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黒姫の魔導書 作者:てんてん

第2章 表と裏は未確定

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第17話 凡人の憂い

 最終的に杜人はわざと捕まり、いたずらで楽しんだご褒美をレネからたっぷりと受け取った。そのため騒動は簡単におさまり、その後に一行は調査をする階層まで移動し、さっそく作業を開始していた。

『いつもの迷宮より暗いな』

「休眠中の迷宮はどこでもこうらしいよ。元から暗い場所だと明かりがいるんだって。それでも魔物を警戒しなくて良いから楽だと思う」

 いつもの迷宮は曇った昼間の明るさ程度なのだが、ここは夕闇迫る黄昏どき程度の明るさである。見えなくはないが、暗いと感じてしまう明るさだ。

「けれど、地図作製だけなら楽な仕事だよね。こうやって歩くだけで済むんだから」

 既に罠は解除されているので地図作製だけの業務になるが、範囲が広いのでそれだけでも駆け出しには手に余る。しかし、見るだけで脳内に詳細な三次元地図を描ける化け物は笑顔でそんなことをのたまう。もちろんその他は微笑んだまま視線を交わして意見の一致を確認した。

『レネは放置するとして、普通はどうやって作製するんだ?』

「簡易地図なら歩数で計ったり、等間隔に結び目を作ったロープを使ったりです。今回は歩数で計っています」

 杜人はふざけたことを言うレネを放置し、地図作製のやり方を教わったはずのセリエナに確認する。セリエナも心の中にある何かが崩壊しそうだったので、レネの発言は聞かなかったことにした。

「リア、モリヒトがいじめる……」

「ふふっ」

 レネはエルセリアに泣きつき、エルセリアは頭を撫でて慰めている。そんなレネに杜人は真面目な顔で近づいた。

『失礼な。俺はきちんとレネのことを考えているぞ。仲間内でなら失敗しても笑って済ますことができるから、先に経験させることによって他で失敗しないようにしてあげているのだからな。恥を掻かないで学習できるのだから感謝してほしいところだ。レネは一面的な物の見方を変えないと駄目だぞ』

「え、う? ごめん……なさい?」

 茶化すことなく断言した杜人の勢いに押されて、レネは首を傾げながらも思わず謝る。普段ならこのまま丸め込まれるところなのだが、ここにはレネの味方がいた。

「わざわざ実際に経験させなくても、例を出して教えれば良いだけですよね?」

 エルセリアの発言によっておかしなところを理解したレネは、騙したなと言いたげに頬を膨らませて杜人を見つめる。そのため杜人は実に良い笑顔になってエルセリアに顔を向けた。

