Tick's(ティックス) −1982年、あなたはどこにいましたか?−(17/21)縦書き表示RDF


Tick's(ティックス) −1982年、あなたはどこにいましたか?−
作:蒔田 龍人



−第17章−


ススキノ繁華街と狸小路の間に、「みやこ通り」という雑居ビルが並ぶ一方通行車線の細い通りがある。

普段からよく暴走族同士が喧嘩となったり、やくざに因縁をつけられたりして、夜は余り治安が良くないことで有名なのだが、その『都通り』沿いの雑居ビル3階に、竜二がユリエのバイトが終わる時間まで、たまに独りで現れるスナックがある。
『ボタンダウン』という名の、そのスナック経営者『ショージ』は、竜二が『ミルクホール』で知り合った、5歳年上の元暴走族リーダーで、出会った頃は『ヨンゴー』と呼ばれる、レンズ部分を45度(実は60度位までが機能的に限界)に傾斜させた銀縁メガネがトレードマークだったのだが、次第に『Tick's』のスタイルに感化され、リーゼントこそ変わらないが『ヨンゴー』はボストン型セルフレームへと変貌し、タートルネックにカーディガンのヤクザ風スタイルがビーチボーイズ風さわやかスタイルへと変貌した経歴を持つ、後輩逹には誠に面倒見の良い男である。
『ボタンダウン』は彼が若干22歳にしてオープンした、その名の通り、様変わりした彼のファッションポリシーから付けた名前の店だった。
この夜も、ショージは紺のギンガムチェックが入ったボタンダウンにコットンパンツ、足元はシャツの柄と同じく紺色のトップサイダーというスタイルである。

『ブルーハワイ』を観ながらハワイに感動していた竜二に入ったショージからの電話は、「やばい男がお前をさらう為に探し回っている。」だった。 

「お前、何か最近面倒おこしたかい?」

竜二が連絡を受け取ってすぐ『ボタンダウン』に直行すると、ショージが眉間にシワを寄せながらビール瓶とグラスを持ち、カウンターから身を乗り出して小声でやさしく聞いてきた。

「えっ?覚えはないっすよ。」

「どうやら石川会系の若いもんらしいだけど、店に入ってくるなり『ヤノをぶっ殺して中島公園に埋める!』って意気込んでたべやぁ、俺もう、お前が結構ヤックイ事したんでないかって…。奴ら多分もうこの店には来ないと思って速攻電話したっしょやぁ…本当に身に覚えないかい?」

「石川会系の若い衆?誰だそりゃ?」

そう言いながら竜二がグラスに注いだビールを口につけると、店の電話が鳴った。

「はい!ボタンダウンで…おぉマサトでしょ、なした?今ヤノ来てるぞ、おぉ今替わるわ。ヤノォ、マサト。」

「あっ、すいません。もしもし…あぁ、たった今聞いたわ、えっ?誰それ?はぁ?知らねぇなぁ…、ウンウン…ホォ〜、っで?ウンウン…、えっ?なんだそりゃ?誰だそれ?俺じゃないんじゃねぇかなぁ…。あぁ、待ってるわ。」

キツネにつままれたような顔で竜二が電話を切ると、

「なんだってさ?マサト。」

ショージがカウンター越しで氷をアイスペールでカチ割りながら問いかけた。

「俺を探しているって男、どうやらマサト君の高校の元先輩らしいんすわ。中退したらしいんすけど、そのあとやっぱヤクザになって…そんな事どうでもいいんすけど…そいつの女がヤバイことになっちゃったらしくて、その原因がなぜか俺になってて…っで俺をぶっ殺すって。…っで、今ちょうどマサト君、ススキノにいてサカガミの店でメシ食ってるから、今から即効でここに寄るって言ってました。」

