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まじかるタイム
作:八神



第28話:生徒会の椅子をかけて!!(優、魔夜編)


美里達のインタビューが終わり、最後の組がコールされる

「続いて、葉山優、未倉魔夜ペアVS桜院、才媛路ペアですっ!!」

解説の進さん、どう予想しますか?と奏が進に振る。そーいやさっきの戦闘でも解説してたな。

「そうじゃな、学歴を見たところ桜院君と才媛路君はかなりのやり手の様じゃな。未倉さんも二人と同様じゃ。問題はゆ…いや、葉山さんが圧倒…もとい、何処までやるかに掛かっておるな。葉山さんとワシの息子は中学時代に『攻めの優、受けの翔』と呼ばれておってな…」

「ジジィィィィィィィィィィィィッ!!!!古傷抉りやがってェェェェェェェェェッ!!!!誤解されるから止めろって言っただろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

「ちょっと、翔君っ!?落ち着いて!!」

進に殴りかかろうとする翔を取り押さえる澄。翔は半狂乱状態だ。『攻めの優、受けの翔』とは攻撃魔法では右に出る者がいない優と、唯一防御魔法でその攻撃を防げる翔へ送られた称号だ。この嫌がらせとしか思えない称号の御蔭で、翔×優の48ページフルカラーオフセット本が漫画研究会により発行され出回ったのは翔のトラウマだ。

「え、えっと…何やらトラブルが起こっている様ですが気にせず行きましょう♪次のステージは『学園』です!指定の位置について下さい!…それでは、スイッチオン♪」

奏がスイッチを入れると同時に4人の精神は創造空間へと飛んだ






「創造空間も久し振りねぇ…魔夜は初めてだっけ?今頃珍しいわよねぇ。やろうと思えば公民館とかでも出来るのに。あんまり高性能なのは無理だけど」

優はクスッっと笑った

「うん、何かドキドキしちゃった♪戦闘では頼りにしてるわね、優ちゃん♪」

「勿論よ、私が生徒会に入らないと翔を止める人がいないし…ただでさえ最近澄ちゃんと一緒にいる事が多いんだもの。あいての人には悪いけどね」

優は杖無しなので手ぶらだ。魔夜は細長い杖の先端に白い宝珠のついた杖をクルクル回して遊んでいる。

「それにしても、『学園』かぁ…広いこのステージでどうやって捜せって言うのよ…光明学園以外の学校ならともかく…広過ぎるのよ…ふぅ…」

魔夜がクルクルと杖を回すのを止めて、溜息をついた。優はそれを見てそうよねぇと同意した

「私一人なら探知しちゃう所だけど…うーん、いっそもう『草原』とかに変えちゃいましょうか♪」

「変える…?」

魔夜がクエスチョンマークを浮かべると優はにこっと笑って眼を閉じた。次の瞬間、優を中心に魔方陣が展開する

『メモリーズワードGrasslands…術者を中心に空間情報の書替えを開始…』

優がそう言うと教室だった空間が歪み、螺旋を描き捩じ曲がり、草原へと変わるべく変化していく。魔夜はそれを見て頭が痛くなり、吐き気がした。更には目眩がして地面だと認識出来ないが確かにある地面に手をついた。しばらくすると優が瞼を開いて言った

「お終い♪あれ、魔夜?どうして地面に手なんてついてるの?」

「…何かよく分からないけど凄い酔った見たいな感じ…気持ち悪いし、頭も痛い…」

魔夜は何も視界を遮る物がない草原で前を向くと少し遠くで二人が地面に手をついているのが見えた。あの二人も同じ様な状況らしい

「まぁ慣れない内はそんなもんよ♪脳が認識を拒否するのよねぇ…」

「うう…」






実はこの時にモニターでこれを直視していたギャラリーも吐き気、頭痛になる人が続出していた。モニターでとは言え、そこは創造空間を見るために造られた高画質巨大モニターであるし、空間魔法なんて魔法を使う人どころか使える人すら滅多にいないから慣れている筈もない。当たり前の光景だろう。まぁこのモニターにも問題があると言えばある、その場にいる臨場感を味わう為にモニターを見ると視覚をリンクさせる魔法で頭に映像が流れるのだ。発売前の物で光明学園でモニター検査をする予定だったのだが…優のせいでこの高性能商品の発売はなしだな。

「う…翔君…」

「澄、大丈夫か…?琴先輩に真夕先輩も…あ…先生方までアウトか…。はぁ、優の奴…こんな所でやらないでも…。まぁ、皆も見たのはそんなに長くないだろうし直ぐに収まるだろ。魔夜達はどうだか知らないけど…」

翔は、はぁ…と溜息をついた。そう言えば最初に空間系を使ったのは小学校の頃だったな…。サッカーをする時に優が空間を作り変えて芝生にしたのが最初だ。言うまでも無く、俺と優を含めて今の皆の様になりサッカーどころでは無かったが…。懐かしい思い出だ…。今ではスッカリ慣れたが、それはそれで複雑な気分だ

「これは勝負になるのか…?」

翔は澄の背中を擦りながらモニターに視覚をリンクさせた






「あらー…二人共大丈夫?もう止めさしちゃっていい?」

優は魔夜を背負って白夜と暁に近寄ると笑ってそう言った。すると、白夜は片膝をついて優を見上げた

「君は何者だ…?この僕をここまで追い詰めるとは…」

「白夜君…」

こんな状況でも薔薇を咥える事を忘れない白夜に暁が呆れた様な顔をする。

「何者って…葉山優よ?将来は篠原優になるけど」

優は意味が分からないと言った様に首を傾げる。空間の外では翔が顔を引きつらせているのだが優は気付く筈もない

「なるほど…我がライバル、篠原翔の夫人というわけか…それならばこの力頷ける…」

「……」

魔夜はグッタリしていて突っ込む気も起きない様だ。初めてだと言うのにかなりの時間直接したのだろう。暁も突っ込む気力は無くなっている。もはやボケっ放し漫才だ

「夫人…そうね。だけど翔のライバルを名乗るならこれくらいでギブアップしちゃダメよ?まぁこればっかりは慣れだけど…。あ、そう言えばこの装置のモニターって…まぁいっか」

優も外で起きている惨劇に気付いた様だがもう遅いのは言うまでもない

「まぁ取り敢えず魔夜もグッタリだし、これで終わらせようかしら…?」

「くっ…」

優は手のひらに無詠唱で魔球を作り出しにこっと笑った。魔球は紅く膨張し破裂する。その瞬間草原一帯が紅く染まり、白夜と暁の精神は現実に戻された





「ウィナー…葉山優、未倉魔夜…」

奏はまだダウン中の様でグッタリしながらのコールだ。翔はこの状況で翔以外にピンピンしている唯一の人間に顔を向けた

「おい、爺ちゃん…どうするよこの惨劇…何も知らない人が見たら通報するぞ」

翔が言うと進は笑いながら言った

「取り敢えずあの中に入ってた3人以外は直ぐに復活するじゃろう。それまでは続行所ではないじゃろうな」

「……」

後で優に周りの事を考えるように言っとくか…。まぁそれなら不良狩りも止めてるだろうし、意味ない気がするけど…。
とにかくこれで4人は生徒会入りだ。白夜と暁は…なんか可哀相だな…。そう思いながら、翔は何とかならないかなぁ…と考えながら魔夜を介抱する優を見つめた












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