第2話:校章と制服について?
「やばい…初日から遅刻とか漫画かよ!!」
翔は焦りながらも落ち込むという高度な表情を作りながら言った
「はぁ…翔を起こす幼馴染みポジションって利害合わせて±0なんだもんなぁ…」
翔も、なら止めろ。とは言えない、止められれば困った事になるのはわかりきっているからだ。
「おし、後2kmきった!速度制限守ってもギリギリ間に合う!」
魔法を使って飛行移動する場合は制限がつく。車を使っての移動と同じ様な感じだ。魔法使い全てが飛行できるわけでもないし、全体では車での移動の方が圧倒的に多いために忘れてしまう人も多いが
「良かったぁ…次からはもう少し余裕持って欲しいものよね…」
安心しきって前方不注意だったのかもしれない。翔はつい前を見ないで飛行してしまった
「うわっ」
「きゃっ!!」
音をたてて前を飛んでいた人に当たってしまった。昨日から続いて2度目だ
「翔って当たり屋志望?昨日もあの子に当たっちゃったんでしょ?」
優がジッと睨ながら溜息をついた
「うるさい…っと大丈夫か? 悪いな、よそ見してて…あ…?」
「だ、大丈夫です…こちらこそ……あれ?」
その顔は昨日見たばかりの少女の顔だった
「君は確か…魔法瓶の子だよね?」
「え…? あ、はい!! そうです、昨日はありがとうございました」
どうやら昨日の今日であった事もあり少女も翔を覚えていたようだった
「本当にごめんな?」
「ほら、翔、急がなきゃ」
念をおして謝ると優がムッとして催促をしてきた。謝るくらいちゃんとやらせてくれと思うが後で攻撃されるので黙っておく
「はいはい、わかったよ…じゃあな!」
「え…あ、はい…」
少女は急いだ様子の2人を見て自分も急がなきゃいけないことを思い出した
「私も早く行かなきゃ!」
「おお!2人共遅かったなぁ」
辰は2人より一足先に学園にきていた。3人が通うのは光明学園という大学附属の高校だ。
かなりの人気があり、魔法を特化して勉強している。さらに大きな特徴は生徒達に色々な所から依頼がくるということだ、その依頼を受けてバイト変わりにする者もいるし、やらなくても良いのでやらないまま卒業する者もいるらしい。まぁどうせバイトをするなら他者の利益も考えてやれということだ
「さてと、辰、俺達のクラスはどうなった?」
「ああ、まだ見て無いんだ、というかどこにあるのか分からん。」
まだ張り出してないのかなぁ。とか考えていると後ろから背中を叩かれた
「すいませーん、クラス名簿はどこにあるか分かる?」
話しかけてきたのは紫色の髪を肩の辺りまで伸ばした少女で、背中に宝珠のついた杖を差している。
「いや、俺らも今探してて…」
翔がそう答えた次の瞬間、スピーカーがなにやら音を立てた
「皆さーん!お待たせしましたぁ!今から皆さんには殺し合いをしてもらおうと思います!」
それは校舎のスピーカーから聞こえてきた。ここはいつから傭兵の訓練所になったんだ? と誰もが思った
「ルールはかんた…いたっ…!何するの司ちゃん!あ、ちょ…」
スピーカーからギャーギャーと声が聞こえてくる。どうやら何か揉め事が起きているらしい。当たり前だが
「大変申し訳ありませんでした。クラスを発表します…」
後ろからひどいよ…とか泣きそうな声が聞こえてくる。しかしそんな言葉を無視して司と呼ばれていた先生らしき女性は続けた
「皆さんの校章を手のひらに乗せてください」
校章? とクエスチョンを浮かべてしまったが取り敢えず言う通りにした
「うわ!」
「手が込んでるわねぇ…」
校章を手のひらに置くとそれが赤色に光だした。いや、赤色だけではない周りを見ると青や黄色などに光っている物もあった。翔達はそれを見て察した
「つまり、色ごとにクラスが分けられるわけか」
スピーカーの向こうで司と呼ばれていた教師は続ける
「それはその人の魔力を感じとり、相性の良い人同士を見つけると言ったものです。高価な物なので紛失しないで下さい」