『経験に勝るものはない。まあ、確かにこの方法だとレネは多少落ち込むかもしれないな。そのときはエルセリアが慰めれば良いと思うのだがどうだろう?』

「…………なるほど」

「なるほどじゃないよ! 騙されないで!」

 味方を籠絡されそうになったレネはエルセリアにしがみ付くと必死になって説得する。だが、それはどう見ても逆効果であった。

「うんうん、大丈夫だから安心してね」

 にこにこと微笑むエルセリアはレネに頼られてとても嬉しそうだ。その様子を確認した杜人は満足そうに頷く。

『ふふふ、これで良し。しばらくは楽しめそうだ』

「……そろそろ進みましょう」

 触ると火の粉が飛んで来そうだったので、セリエナはこめかみを押さえながら先へと進んでいった。




 そして騒ぎが一段落した一行は順調に歩を進め、大きめの部屋に入ったところで杜人が前に出てから振り向き、全員を見渡した。

『さて、そろそろ休憩にして進捗状況を確認しようか。帰ってから駄目でしたでは笑い話になるからな』

「そうだね。一緒に行ったのに何をしていたって言われそう」

「レゴル先生は厳しいからね」

「……」

 レネとエルセリアはそれもそうだと頷き、セリエナは地図を書いていた手帳を無言で抱きしめた。その様子に杜人は首を傾げ、不思議そうに問いかけた。

『どうした? どのみち提出するのだから、今のうちに修正できるところはしたほうが良い。不可になったらせっかくの苦労が水の泡だぞ』

「……見ても笑いませんか?」

 それに対してセリエナは顔を赤らめながら小さな声で聞いてきた。杜人は肩を竦めてそれに答える。

『遊びならともかく、今回は仕事だからな。どんなものだろうが関係ないさ』

 その通りと残りの二人も真面目な顔で頷いた。それを確かめたセリエナは、覚悟を決めるとおずおずと手帳を差し出した。受け取ったレネは安心させるために微笑むと手帳を開き、その笑みを固まらせた。

「えっと……」

「まあ……」

『……なるほど、納得した』

 三人の様子に、セリエナは真っ赤になって俯いている。セリエナが書いていた地図は、線は歪み距離はまちまちで、単に歩いてきた杜人とエルセリアでも役に立たないと分かる代物だった。子供の落書きより酷いと言う人がいるかもしれない出来である。

『これでは駄目だな。ちなみにセリエナはこれで迷わないのか?』

「……迷います」

 なにか特殊な技法の可能性が無くなったので、杜人は頭を掻きながらさあどうしようと考え始めた。そんな時に、ページをめくっていたレネが意外そうな声をあげた。

「あれ? この絵はすごく上手だよ。まるで本物みたい」

「あ、本当だ」

『どれだ?』

 レネが示す場所には、ページの中に入り込んだと思えるような精緻な薬草類の絵があった。ぱらぱらとめくっていくと、それ以降も字は歪んでいるが絵だけは上手だった。

「模写は得意なんです。ただ、静止している実物を見ながらでないとうまく描けませんし、改造することもできません。それと記憶してからでは描けないんです」

 セリエナは恥ずかしそうに指をもじもじさせながら疑問に答えた。これは十分特別な才能と言えるのだが、静止しているものでなければ駄目なことと心に訴える芸術性が皆無だったこと、なにより紫瞳として期待されていた魔法に関連する才能ではなかったため、誰にも言っていなかったことだった。

「けど、これはすごいよね。……そうだ! 私が地図を書くから、それをそのまま写せば解決するよ!」

 レネは笑みを浮かべると手の平を上に向ける。すると一瞬魔法陣が手の平に輝き、小さな光が現れた。そしてその光は明滅を繰り返しながら空間を動き回り、手の平の上に見る間に詳細な地図を描き出した。それを見た杜人は知らない魔法の使い方に感心して表示されたものに近づいて観察した。

『そんな使い方もできるのか。原理は言えるか?』

「ふふん、これはね、図書館の案内をするのに口頭では分からない人が居るかもしれないと思って、その場で見て説明できるようにと考えて作った魔法なんだ。空間に特定の現象を固定する領域を作り出して、そこに光を動かしたんだよ。つけたり消したりして動かせば、こんな風に絵を描くことも文字を書くことも自由自在なんだ。初級魔法の範囲に収めるのに苦労したんだよ」

 レネは胸を張って少々自慢げに説明する。この魔法は作ったは良いが誰もレネに聞かなかったのでお蔵入りしていた魔法だった。そのため初公開で良さげな反応にとても気分が良かった。それを聞いた杜人は頷くと、途中まで考えていた方法に組み込んで具体的な方法を構築していく。

 案を考えているので静かになった杜人を放置して、三人娘はわいわいとにぎやかだ。

「レネ、これ後で教えてね」

「自力で一から構築したんですか? これを?」

 エルセリアは楽しそうな魔法に興味を示し、セリエナは既存の系統に属さない魔法を簡単に構築したと言うレネを驚いて見つめていた。

 例えば新たな火の魔法を構築する場合、参考になる魔法は山ほどあるのでそれを参照しながら構築することができる。だが、レネは何もない状態で基礎から組み上げ、新たな魔法を作り出したのだ。この魔法はまったく新しい系統と言っても良く、論文を書いて出せば歴史に名を残せるかもしれないことだった。