電話の内容を聞いて、一瞬、なんだそんな程度のことか…という顔をしたが、う〜んと良く考えてショージが言った。

「本当に身に覚えが無いにしても、もうどうしようもないなぁ、多分そんなこと言っても聞かないっしょ、そいつ。」

「…しかしそれにしても、なんで俺なんだろ?しかも、なんでこの店に来るのを知ってるんだろ?」

しばらく2人が「ン〜」と沈黙していたとき、早速マサトが店に入ってきた。

「ヤノォ、なまらヤックイぞ、あいつ、相当女にゾッコンだから真剣に殺されるぞっ!」

マサトは店に入ってくるなり、竜二に向かって声を荒げながらすっ飛んできた。

「オノダって言うんだけどよぉ、高校時代から、ヤクザ関係なくボコボコにしてた奴でよぉ、今だって、若い衆だけど相当暴れてるらしいっつー噂だべや。しかも都通りを徘徊しているってよぉ。サカガミの店で『パラダイス』時代の奴とカレー食ってたら、そいつも俺と同じ学校だからオノダの話題になってよぉ、そいつが、『そういえば、ヤノに、しばらく都通りを歩かない方がいい、って伝えておいた方がいいんじゃないのか?』ってことになって。最近こういう情報を仕入れて無かったから『何それ?』ってよーく話しを聞いた途端にアセッて電話したんだわ。ヤノ、なまらヤックイことになったぞ。」

「ヤックイヤックイって、俺、身に覚えが無いがないんだから、どうしようもないしょや。」

竜二がマサトの捲し立てる言い方に少々苛立ちをみせてこう言ったが、マサトに腹を立ててみたところで解決しないことに気がつき、冷静になった。

「まぁ、その張本人の女に会って話してみないとわからんべさや。」

ショージが落ち着かせるようにそう言うと、

「もしかしてその女、誰かにサラわれてマワされた上にシャブ漬けにされて、挙句の果てに都通りに捨てられたんじゃねぇかぁ?」

マサトが注がれたビールのグラスに目を落としながら答えた。
しかし竜二はその『行き過ぎ』ともいえる憶測話しが全く耳に入っていない。
なにより今一番心に引っかかっていることは、『ぶっ殺されて埋められる。』よりも、『もしかして、その女とはユリエではないか?ユリエが実は二股掛けていたのかもしれない』という少々行き過ぎだが、全くありえない事ではない方向での疑惑だった。
自分自身がそういう可能性をもっているから、つい相手にもその目で見てしまう。
しかも実はここのところ、竜二はユリエと会っていなかったのだ。
竜二は、店からユリエの自宅に電話を入れると、

「俺、用があるからシケるわ。」

そう言ってショージに金を払い、店を出た。

『ボタンダウン』がある雑居ビルから都通りに出、ユリエの自宅へ向かうため地下鉄ススキノ駅まで歩いていると、正面からヤクザ風3人と、前髪だけ茶色に染めたリーゼントにピンクの革ジャン、ブラックジーンズのロックンローラー崩れの計4人がタバコをふかしながら歩いてきた。
すると、そのロックンローラー崩れが竜二の顔を見るや、焦りながら指を刺し、早口で叫んだ。

「あぁ!ヤッ、ヤノだっ!ヤノッ!」

ヤクザ風3人が、本当か?という顔をしたかと思うと、全員が全速力で走り寄り、逃がすものかと竜二の両脇を2人がつかんだ。

「てめぇがヤノかぁ!こっちぃこいやぁ!」

一番偉そうな蛇革ジャケットに黒トックリセーターの男がポケットに両手を突っ込んだまま通り沿いに停めてある車に向かって歩き出した。
都通りの路上駐車は、停められる人間が決まっている。まさに石川会系の縄張りなのだ。

「もういいっすか?」

ロックンローラー崩れが蛇革ジャケットにそう聞くと、

「あぁごくろうさん、今度、事務所にアレ取りに来いや。」

車の後部座席ドアを開けながら意味深々な返事をして、4人の中で唯一竜二の顔を知っていた彼を解放してやった。
どうやらこのロックンローラー崩れが『ボタンダウン』に竜二が顔を出していることも知っていたらしい。
蛇革ジャケットが運転席に座り、後部座席に先ず竜二の右腕をガッチリと掴んでいた男が乗り込んだ。
これからどうなるのか、いや、どうされるのか不安と緊張の中、竜二が車に乗り込もうとすると、スタスタとコート姿の男2人が歩み寄ってきた。
2人の片割れ、アゴの大きな大男の方が、

