「…ねぇ」
響いたのは、優しい声で。
「―――ずっと、私だけを見てて?」
泣きたくなる程甘くて、苦い砂糖菓子――…。
*SUGAR*
「ねぇ。起きてよ、一也」
目を覚ますといつも君がいて。
主人に甘える猫の様にオレに抱きつく君が、とても愛しくて仕方がない。
「―――どこにも、行かないで」
ゆっくりと、熱った素肌をなぞる。
「ずっと、ずっと――そばにいて?」
「………あぁ」
男とは似てもにつかない柔らかな髪を撫で、苦しそうに眉を寄せる顔に唇を寄せる。
何故。何故貴方はそんなにも…悲しみに満ちた表情をする?
――オレと居るのに。
彼女の中に見え隠れする、オレ以外の男の影。
「………好き」
微かに震える長い睫毛にも唇を寄せ、頬に筋を作る滴を舌で舐め取る。
――例えその言葉が。
「…好きで、好きで」
オレ以外の男に向けられた言葉だとしても。
「…――んッ…」
続きの言葉を遮るように。顎を強引に捕えると、口付けた。
…ああ。またそうやって――その細い指でオレを極限まで高ぶらせて。
貴方はオレを虜にするんだ。
薔薇色の肌が、上気して。
甘く響くのは最大の媚薬。
「ッ――…!」
シーツを握る小さな指も。
泣きそうに歪む可愛い顔も。
雪の様に白い体も。
他のヤツなんか忘れるくらいに。
貴方がオレを刻むくらいに――
オレは貴方を愛し続ける。
END |