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真・恋姫†無双 ~天命之外史~  作者: 夢月葵
第三部・十常侍誅殺編
14/30

第九章 宴と少女

董卓。真名は月。


涼の世界に居た董卓とは違い、この世界の董卓は虫さえも殺せない可憐な少女。


そんな彼女に涼は心を許していた。恐らく、彼女−月も同じだった筈だ。


多分、今もそれは同じ――。




2010年7月11日更新開始。

2010年8月8日最終更新。

 (りょう)趙忠(ちょうちゅう)を討ち取って数刻後、洛陽(らくよう)では二人の皇子の帰還と十常侍(じゅうじょうじ)討伐、それぞれの立役者達の功績を讃え祝賀会が開かれていた。

 十常侍を討った各武将達には恩賞が与えられ、特に、趙忠を討って皇子達を助け出した涼には格別の恩賞が与えられた。

 もっとも、涼はその事に対して複雑な思いでいた。


「なあ、愛紗(あいしゃ)。」

「どうしました?」

「趙忠に致命傷を与えたのは愛紗なんだから、これは愛紗が受け取るべきじゃないのかな?」

「何を仰います。義兄上(あにうえ)が止めを刺されたのは間違い無いのですから、ここは素直に受け取るべきですよ。」


 苦笑しながら愛紗はそう言って、涼の背中を軽く叩いた。

 宮中での祝賀会は、場合が場合だけに簡素なものだが、それでも十常侍の(ほとん)どを倒せたので、この国を立て直す機会を得る事が出来たのは確かな為、かなり盛り上がっていた。

 洛陽の外で待機していた桃香(とうか)白蓮(ぱいれん)達も今は合流し、雪蓮(しぇれん)華琳(かりん)達と共に談笑している。

 そんな中、雪里(しぇり)が一つの知らせを持ってやってきた。


「先程、(ゆえ)様が到着された様です。」


 そう言われて涼が出入口に目をやると、黄巾党(こうきんとう)征伐時に共に戦った董卓(とうたく)――月が賈駆(かく)――(えい)と共に近付いて来るのが見えた。


「御久し振りです、皆さん。」


 涼達の(もと)にやってきた月は、いつもの優しげな笑顔を浮かべながらそう話し掛けてきた。


「久し振りだね、月。詠も元気そうで何よりだよ。」

「……有難う。」


 詠もいつも通り無愛想に返事をする。

 月には優しく接しているのに、他人には厳しいのは何故だろうと思う涼だった。


「皆様の御活躍は先程お聞きしました。特に清宮(きよみや)さんは趙忠を討っただけでなく、二人の皇子も同時に助け出したとか。」

「それも皆が頑張ってくれた結果さ。たまたま俺が手柄を取れただけだよ。」

「ふふっ、相変わらず謙虚なんですね。」


 口元に手を当てながら月は笑みを浮かべ、暫くの間涼を見つめた。

 十代の少年である涼は月のその仕草にドキリとし、顔を紅くする。

 だが同時に、涼は違和感を感じていた。


(……何だろう。月は前と変わらない筈なのに、どこか変に感じる……?)