「ちょぉっと、聞かしてもらっていいかなぁ?あんたらこれから、この人をどこに連れてくんだぁい?」

蛇革ジャケットに非常に柔らかい口調でそう聞くと、彼はアゴ男を見て途端に顔色を変えた。
アゴ男は、青くなった蛇革男の顔をジィーっと覗き込みながらながら、コートの内ポケットから手帳を出してみせた。

―警察手帳だった。―

「オノダァ、なにやってるんだぁ〜?」

「いやぁ、お久しぶりっすねぇ、イマイさん。」

そのあまりにも絶妙なタイミングは、竜二にとって『助かった。』という感動よりも『ドッキリカメラではないか?』という疑惑の方を先にもたせるほどであった。
しかし、竜二の左腕をつかんでいた男がすかさず逃げると、助けられる立場の竜二までも反射的に逃げてしまった。

― 条件反射とは恐ろしいものである。―

先に逃げた男は隠れていた警官にあっさり捕まり、一方、革底のスリッポンを履いていた竜二は雪で滑って体制を崩し、そこにコート姿警官の一人に背負い投げをくらった。

『…セメテ「アシバライ」クライニシテクレレバイイノニ…。』

背中を強打して息が出来なくなった竜二を起こしてやりながらコート男がとぼけた口調で言った。

「ちょぉっと事情を聞きたいからなぁ?君たちそこまで同行してくれなぁ?」

『警察はなぜいつも皆、こういうトボケた口調なんだろうか?』そう思いながら竜二が向かった先は、都通りから二丁ほど行った場所にある『ススキノ交番』だった。
「任意同行ってやつ」である。
先ほどまではヤクザに両腕をつまれていた竜二が、今度は警官に両腕をつかまれ、酔っ払った野次馬達にからかわれながらススキノ交差点を歩き、目指す『ススキノ交番』に到着すると個室に連れて行かれて事情聴取となった。

竜二の担当は例のアゴ男である。

事情を話し、自分は一方的勘違いの被害者であることを主張すると、アゴ男は『事実なのか?』と疑ったが、連れ去られそうになった現場を実際に目撃してることで納得し、名前と住所を書かせタバコを没収すると、こう言った。

「また都通りでイザコザ有ったら、『ススキノ交番のイマイ』って名前、いつでも使え。」

アゴ男はそう言うと、別の部屋へ向かった。

『…助かった…補導されずに終わった…。』

そうなのである。
実は竜二の年齢では『補導』の分類になるのである。ガキの世界では一丁前でも、世間ではまだまだコドモ扱いなのだ。

その後、噂を聞いて、例の蛇皮ジャケット「オノダ」の「女」がススキノ交番にやってきた。
オノダ達はまだ取り調べ室から出てきてはいなかったが、竜二はその女を見るや、派手な色使いのジャケットと黒いタイトスカートに、脱色されチリチリに傷んだ髪を見て、オノダの女ではないかとピンときた。

竜二は彼女に歩み寄り、

「ねぇオネーサンさぁ、オノダって男、知ってるよねぇ?…んー、やっぱアンタ見たこと無いわ…。俺のこと知ってた?」

自分の顔に指を刺しながら、派手ジャケットチリチリ女にそう聞いてみると、

「えーっ、ちょっとぉ、なぁによぉ〜?ダレ?アンタ?」

と返ってきた。

「俺さぁ、ヤノっていうんだけど。」

「えっ!ヤノって、あのヤノ?」

「あのヤノって、どういうことよ!しかもお前、初めて会った人をつかまえて呼び捨てかぁ?おい!」

結局、竜二の名前を語った男の仕業だった。

聞くと、やはり竜二と同じような髪型をしてスタジアムジャケットを羽織り、見かけはもっと細くて子供っぽい顔つきだったが、口がうまく『Tick's』のメンバーの名前まで出していたらしい。
別にそれがきっかけで金を騙し取られたとか、薬を打たれて売春させられたとかの訳ではない。結局は「あんた、俺の名を語った男と、ただヤッちゃっただけなの?」なのだ。
それを聞いたオノダが逆上して竜二を探し廻っていたという、誠に平和な出来事だったのである。