翔は周りを見ると紫色の髪の少女を含めた3人は赤色の光を発していた
「また翔と同じクラスみたいね、またよろしくね!」
「ああ、正直安心したよ辰もそこのえ〜と…」
未倉 魔夜 (みくら まや)だよと少女は自己紹介してくれた。
「未倉さんもよろしくね」
「魔夜で良いよ?」
魔夜はにこっと笑ってそう言った。優の笑顔を見慣れていなかったらかなりの確立で男が落とされそうな笑顔だ
「そんじゃ魔夜よろしくな」
よろしくと魔夜も返し優と辰にも律義に自己紹介をした。
「えーまず赤色の光を出した人は…」
司がクラスの説明を始めたので、翔達はそれに耳を傾けた
「へぇ…やっぱり広いな…」
光明学園は全国でも有名な私立で、建てた人は石油王だったと聞いている。この広さはそのためだ
「クラスは…あれか」
1年A組それが翔達のクラスだった。クラスに入ると周りは当然知らない人ばかりなはずだがかなり賑やかで翔も何となく安心できた
「ねぇねぇ翔?あの子ってさ。」
優が見ているのは今朝ぶつかった。魔法瓶の子だった。どうやら同じクラスらしい
「ああ、同じ学校だったのか、それも同じクラス…」
「ほぉ、運命を感じるねぇ…レッツアタックと行くかぁ!」
辰がそう言って、少女に話しかけようとする。今日はなんだか手が早い。初日でテンションがあがっているらしい
「ねぇ、君って昨日の店の子…」
少女が辰に気付き、振り向こうとすると翔と目が合った
「あなたは…一緒の学校だったんですね!! この学校の制服の種類って多いからわかりませんでした」
そう言って翔の方まで駆け寄ってきた。光明は生徒数が多いので皆一緒の制服ではつまらない!という事で男女ごとに種類がある。優は男だがセーラー服だ。これは例外としても魔夜はワンピース、少女が着ているのは袴のような制服だ。というか優はなんで女子用の制服を持ってるんだよと翔は突っ込みたくなった
「それも同じクラスになったしな、俺は篠原 翔 だよろしくな」
「はい♪」
少女は少し恥ずかしそうに言った
「あ、私は愛沢 美里っていいます、それでその…」
「……?」
「名前で呼んでもらえますか?その方が好きなので、でも私も翔さんって呼びますけど…」
「ん、構わないよ?」
「ありがとうございます♪」
美里は嬉しそうに笑った。
「みっちゃんかぁ私は未倉魔夜だよ♪ あとで自己紹介すると思うけどね」
魔夜はそういって挨拶をした。なんだかこのクラスは美少女比率が高い気がした
「私も優って呼んでね?美里ちゃん!」
「はい、よろしくおねがいします♪」
早くも女性陣は仲良くなっている。優のああいう所は昔から変わらない。
「おれは…」
辰が自己紹介を始めたがもう誰も聞いていない。翔は哀れと思ったが放っておくことにした
「ああ、ちなみに優は男だ。女子だと思って接しない方がいい」
「あれぇ篠原君って優ちゃんには厳しいんだぁ?俺の優にさわるなぁ!って感じ?」
魔夜が冗談めかして言う。美里は優をじーっと見だして、明らかに信じていない
「止めてくれ、悪寒がする…」
「翔がそういう意味で言ってくれれば良いんだけどねぇ…残念ながらまだ男よ?私」
くすっと笑って優が言った
「まだとか言うな…」
このやり取りにさすがに魔夜と美里も気付いたようだ。
「え!それって本当なんですか?私てっきり女の子かと…制服も女の子用ですし…」
「私もだよ、へーでも可愛いのになぁ…でもいまって同性愛とか性転換とか普通に出来るんだよね?魔法があるし」
魔夜はこっちを横目で見つめながら言う、頼むからやめてくれ…と翔は切に思った
「そうだよ? だから卒業しだい婚約を…」
「はーい、HR始めますよ〜」
トラウマになりそうな事を言われる前に担任が入ってくる。翔は溜息をつきつつ席に戻っていった。どうやら退屈しない高校生活になりそうだった
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