 だが、その違和感が何か解らなかった涼は、結局深く考える事はしなかった。

 その間に、月と詠は桃香達とも話していき、やがて苦笑しながら言った。


「私達も、間に合えば皆さんのお力になれたのですが……遅れてしまい申し訳ありませんでした。」

「仕方ないよ、月ちゃんは私達の中では一番遠い所に居たんだし、それに異民族と戦っていたんでしょ?」

「地理的にも状況的にも不利だったのなら、遅れるのは仕方ないと思うわ。」


 桃香と雪蓮が月をフォローする。が、そんな行為を無にするかの様に、華琳は意地悪な表情になって話し出した。


桂花(けいふぁ)に聞いたのだけど、今の董卓軍は確か二十万の大軍なのよね? それだけの軍勢が居れば、楽出来たでしょうね。」

「ここに連れてきたのは十五万程だけど、確かに曹操の言う通りだったでしょうね。」


 それに対して、詠が敢えて皮肉を受けながら答える。

 当然ながら場の空気は悪くなるので、慌てて桃香や白蓮がフォローに回った。

 一方、雪蓮はそうして慌てる二人を見ながらお酒を飲み、華琳はその様子を楽しむかの様に眺めている。

 そんなちょっとしたドタバタ騒動は、折角の祝賀会で喧嘩になっては困ると感じた涼が止める迄続いた。


「あー、()った居った。」


 そこに、何処かで聞いた事のある関西弁が聞こえてくる。

 この世界で関西弁とはおかしいが、実際に話しているのだから仕方が無い。


張遼(ちょうりょう)、お疲れ様。」

「おおきに。まあ、お互い様やけどな。」


 張遼も涼と同じく、十常侍討伐で功績をあげている。

 そうした意味で「お互い様」と言ったのだろう。


「そうだね。それより、俺を捜していたみたいだけど、何かあったの?」

「ああ、ウチの大将が会ってみたいらしくてな。少し時間ええか?」

「大丈夫だよ。張遼の大将って……確か丁原(ていげん)って人だったよね?」

「せや。丁原の旦那には色々助けて貰うてな、その恩を返す為にウチは部下になってるんや。」


 張遼は真面目な表情でそう言った。

 そんな張遼の過去を涼が気になっていると、そこに低く威厳の有る声が聞こえてきた。


「儂は大した事はしてないから気にするなと、いつも言っておるんじゃがな。」


 声の主は白髪が多めの頭髪をした初老の男性だった。また、その傍らには色黒で紅い髪の少女が居る。


「せやけど、あの時旦那に助けて貰わんかったら、ウチは今頃どうなっとったか解らへんのやし、気にするなってのが無茶ですわ。」

「相変わらずだな、(しあ)。まあ、儂としてもお主が居てくれた方が助かるし、娘が増えた様で楽しいがの。」


 初老の男性は、そう言ってカラカラと笑う。

 つられて張遼も笑ったが、紅い髪の少女は無表情のままだった。

 そんな紅い髪の少女の様子も気になる涼だったが、その前に確認しなければならない事が有るので後回しにする。


「張遼、ひょっとしてその人が……。」

「ああ、放っておいてスマンかったな。察しの通り、この爺さんがウチの大将であらせられる丁建陽(てい・けんよう)や。」

「爺さんで悪かったの。……さて、挨拶が遅れて済まんかったのう。儂が荊州(けいしゅう)刺史(しし)の丁原、(あざな)は建陽じゃ。」

「御丁寧にどうも。自分は劉備(りゅうび)・清宮軍の副将を務めています、清宮涼です。」


 張遼に紹介された初老の男性――丁原が挨拶してきたので、涼は平伏しながらそう答えた。

 すると丁原は、怪訝な表情になりながら訊ねてきた。


「副将? 確か黄巾党征伐時のお主は、連合軍の総大将を務めていたと記憶しておるが。」

「あれはあくまで一時的なものです。本来は劉玄徳(りゅう・げんとく)が大将で、自分はその補佐が役目ですから。」


 涼は謙遜する様に言った。それが、桃香が居たら間違い無く即座に否定しそうな事だったのは、今更言う迄も無い。

 丁原が涼の言葉をどう受け取ったか判らないが、暫くして先程の様にカラカラと笑いだした。


「今時珍しい謙虚な男じゃな。……じゃが、それでいて隙を見せぬとは、流石じゃの。」

「そんな……買い被り過ぎですよ。」


 いきなり高評価を得た涼は照れながら謙遜した。

 だが丁原は、そんな涼に対して尚も評価を述べていく。


「義勇軍とは言え、一万を超える大軍の補佐となれば、誰にでも出来る事ではない。……それでいて、儂等の事を探ろうと目を光らせておる。じゃから流石じゃと申した迄よ。」

(……読まれてたか。)


 涼は内心で小さく舌を出した。

 「三国志」に詳しい涼だが、その知識をそのままこの世界で使えるとは限らない。

 何しろ、大半の武将・軍師が女になっている世界だ。勿論、今涼の目の前に居る丁原の様に、男性のままという場合もあるが。

 そうした事情から、涼は情報を得る事を最優先にしている。とは言っても、あくまで自分自身にとっての情報だが。


「俺は、俺に出来る事をしているだけですよ。」

「ふむ……“天の御遣いは公明正大で思慮深く、それでいて謙虚だ”という噂は、間違っておらぬ様じゃの。……どうじゃ、お主さえ良ければ、うちの霞と(れん)を嫁にくれても良いのじゃがの?」

「なあっ!?」

「……義父上(ちちうえ)、急過ぎる。」


 涼は余りの急展開に苦笑しつつも、初めて喋った紅い髪の少女を見ていた。

 丁原が恋と呼んだ紅い髪の少女は、ボーっとした表情をしている。

 紅く短い髪は前後に鋭く伸び、上部には二本の長い髪がまるで触角の様に伸びている。

 燃える様な深紅の瞳は大きくて、髪の色と相まって自然と見る者を惹きつけていく。

 色黒の肌の肩や腹部には、黒い線状の模様が有る。刺青(いれずみ)かボディペインティングだろうか。

 服は真ん中のファスナーらしき物を境に右が黒、左が白に分かれているタンクトップみたいな襟付きの服で、真ん中のファスナーらしき物の左右に一本ずつ、左胸の辺りに曲線を重ねた様な金色の刺繍がそれぞれ施してあった。