何はともあれ、問題は半分解決した。

速攻で『ボタンダウン』に戻った竜二は、ショージとマサトに全てを話した。
事件の内容よりも、イマイの登場を聞いたショージは『ススキノ交番のイマイ』が、いかに都通りでは権力をもった警察かを説明し、イマイとコネを持った竜二がいかにラッキーかを切々と語った。

「だけどさぁ、俺いつも思うんだけど、なんでマッポは逃げる奴に、『まてーっ!』じゃなくて『そうだぁ!そのままそっちへ走れぇー!』って言わないのかねぇ、俺だったら、そっちの方が『…何か罠があるんじゃねぇか…?』て速度落とすんだけどなぁ…。」

全く違う話しをしている竜二を見ながら、ショージは思った。

『…こいつ、人の話し、聞いてんのかよ…。』

そうして、竜二の名を語った男がイッタイ誰なのか?その話題を肴に夜明けまで飲んだ挙句、ひとつの結果に至ったのであった。

― 犯人は絶対、オサナイ。―

しかしそんなことより、竜二は重大なことを思いだした。

「…しまった、ユリエに『今から行く』って電話したままだ…ユリエのこと疑った上に…バックレた…こっちの方が本当に殺される…!」

― そのオサナイ容疑疑惑事件発覚寸前。―

マサトは、本来であれば、彼が以前所属していたグループ『パラダイス』のメンバーにナガノの『グロリア』を見せてやる約束でサカガミの店に待ち合わせていた。

しかし、その『パラダイス』仲間からの思いもよらぬ情報で、急遽『ボタンダウン』へ飛んでいったために今回の予定は一方的なキャンセルとなって『パラダイス』仲間も帰ってしまった。

予定が変更したことを知らないまま、サカガミの店裏に駐車して『ビックリカレー』を食べながら予定がキャンセルになったことを聞いたナガノは、いい機会だからとサカガミにヒーターの調子を見てもらうよう頼んだ。
購入してから一度も故障がないグロリアだったが、『シルエッツ』とのドライブ以来、ヒーターの効きが良くないのである。

 店裏で先にナガノが一服していると、バイトを終えて出てきたサカガミが、いつものアイボリーカラードリズラーを羽織り、サンダーバード風紙帽子の跡がついたヘアースタイルを隠すためトレードマークのハンチングを頭に引っ掛け、タバコに火をつけながら左眉毛をキュッと上げて、グロリアのボンネットを開けた。