 セリエナはレネの様子からそんなことはかけらも考えていないと分かり、本当にただ便利にするために作っただけなのだと悟った。そのため以前にエルセリアの言った『天才はレネ』の意味がやっと理解できた。

 そしてレネは簡単に地図を描いたが、初級魔法に収めるために無駄な部分は全て削り取られていて、術者の才能に依存する魔法であることは見ただけで分かった。少なくともセリエナは普通の魔法使いに同じことが出来るとは思えない。

 そんなセリエナの思いを知らないレネは、笑顔で手帳を返すと光の地図を見せる。

「ささ、遠慮せずにどうぞ」

「え、はい。ありがとうございます……」

 複雑な胸中だったがとりあえず脇に置き、セリエナは地図を書き写す。その速度はかなり速く、手の残像が見えそうなくらいだった。見ている一同が驚いているうちに写し終わり、完成した地図はレネが描いたものと寸分違わぬものだった。

「これで大丈夫だね」

『そんなわけあるか。根本的なことを忘れているぞ』

「え?」

 レネとセリエナは何か他にあっただろうかと首を傾げ、杜人は理解してない様子に肩を竦める。エルセリアは気付いていたが、先に言われたので杜人に説明を譲った。

『今の方法はレネが居ないと成り立たない。レネは常にセリエナの仕事に付き合うのか? 違うだろう? それなら居ない時はどうするんだ。人を雇うにしても金がかかる。どうして補助員になったのかを忘れたのか?』

「あっ」

 声を揃えたレネとセリエナを見ながら、杜人は腕を組んで左右に動く。そのうち手持ちの金が無くなるからそれを回避しようとしているのに、欠点を補うために常に経費がかかるようでは駄目なのだ。

『理解してくれたようで何よりだ。それでは何か回避する案を考えてみようか』

「そう言われても……どうしよう」

 レネは困ってエルセリアとセリエナを見るが、どちらもすぐに良い案は浮かばないので小さく首を振った。そしてしばらく静かな時間が過ぎたところで、杜人はレネの前に移動した。

『ふふふ、良い案が浮かばないようだな。俺のほうは、レネがとっても苦労することになるが案がないこともない。実現できるかはレネしだいだからな』

 杜人はとってもを強調してにやりと笑った。その笑みにレネは引きつり気味に微笑んで聞いてみた。

「ちなみに、どのくらい大変なの?」

『なに、それで完結するから増幅円環陣を理解するよりは簡単だ。それで、どうする? やるなら説明するぞ。はたして大丈夫かなぁ』

 杜人はからかい気味にレネを下から覗き込む。遊ばれていると感じたレネだったが、ここで怒れば思うつぼと考えてにっこりと微笑んだ。

「説明してほしいな。もちろん理解できるように教えてくれるんだよね?」

『ふふふ、レネも成長したな。ご褒美として俺が先程考えた案を教えようではないか!』

 人差し指を立てて決めポーズをすると、杜人は説明のために離れていった。レネはいつものことなので気にしなかったが、セリエナは杜人の変な行動に口を開けて驚いていた。

 そして杜人は三人の前に立つと、説明を開始した。

『まず、目的は自動で地図を作製する魔法具を作ることだ。これはセリエナが使うことが前提だからだな。地図を書くこと自体は先程のレネの魔法を使えばできる。後は測定するほうを作れば良い。この中で、音を用いて対象を捉える原理を知っている者はいるか?』

 杜人の問いには全員が顔を見合わせ、首を横に振った。

『なら他の例で説明しよう。崖から石を落とすと下に着いた時点で音が聞こえる。このとき崖が高くなれば音が聞こえるまでの時間も長くなるのは分かるか?』

 これには全員が頷いた。そのため杜人はこの例を使って説明を行うことにした。

『厳密に言えば色々あるのだが、まず落とした石が一定時間に移動する距離、または一定距離を移動する時間を計る。次に石を崖から落として音が聞こえるまでの時間を計れば、後は計算で崖の高さが分かる。これは理解できるか?』

 これも全員が頷いた。

「旅の日程を決めるのと一緒だよね。そっちは距離と速度から時間を算出しているんだし」

 レネの返事に杜人はその通りと頷く。

『それが分かるなら話は早い。要するに考え方としては、まず基点となる場所から測定するための何かを等速で放出する』

 杜人はタマを等速で壁まで動かす。その様子をレネ達は真面目に見つめていた。

『するとそのうち何かに、今回は壁に当たって跳ね返ってくる』

 壁に触れたタマは、そのまま同じ速度で杜人のところまで帰ってきた。

『こうすると、等速だから速度は分かり、時間も出発点と到着点が一緒だから分かる。後は計算すればここから壁までの距離が分かるわけだ。この作業を魔法具で自動化し、得られた情報から地図を描いていけば原理的には作ることができる。理解できたか?』

「できたけど……、やっぱりモリヒトの発想は変だね。何かをぶつけて跳ね返ってきたのを計測するなんて考えもしなかったよ。最初の音がどうのというのもこの原理なんだ?」

 レネの褒め言葉にエルセリアとセリエナも賛同している。杜人はといえば、一応褒めるのなら言葉を選べと苦笑していた。行った説明は減衰や反響などの各種影響を省いているが、これは複雑にしても仕方がないからである。

『その通り。簡単に言えば基点から出した音の跳ね返りを捉えて障害物などを把握しているんだ。他に使えるものは光とかもある。この辺りは好きなものを使ってくれ。くれぐれも実体のあるものを使わないようにな』

「分かった。ちょっと待って」

 レネは手を額に当てると、目を閉じて術式の構築を始める。レネは杜人から波長のことをそれなりに教わっているので、今回は耳に聞こえなくなるという高い波長の音波を使用することにした。そして完成したところで目を開き、魔法を発動させる。

 直後、頭に直接飛び込んでくるような何とも言い難い高音が周囲に鳴り響いた。

『ぎょわぁぁ!』
「きゃあ!」
「み、耳が……」

 発動した魔法陣から放たれた高音に全員が耳を押さえて床にうずくまった。そして音が消えたところで杜人は頭を押さえながらもなんとか身を起こした。

『レネ、もう少し気を……。まあ、良いか』

「きゅう……」

 酷い結果に注意をしようとレネが居たところに顔を向けたのだが、元凶のレネは中心点に居たために目を回してのびていた。そのため毒気を抜かれた杜人は仕方がないなと微笑むと、タマを動かしてレネを抱え、タマの上に寝かせたのだった。





「ねえ、そんなに離れなくてももう大丈夫だってば」

『信じられるか馬鹿者。そんなことを言いながら何回失敗したと思っているんだ』

「ごめんねレネ、倒れたらきちんと介抱するから」

「……」

 結局何度も失敗を繰り返しながら実験は進み、その都度阿鼻叫喚を引き起こしていた。そのため杜人とエルセリアは全滅しては困ったことになるので少し離れたところに退避しているのだ。

 セリエナは自分のために行われていることなのでレネの隣にいるが、試作品の魔法具を持ちながら何も言わずに目をそらした。

 何度か繰り返して音波は無理そうと言うことで光に切り替えたときは、熱線を周囲に振りまいて危うく芸術的な日焼けをするところだった。無事だったのは学習したエルセリアが事前に障壁で守っていたからである。

 そんなことを繰り返して落ち着いたのが、無害になるように調整した魔力を音波のように放出して計測する形である。欠点は継続使用すると魔力切れになりやすいことなのだが、使うのが魔力量の多いセリエナなので探査用魔力の供給は使用者が行うことにした。

 そして今は組みあがった術式を魔力結晶に封入して、最終的な調整をしているところだ。ちなみにこの回までに調整に失敗して五度ほど爆発している。今回は基礎術式が消えないように固定化した領域と得た情報を書き込む領域がひとつの魔力結晶に混在しているので、上手に調整しないと干渉して暴走してしまうのだ。

 そういうわけで、レネとセリエナは少し離れた場所で実験することになった。身体のほうはエルセリアが施した障壁で強固に守られているので、怪我をする心配だけはしなくても良い。

「ふんだ、モリヒトは後で覚悟していなさいよー!」

『何で俺だけなんだ!?』

 それには顔を背けて返事をせずにレネはセリエナに頷き、セリエナは手に持った魔力結晶に魔力を流して発動させた。すると魔力結晶から魔法陣が浮かび上がり、すぐに消滅する。その後にはレネの目の前に四角で区切られた光の枠が展開されていた。

 皆の注目を浴びながらセリエナは周囲を歩き回る。そうすると枠の中に地図が書き込まれ始めた。そしてしばらく待機し、爆発しないことを確認したセリエナはほっと息をはき、魔法具をレネに渡した。そして得意げに胸を張るレネと共に皆のところに戻ってきた。

「完成したよ!」

「すごいすごい!」

「こんなに早く完成させるなんて……」

 笑顔のレネにエルセリアもはしゃぎ手を取り合って喜んでいる。それを見ながらセリエナは自分の常識が音を立てて崩れていくのを感じていた。魔法の構想から完成まで一気に行われたわけだが、時刻はまだ昼前である。普通なら術式を構築するだけで一月はかかる。しかも今回はまったく新しい魔法である。セリエナが行ったなら半年あってもできないと断言できる。

 そんなセリエナに杜人が近づいて慰める。

『レネがおかしいのはいつものことだから気にするな。真似をしても無駄だから、俺達みたいな凡人はいつも通りにすれば良いんだ』

「モリヒトさんは凡人と言えるのですか?」

 レネとエルセリアも考えつかなかった方法を簡単に思いついた杜人は、セリエナにとっては凡人の枠に入らない。そのため疑わしげに聞くことになった。それに杜人は頷くと、はしゃぐレネ達を見つめる。

『俺は単に魔導書に記載されている借り物の知識を話しているに過ぎない。それがなければ変わった魔導書というだけだ。十分凡人だろう? 何もないところにいきなり何かを生み出すなんてできないからな』

 セリエナはそう言って肩を竦めた杜人を無言で見つめ、視線を動かしてレネを見る。そして自嘲気味に笑うと、ぽつりと呟いた。

「本当に、私は何を見ていたのでしょう。噂を真に受けるなんて……」

 かつてレネを自分と同じと思っていたことを嗤い、胸に手を当てて拳を握り込む。何も変わっていないのに、なんとなくレネとエルセリアに置いていかれたような気分になっていた。観察していた杜人はその変化を悟り、にやりと笑うとセリエナに意地悪そうに話しかけた。

『安心しろ。レネは寂しがりやだから、確実にそちらまで巻き込むぞ。そうすればセリエナも有名人の仲間入りだ。ふふふふふ、死なば諸共……実に良い言葉だな。気を強く持って頑張れよ』

「え、え?」

 杜人は何のことか理解できていないセリエナに敬礼を行い、駆け寄ってきたレネに場所を譲る。

「はいどうぞ。魔法自体は初級に収まったからセリエナなら問題無いよ」

「あ、ありがとう……」

 セリエナは思わず受け取ってから杜人の言葉を思い出すと、出来上がった魔法具がとても貴重なものに感じられたため思わず唾を飲みこんだ。そして期待を込めて見つめるレネに負けて、もう一度魔法具に魔力を流して発動させる。そして無事に成功したのを確認し、レネとエルセリアは喜びながらセリエナに抱き付いた。

『さて、面白いことになりそうだ』

 空中に寝ころびながら、杜人は喜ぶ二人と困惑する一人を笑顔で見守っていた。
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