 肩先から有る袖は腰と同じ赤茶色のベルトで固定。色は服と同じで右が黒、左が白で、肩口と袖先に三角形の金色の刺繍が有る。

 また、首元には赤紫色の布をマフラーの様に巻いており、その布は地面に着くんじゃないかと思う程長い。実際に着いているのか、布の先は所々に穴が空いていた。

 白いプリーツスカートの上にはボロボロの黒い布を巻き、赤茶色のベルトで固定している。

 黒いオーバーニーソックスと赤茶色を基調とした、登山靴の様な厚底靴の様な靴を履いており、只でさえスタイルの良い体型が、更に綺麗に映えていた。


「……ふむ、どうやら清宮殿は恋が気になる様じゃの。」

「えっ!?」


 丁原がそう言った時、涼は何を言われたか解らず慌てて声を出した。

 どうやら、丁原が勘違いする程に紅い髪の少女――恋を凝視していた様だ。


「……恋、オマエの妻になるの?」

「いやいや、決まってないからっ。」


 恋は相変わらずボーっとしたままそんな事を言い、慌てて涼が否定した。イマイチよく解らない娘である。


「……義兄上。」


 そこに、凛とした声が冷たさを含んで聞こえてきた。

 聞き覚えが有り過ぎるその声を聞いた瞬間、涼は背筋が凍ったかと錯覚した。

 それから涼は恐る恐る振り返り、そこに居た愛紗を確認する。清々しいくらいの笑顔なのに、涼は何故かそれを恐いと感じていた。


「……相変わらずおモテになりますねえ、義兄上。」

「そんな事は……無いと思うよ、うん。」


 涼は所々言葉に詰まりながらそう答える。

 その間に、雪蓮や華琳、月達もやってきた。


「あらら、競争相手がまた増えたのねー。」

「……本当に人気があるわね、涼。」

「へう……。」


 約一名を除き、彼女達は皆ジトッとした目を涼に向ける。


(な……何か、皆の視線が痛い!)


 涼は愛紗達の冷ややかな視線にたじろぎながら、どうやってこの場をやり過ごそうか思案する。

 だがそこに、丁原の笑い声が聞こえてきた。


「いやはや、流石は清宮殿じゃな。自軍の者だけでなく、他軍の者迄惹きつけるとはのう。」

「いえ……そんなつもりは無いんですが。」


 丁原のその言葉に苦笑しながら涼は答える。

 また、愛紗達も丁原にそう言われて冷静になったのか、はたまた却って焦り始めたのか、少なくとも涼へのジトッとした視線は無くなった。


「これは負けておられぬな、恋、霞。」

「うん……負けない。」

呂布(りょふ)っち、意味解っとるか?」


 紅い髪の少女に張遼が冷静にツッコミを入れる。

 それを聞いた涼は、納得しながらも内心で少し驚いていた。


(さっき、丁原を“義父上”って呼んだからもしかしてとは思ったけど……この娘がこの世界の呂布なのか……。)


 涼はそう思いながら再び紅い髪の少女――呂布を見る。

 呂布と言えば、三国志史上最強と謳われる武将である。

 何せ、「三国志演義」における虎牢関(ころうかん)の戦いではたった一騎で連合軍を蹴散らし、迎撃にあたった劉備・関羽(かんう)張飛(ちょうひ)の三人が連携して戦っても勝てなかった程だ。

 因みに、その戦いの場面は「三英戦呂布」と呼ばれている。


(けど、この娘は強いって言うより可愛いって感じだなあ……。)