「ウーンっと、ナガノォ、エンジンかけてヒーター入れてみてくれねぇかい…あっ、これかぁ?ヒーターコックのワイヤーが伸びてるなぁ。こうしたらどうだ?」

エンジンルームに頭を突っ込んだサカガミがそう言いいながらヒーターコックを引いてやると、途端にグロリア室内が暖かくなり始めた。

「やっぱこれだ。ワイヤー交換だな、こりゃ。」

サカガミのおかげで、原因が一瞬にして判明すると、その場でお互い再びタバコに火をつけ、フーっと一呼吸おいて、

「ナガノォ、前から言おうと思ってたんだけど、今がチャンスだから言っとくわ…あいつら紹介してくれてアリガトな。」

サカガミが煙を吐きながら星空を見つめ、照れているのか、今度はハンチングをしきりに被り直しながら改めて話し始めた。

「俺よぉ、親父が元ヤッコ(やくざ)だろ?おまけに毎日ボクシングばっかやってたからチュウボウのころまでダチって居なくてよぉ、ボクシングよりもダチが欲しくて、『ドントコのトンシャ科』入れば、俺みたいな奴ばっかだろうって思ったんだけど、いざとなったら親父が猛反対してよぉ、『友達なんて、自分に何の役もたたねぇ!ボクシングで強くなれば、黙ってても後から金も人間も寄ってくる!』ってよぉ…。だけど俺がどんだけ寂しかったかなんて、ゼンゼン分かってねぇんだよな。だからお袋に相談して、こっそり試験受けてよぉ…だけど、いざ『ドントコのトンシャ科』に入っても、所詮、俺みたいな口下手で暗い性格だと、結局はダチなんかできねぇんじゃねぇか?って悩んでたらよぉ、お前だけが声かけてくれてなぁ…嬉しかったなぁ…っでよぉ、ヤノ達を紹介してくれて…、そしたらアッサリ『Tick's』の仲間に入れてくれて血なんか交わしてよぉ…なんかよぉ、俺みたいなのにも『仲間』ってできるもんなんだなぁ…って自信が持てたんだわぁ。俺よぉ、ナガノに感謝してるんだわぁ。アリガトな。だけどよぉ、このこと絶対みんなには言わないでくれな。気持ち悪がれたら嫌だからなぁ…。」

― ナガノは驚いた。―

ナガノは、サカガミ自身から友人を作ることを拒絶していたとばかり思っていた。

父親は元ヤクザ、自分は幼いころからボクシングに通いプロボクサーを目指しているという、まるで『サラブレッド』のような、恵まれた環境に育ったからこそ、『周りの凡人たちが相手にならず、独りで行動していた。』と勘違いをしていた。
しかし、当の本人は寂しく孤独、そのうえ劣等感までをもっている人間だったということを、この時はじめてサカガミから打ち明けられたのである。
 
「俺もサカガミと似たようなもんだから、同じ匂いがしたんだわなぁ、きっとぉ…。」

自分の喋り方にコンプレックスを持ち、兄にまでも煙たがられていたナガノが、竜二との出会いがきっかけで、自分の存在感を思い切りアピールできるようになったのと同じく、特殊な環境育ちだったゆえ人間付き合いが極端に苦手な性格で孤独な世界にひたすら突き進んでいくところだったサカガミが、ナガノとの出会いによって、今まで閉鎖的だった心の扉を開き、そして仲間までもつくることができたのである。

タバコの煙を鼻から出しながら、サカガミが自分に打ち明けてくれたお返しとばかりに、ナガノが答えた。

「俺ねぇ、『Tick's』に入る前は『生きていく楽しみ』っていうのか、毎日の希望みたいなもん何にも無かったんだわ。だけど今は、どうすればみんな驚くかな?とかさぁ、どうすればみんな笑うかな?ってよぉ、今は毎日が楽しいんだわ。頑張って今度はあの車買おうとかさぁ、このシャツみんなに早く見せたいとかよぉ…生きがいっていうのかなぁ…多分、生まれて初めてさぁ、自分を普通に仲間として受け入れてもらったからなんじゃぁないのかなぁ…。」

2人がこんな心温まる会話をしている丁度そのころ、一方で竜二は、『都通り』でヤクザに誘拐されそうになり、背負い投げをされて呼吸困難になった挙句、警察に捕まって『すすきの交番』で取り調べを受けていた。

同じ時間、同じススキノ、同じ『Tick's』でも、日頃の行いで、時の過ごし方がこんなにも違うものである。

その翌日の日曜日、前夜の『オサナイ容疑疑惑事件』のおかげで夜ふかしをしてしまい昼過ぎに目を覚ました竜二が、「今から行く。」という電話を入れたままだった昨夜の一件を謝るためにユリエの自宅へ行き、インターホンに出た母親に挨拶すると、玄関先で彼女が出てくるのを待っていた。
しかし、3分ほど経って開いた玄関ドアから登場してきたのはユリエではなく、大柄の中年男性であった。

その中年男性とは、なんと東京に居るはずのユリエの父親だったのである…。












ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう