ19なのに……
「よっ、ユウ」
そんなユウの心を見透かしたかのように、拓夫は言った。
「オレの勧める酒だ。まさか飲めねぇとは言わせねぇだぞ」
肩に手を回して、意地の悪い笑みを浮かべるバンダナ。
こ、これって強制じゃんかーっ!?
……とは言えず、「も、もちろんだよ」と引きつった笑顔で、ユウは答えた。
今にもこぼれそうな泡を前に、ゴクッと唾を飲み込む。
えーい、いっちゃえーっ!
ゴクッ
媚薬入りとも知らずに、一気飲み―――
おおーっっ!
思わず息を呑む、千佳と拓夫。
「ゴホッ、ゴホッ、ケハッ」
叩きつけるようにグラスをテーブルに置くと、ユウは勢いよくむせ返した。
「おー、いい飲みっぷり! さぁ、もう一杯いくだぞ」
悪ノリしまくりの拓夫。
「え……ちょっ……」
言いつつも、反射的にコップを差し出すユウ。(← ありがちな光景)
舞は無言だった。
何も言わずに、一人でちびちびとビールをやっていた。
「ふ、藤沢、おめ、大丈夫か?」
不気味なほど静かな舞を気遣って、拓夫が声をかける。
「ちょっ、舞ちゃん、少し飲みすぎじゃないだ?」
「え? ひっく」
う、目がすわってる……
危険なものを感じ、千佳は半歩あとずさった。
ユウはグラスをもう一杯あけていた。
なんだろう、この感覚……
両腕に鳥肌が立った。
足元がふわふわして……
胸の鼓動がどんどん速くなる。それに下半身が……
クスリ、効いてきたみたいだな―――顔を見合わせる拓夫と千佳。
その時、
「ギョクッ」
不気味な音とともに、ユウの喉が大きく鳴った。
何かを飲み下したような、その音……
「ど、どーしただ、ユウ!?」
ついに来たか―――そう思った次の瞬間だった。
第10話 終
毒酒をもられたユウと舞。クスリの効き目があらわれはじめて……?
なお、未成年の飲酒、喫煙は固くお断りですので、ダメですからね<(_ _)>
次回、急転直下の大惨事が106号室を襲って……?
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