 涼は呂布を見ながらそう思った。もし口に出して言っていたら、愛紗達のあの視線をまた受ける事になっていただろう。

 そんな事を考えない涼は、結局いつも通りの事をするだけだった。


「まあ……結婚とかは兎も角、これからも宜しくね、張遼、呂布。」


 涼はそう言いながら右手を差し出した。


「そやな。ウチは未だ結婚する気無いから、変に期待せんといてなー♪」

「……宜しく。」


 張遼と呂布はそう言いながら涼と握手を交わす。

 それから二人は居住まいを正し、笑みを浮かべながら次の様に続けた。


「ほなら、改めて自己紹介や。ウチの姓は“張”、名は“遼”、字は“文遠(ぶんえん)”、真名は“霞”や。」

「……じゃあ恋もする。……姓は“呂”、名は“布”、字は“奉先(ほうせん)”、真名は“恋”。……宜しく。」


 名前だけでなく真名(まな)迄言ってきた二人に、涼は少なからず驚いた。


「今のって……真名を呼ぶ事を許してくれたって受け取って良いんだよね?」

「せや。」

「……うん。」

「この世界では真名は神聖な物と聞いてるけど?」

「その通りや。そやから、ウチはアンタの事を認めたっちゅう事や。」

「……恋はオマエの事よく解らないけど、義父上が認めてるから、構わない。」

「そ、そうなんだ。」


 聞き間違いでは無かった事を確認した涼は、多少戸惑いながらも、やがて自らも居住まいを正して言った。


「じゃあ、俺も改めて自己紹介を。姓は“清宮”、名は“涼”。字と真名は無いから好きに呼んでくれ。」

「了解や、涼。」

「……解った、涼。」


 その言葉を受けて、張遼――霞と呂布――恋はそれぞれ、目の前に居る「天の御遣い」と呼ばれる少年を涼と呼んだ。

 それを見ていた愛紗達は再びジトッとした視線を送ったが、やがていつもの事だからと諦めたらしく、彼女達も霞達と普通に接し始める。

 そうなると後は早いもので、涼達は段々と和気藹々とした雰囲気になっていった。

 だが、そんな涼達とは違い、何だか重苦しい雰囲気の一団が居た。


「……気に入りませんわ。」

「はい?」

「どうしたんですか、姫ー?」


 金髪の巻き髪をした少女がそう呟くと、おかっぱ頭の少女とツンツン髪の少女は、キョトンとした顔でそう応えた。


「どうしたんですか、じゃありませんわよ文醜(ぶんしゅう)さん! 貴女はあれを見て何とも思いませんの!?」

「んー……アニキ達が仲良く喋っているなあと思います。」

「……それだけですの!?」


 文醜と呼んだツンツン髪の少女の答えが不満だったのか、姫と呼ばれた金髪巻き髪の少女は文醜を睨み付ける。

 因みにおかっぱ頭の少女は、姫と呼ばれた金髪巻き髪の少女が何を言いたいのか解った様だが、何故か小さく溜息をついていた。


「えーっと……豪華な顔触れだなあ、と……。」

「まあ……華琳様や白蓮様、それに孫策(そんさく)さん、董卓さんに丁原さん達が一緒だからね。」


 文醜の答えにおかっぱ頭の少女も続いて答えた。すると、姫と呼ばれた金髪巻き髪の少女は、右手人差し指で文字通り二人をビシッと指差しながら、強めの語気を更に強めた。


「そう! そこですのよ文醜さん、顔良(がんりょう)さん‼ ……何故、四代に渡って三公を輩出した名門袁家の当主である私、袁本初(えん・ほんしょ)ではなく、“天の御遣い”という胡散臭い肩書きのあの男がチヤホヤされていますの!?」

「あー……成程。だから麗羽(れいは)様の機嫌が悪いのか。」

「いつもの事なんだから早く気付こうよ、文ちゃん。」


 そう話す文醜――猪々子(いいしぇ)とおかっぱ頭の少女――顔良――斗詩(とし)は、金髪巻き髪の少女――袁紹(えんしょう)――麗羽を見ながら、深々と溜息をついた。


「……二人共何ですの、その疲れた表情は。」

「そりゃ疲れますよ……。」

「文ちゃんっ。……あ、あの麗羽様、今回ばかりは清宮様があの様に褒め称えられるのは仕方が無いかと……。」

「どうしてですの?」

「清宮様は十常侍の一人であった趙忠を討っただけでなく、連れ去られた二人の皇子を助け出しました。ですから、清宮様が高評価を得るのは当然だと思いますよ。」


 誰が見ても当然な結果に納得がいかない麗羽に対し、斗詩は簡潔且つ丁寧に説明をした。

 普通ならこれで理解する筈だ。

 だが、やはりと言うか麗羽は違った。


「そんなのは言われなくても解ってますわ。……ですが、だからと言って私が(ないがし)ろにされる理由にはなっていませんわ。何しろこのわ・た・く・しは! 大陸屈指の名門、袁家の当主なのですから‼」

「「…………。」」


 余りにもいつも通りな主人に、呆れて何も言えない斗詩と猪々子。

 そう、麗羽こと袁本初は、世界は自分を中心に回っていると思っているだろうなと他人が思う程、自意識過剰な少女なのだ。


「……そもそも、これでは当初の計画とかけ離れ過ぎですわっ!」

「……当初の計画?」

「文ちゃん忘れたの? 本来なら麗羽様と何進(かしん)様の軍だけで十常侍を誅殺(ちゅうさつ)出来たのに、そうしなかったのは……。」

「ああ、最近力を付けてきた諸侯の軍を使って十常侍の兵を削って、良い所だけかっさらおうってやつだよな。」

「……言葉は悪いけど、そうだね。」


 斗詩は今日何度目か解らない溜息を、やはり深々とついた。

 これ等の話から解る様に、麗羽は自軍の損耗を避けつつ諸侯を損耗させ、手柄を得ようとしていた。

 その為に何進を説得して諸侯を呼び寄せたのだが、その何進が十常侍に討たれたり、一番の手柄を他軍に取られたりと誤算続きだった。

 名門だなんだ威張っている割にセコい手を使うから、そんな結果になるのだろう。

 もし、猪々子が段珪(だんけい)を討っていなかったら、麗羽は今以上に機嫌が悪くなっていた筈だ。


「……あ、麗羽様、あれを見て下さい。」

「何ですの?」


 小さく驚いた斗詩が指差す方向に、麗羽は目をやる。

 そこには、歓談中の涼に近付く見知った顔が有った。


美羽(みう)さんがどうかしまして?」

「えっと、多分なんですが……。」


 斗詩が自分の考えを麗羽に伝えている間に、美羽こと袁術(えんじゅつ)は涼に声をかけていた。


「これ、清宮とやら。」

「ん?」


 後ろから少女に声を掛けられた涼は直ぐに振り返る。

 が、そこには誰も居なかった。


「あれ、居ない?」

「どこを見ているのじゃ? (わらわ)はここじゃ。」


 やはり振り向いた方向から少女の声は聞こえてくるが、何故か涼の視界には誰も居ない。


「声はすれども姿は見えず……。」

「なっ!? 失礼じゃぞっ‼」


 少女の声は少し不機嫌さを含み始めた。


「……どこ?」

「……仕方の無い奴じゃ。……見ー下ーげてーごらんー♪」

「ん?」


 涼が「新喜劇?」と思いながら言われた通りに目線を下げると、そこには今日会ったばかりの少女が居た。


「確か君は、袁術だよね?」

「そうじゃ、妾は名門袁家の一人、袁公路(えん・こうろ)じゃ♪ ……って、誤魔化すでない! 妾の姿を見つけられぬとは失礼であろう!」


 袁術は自身の背の低さをからかわれた様に感じたらしく、頬を膨らませながら涼に怒っている。

 だが、怒られてるにも拘わらず、涼は平然としながらこんな事を思っていた。


(怒ってるけど、いかにも子供の癇癪って感じで可愛いもんだな。)


 涼は袁術を普通の子供の様に見ていた。事実、この袁術の年齢は未だ十一歳だったりする。


「コラッ、そちは妾の話をちゃんと聞いておるのかや?」

「勿論、ちゃんと聞いてるよ。」


 だからだろうか、涼はそう言いながら袁術の頭を撫でていた。


「にゃっ!?」


 すると何故か、袁術は驚いた猫の様な声を出した。


「どうした?」

「きゅ……急に妾の髪を撫でるでない!」


 袁術は頭や顔を両手で隠しながら僅かに後ずさる。

 その反応を見た涼は、「あれっ?」という表情を浮かべながら考え込んだ。


(おかしいなあ……鈴々(りんりん)(しずく)はこうすると直ぐ機嫌を直してくれるんだけど。)


 何気なく自分の掌を見ながら、涼はどうしたら袁術の機嫌を直せるか考え続けた。

 その間、袁術は俯きながら顔を真っ赤にしていた。

 もっとも、袁術が両手で頭や顔を隠していた為、涼はその表情を確認出来なかったが。


「……仕方無いのじゃ。」

「えっ?」


 暫しの間沈黙していた袁術がそう呟くと、ゆっくりと手を下ろし、涼を見ながら言った。


「妾は心が広いから、先程の無礼な振る舞いは水に流してやるのじゃ。有り難く思うのじゃぞ♪」

「う、うん。有難う?」


 袁術の表情の変化に涼は少し戸惑いながらも、どこかホッとしていた。


(マセた事言ってるけど、やっぱり子供だなあ。直ぐに機嫌が直ったよ。)


 そう思いながら、自然と微笑む涼。

 そんな涼を見て、袁術も更に微笑む。何故か顔を紅らめながら。


「と、ところで清宮よ、名前は何と言ったかえ?」

「涼だよ。」

「涼かえ。なら、字と真名は何なのじゃ?」

「俺はこの国の人間じゃないから、字も真名も無いよ。」

「そう言えばお主は“天の御遣い”じゃったの。……で、では、どう呼べば良いのかの?」


 袁術は何故か口ごもりながら訊ねる。

 それを涼は袁術が遠慮してるのかと思いながら、笑顔のまま答えた。


「袁術が好きに呼ぶと良いよ。」

「そ、そうかえ? ……な、なら、涼と呼ぶ事にするのじゃ!」


 袁術は右手を挙げながら、笑顔でそう宣言する。

 だが直ぐにまた口ごもりながら、上目遣いで続けた。


「な、なら……妾の事も真名で呼んで良いのじゃ。」

「良いの?」

「妾が良いと言っておるのじゃから、勿論良いのじゃ♪」

「解った。じゃあ改めて自己紹介を頼むよ。」


 涼がそう言うと、袁術は笑顔になって居住まいを正し、言葉を紡いだ。


「妾の姓は“袁”、名は“術”、字は“公路”、真名は“美羽”なのじゃ! 気軽に美羽様と呼ぶが良いぞ♪」

「解った。宜しくね、美羽ちゃん。」


 涼が袁術――美羽に笑顔でそう言うと、美羽もまた頬を朱に染めた笑顔を返してきた。

 と、そこに、聞いた事のある間延びした声が聞こえてきた。


「御嬢様〜どこですか〜?」


 涼と美羽が声がした方を見ると、そこには張勲(ちょうくん)の姿があった。どうやら美羽を捜しているらしい。


七乃(ななの)ー、妾はここじゃー。」


 美羽が右手を振りながら呼び掛けると、張勲は直ぐ気付き、小走りで駆け寄ってきた。


「捜しましたよ、美羽様〜。迷子になったのかと思って心配してました〜。」

「それは悪かったの、七乃。……そうじゃ、折角じゃから七乃も涼に自己紹介すると良いのじゃ。」

「自己紹介、ですか?」


 美羽にそう言われた張勲は、キョトンとしながら美羽と涼を交互に見る。


「そうじゃ♪ 因みに妾は真名を涼に預けた故、七乃も預けると良いのじゃ。」

「はあ、真名を預ける、ですか……って、ええっ!? 美羽様、清宮さんに真名を預けたんですかっ!?」

「だからそう言っておるではないか。聞こえてなかったのかえ?」


 美羽はそう言いながら呆れた様な表情で張勲を見る。

 その張勲はと言うと、苦笑しながら二人の顔を交互に見続けていた。


「聞こえていたからビックリしたんですよ〜。……けど美羽様、そんな簡単に真名を預けちゃって良かったんですか?」

「涼は妾が認めた人物じゃから構わないのじゃ。」

「なら良いんですけどね〜。」


 そう言って張勲はチラッと涼を見る。

 視線に気付いた涼は何故か苦笑していた。


「えっと……無理に真名を預けてくれなくても良いですよ。この国の人間じゃない俺でも、真名がどういうものかは解っていますから。」


 涼が苦笑していた理由は、単に張勲に気を遣っていたからだった。

 それに気付いた張勲は、不意に可笑しくなった。

 「天の御遣い」と呼ばれ、義勇軍の象徴であり、今回最大の功労者である涼が、美羽の側近とは言え今回手柄らしい手柄を得ていない自分を気遣っている事が、何故か可笑しかったのだ。

 そして、同時に理解した。そんな涼だからこそ美羽が真名を預けたのだと。


(まあ、勢いで預けた可能性も有りますけどねー。)


 ……(むし)ろ、そっちの方が可能性が高いかも知れない。

 とは言え、張勲の心は既に決まっていた。


「美羽様が真名を預けていらっしゃるのに、家臣の私が預けない訳にはいきませんよ。」

「良いんですか?」

「はい、良いんですよ。」


 涼が確認すると、張勲はニッコリと微笑みながら答えた。


「解りました。では、自己紹介をお願いします。」

「はい。私の姓は“張”、名は“勲”、字は“玲源(れいげん)”、真名は“七乃”。我が主袁術共々、宜しくお願いします。」


 自己紹介をしながら軽く会釈をする張勲――七乃に対し、涼もまた改めて自己紹介をした。

 それから三人は、暫くの間歓談した。何の変哲もない話から、それぞれの価値観やら何やらを話していった。

 難しい話になると美羽の頭に「?」マークが浮かんでいたが、涼達は構わず続けた。

 どうやら、涼も七乃も美羽で遊んでいた様だ。

 その様子を見ていた三人――袁紹、斗詩、猪々子は三者三様の反応を見せる。


「……み、美羽さんは何をしていますの!? あんな簡単に真名を預けるなんて‼」

「ですから、さっき説明したじゃないですかあ。“天の御遣い”である清宮さんと、繋がりを持ちたいんじゃないかって。」

「ほえー、アニキって本当に人気なんだなあ。あの美羽様がすっかり懐いてるよ。」


 猪々子が感心した様な声を出している隣で、袁紹は斗詩に詰め寄りながら説明を受けている。

 やがて、斗詩が何度も説明して漸く理解したのか、袁紹は難しい顔をして考え込んだ。


「むむむ……美羽さんがそんな事を考えていたなんて……やりますわね。」

「何がむむむですか……。兎に角、麗羽様も清宮さんに真名を預けた方が良いかと思いますよ。」

「嫌ですわ!」

「即答ですか!?」

「名門袁家の当主たるこの私が、あんな男に何故真名を預けなければならないのです?」

「ですからそれは、さっき説明したじゃないですかあ。」

「そうでしたわね。ですが、理解はしましたけど、納得はしていませんわ!」

「そんなあ……。」


 袁紹がそう断言すると、斗詩は頭を押さえながら深々と溜息をついた。

 周りの者が皆、「天の御遣い」の威光を利用としている中、袁紹だけが利用しないのは明らかに間違っている。

 これから先、何が起こるか解らないのだから、保身の為の手段は取れるだけ取っておくべきだ。

 斗詩はそれが解っているだけに、憂鬱な表情を浮かべる。


(私、益々苦労しそうだなあ……。)


 その内、胃に穴が開きそうな程苦労性な斗詩だった。

 結局、祝勝会は夜遅く迄続いた。

 そんな時間になっても、涼の周りには「天の御遣い」の威光を得ようとする者や、単に傍に居たいという者がひっきりなしに現れる。

 お陰で、祝勝会が終わった時の涼の顔には疲労の色が出ていた。

 そうして祝勝会が終わり、涼達が祝勝会会場を出た時、月と詠が涼達に話しかけてきた。

 どうやら二人も帰るところらしく、涼達は話しながら歩いていった。


「……では、清宮さん達は明日にはもうお帰りになるのですか?」

「ああ。未だ張譲(ちょうじょう)が見つかっていないとはいえ、十常侍は事実上居なくなった。なら、後は洛陽に駐留する軍だけで何とか出来る筈だからね。」

「……そうですね。それに清宮さんは徐州(じょしゅう)州牧(しゅうぼく)になる訳ですし、これから忙しくなりますものね。」

「あー……その事なんだけど……。」


 月がそう言うと、涼は何故か口ごもった。

 頬を人差し指でポリポリと掻きながら、暫く中空に視線を漂わせ、やがて月と詠を交互に見ながら小声で言った。


「これは内緒なんだけど……実は、州牧になるのは俺じゃなくて桃香なんだ。」

「えっ?」

「……何でそうなってる訳?」


 内緒と言われたからか、月と詠も小声になっていた。

弁皇子(べん・おうじ)……いや、もう即位されたから少帝(しょうてい)だね。その少帝は今回の恩賞として俺を州牧にしてくれるって仰って下さったけど、俺はそれを断ったんだ。」

「ええっ!?」

「月っ、声が大きいわよっ。」


 詠に言われて、慌てて月は両手で口を塞いだ。

 幸いにも、今涼達の近くには誰も居ない。

 最も話を聞かれてはいけない桃香達は、涼達の前方、少し離れた所に固まって歩いている。

 涼が月と詠と話し始めた時、桃香達は空気を読んで少しだけ前を歩き始めた。

 内心は色々と複雑だっただろうが、義兄(あに)、もしくは主君や友人の邪魔はしたくないという気持ちが僅かに勝った様だ。

 勿論、護衛の任は忘れておらず、愛紗や鈴々、そして時雨(しぐれ)達は桃香の護衛をしつつ、涼に不審者が近付いてこないか警戒している。

 そんな中、愛紗は月の声に反応して振り向いたが、話の最中だと確認すると再び前を向いて歩き出した。

 涼達はそれを確認してから話を再開する。


「……それで、辞退したのはどういう訳なの?」

「理由は簡単、義勇軍の総大将は桃香だからさ。なので、俺じゃなくて桃香――劉玄徳を州牧にして貰う様に頼んだんだ。」

「そして、少帝はそれを認められたのですね?」

「ああ。そもそも桃香は中山靖王(ちゅうざんせいおう)劉勝(りゅうしょう)の末裔だから、自分より州牧に相応しいだろうしね。」

「天の御遣いだって相応しいでしょうに。」

「それに、何だかめんどくさそうだし。」

「それが本音か!」


 涼の一言に的確なツッコミを入れる詠と、苦笑する涼。

 月はそんな二人を見ながら微笑んでいた。その笑みに僅かに影が差していたのは、月自身は勿論、涼と詠も気付かなかった。

 やがて、月と詠の宿舎前に着いた。涼達の宿舎はこの先に在るので、月達とはここで別れる事になる。


「結果的に送って貰っちゃいましたね。皆さん、有難うございます。」

「どう致しまして♪ まあ、どうせ通り道なんだし、気にしないで良いよ。」


 涼が笑顔でそう返すと、月もまた笑顔を見せる。

 それと同時に、愛紗達や詠が少しだけ不機嫌になるのは、最早日常茶飯事にも等しくなっていた。


「それでは皆さん、お休みなさい。」

「ああ、お休み。また明日ね。」


 涼と月、そして各々がそれぞれ挨拶を交わし、涼達は再び帰路に就く。

 月と詠は、涼達の後ろ姿を見送ってから宿舎に入っていった。

 その途中、二人は何か話していたが、その会話を聞いた者は誰も居なかった。

 翌日、宿舎に居た涼達は幽州(ゆうしゅう)への帰り支度をしていた。


「何か、お手伝いしましょうか?」


 そこにそう言いながら現れたのは、私服姿の月だった。

 いつもの服装とは違い、白と淡い桃色で構成された長袖ロングスカートのワンピースを着ている。


「有難う、月。でも殆ど終わってるから大丈夫だよ。」

「そうですか……なら、少し早めに来れば良かったですね。」


 月はそう言いながら微笑んだ。

 その笑みは美しく、涼は思わず見とれてしまいそうだったが、どこか違和感を感じてもいた。

 それが何か考えていると、そこに、やはり私服姿の詠がやってきた。


「月、やっぱりここに居たのね。」


 そう言った詠の私服は月と同じ色の長袖のワンピースだが、スカートが黒のミニスカートになっている。

 どうやら走ってきたらしく、詠の息は少し乱れていた。


「あっ、詠ちゃん。ひょっとして、何かあったの?」

「別に何も無いけど……出掛ける時はちゃんと言付けてからにしてよね。急に居なくなったから、心配したじゃないの。」

「へぅ……ゴメンね、詠ちゃん。」


 詠に注意された月は、俯きながら謝った。すると今度は、詠が慌てながら月を元気付けだした。


(本当に詠は月に弱いなあ。)


 と、涼が思いながら見ていると、それに気付いた詠が慌てて居住まいを正し冷静さを保とうとした。

 今更手遅れなのは誰が見ても判るのだが。

 その後、帰り支度を終えた涼達は休憩がてら少し話をした。

 その内容は、お互い時間が出来たらゆっくりと遊びたいという、たわいもない話。

 そう、たわいもない話の筈だった。少なくとも涼にとっては。

 十数分後、休憩を終えた涼達は、部隊に洛陽の正門に先行する様指示してから、少帝に別れの挨拶をする為に宮中に向かう準備をした。


「じゃあ月、詠、また今度ね。」

「はい。清宮さん達もどうかお元気で。」

「ま、無事を祈っておいてあげるわ。」


 涼は二人と別れの挨拶を交わしてから、桃香達と共に宮中へと向かった。

 月と詠は涼達が見えなくなる迄見送ってから、ゆっくりと帰り出す。

 その最中、詠が静かに口を開いた。


「良かったわね、月。」

「うん……最後に私服姿を見て貰えて、本当に良かった。でも……。」

「……でも?」


 俯く月に詠が訊ねると、月は一度目を閉じてから呟く様に答えた。


「……出来れば、このまま残って私を……“殺してほしかった”な……。」


 月がそう呟いてから約半刻後、少帝への別れの挨拶を済ませた涼達は洛陽を離れた。

 その少帝との面会時に、州牧になるのが桃香だとバレてしまったが、少帝の決定に桃香が口を出せる訳が無く、その場は大人しくしていた。

 結局、涼は幽州への帰路に就いてからずっと、桃香の恨み節を聞き続ける事になる。

 因みに、涼の様に洛陽から本拠地へと直ぐ戻ったのは、華琳と孫堅・雪蓮の二組。

 袁紹や美羽、そして遅れてきた丁原や月達は、そのまま残って張譲や十常侍派を掃討する為に兵を動かしている。

 黄巾党の乱、十常侍誅殺と続いた動乱も、(ようや)く終わろうとしていた。

 一方、幽州に戻った涼達は義勇軍を解散させていた。

 これは、義勇軍の総大将である桃香が徐州の州牧になる為、今迄の様に幽州で暮らすか、各々の地元に戻るか、桃香達について徐州に来るかの判断を任せる為である。

 その結果、殆どの者が桃香達についてくる事になり、その後、幽州での引き継ぎを終えた涼達は、一万二千以上の兵やその家族を伴う事になった。


「気を付けてな、桃香。」

「有難う♪ 白蓮ちゃんも元気でね!」


 涼達は白蓮とその部下達に見送られ、新天地である徐州へと向かっていった。

第九章「宴と少女」をお読みいただき、有難うございました。


今回は今まで以上にタイトル通りのお話でした。それにしても袁家のキャラは使い易さに差があり過ぎるなあ。単に自分の実力不足なだけでしょうが。

前回の霞に続き、今回は恋が登場しました。陳宮が居ないのはとある理由からなので、音々音ファンの方は今しばらく御待ち下さい。


七乃の字と月と詠の私服は自分のイメージから作ったので、多分元ネタは無い筈。単に忘れただけかも←

最後の月の台詞がどう繋がるのかお楽しみに。


今回のパロディネタ


「声はすれども姿は見えず……。」「……仕方の無い奴じゃ。……見ー下ーげてーごらんー♪」→「声はすれども姿は見えず。」「見ー下ーげてーごらんー♪」

吉本新喜劇で御馴染の池野めだかさんの持ちネタより。元ネタはこの後泣くんですが、流石にそれはやめました。


「むむむ……美羽さんがそんな事を考えていたなんて……やりますわね。」

「何がむむむですか……。兎に角、麗羽様も清宮さんに真名を預けた方が良いかと思いますよ。」→「むむむ……。」「何がむむむだ!」

「横山光輝三国志」ネタ。「むむむ……。」は、「項羽と劉邦」「殷周伝説」等でも使われていますが。


次回から徐州編に入ります。暫く戦闘シーンはありませんので、退屈かも知れませんが、宜しければ御付き合い下さい。

ではまた。



2012年11月29日更新。

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