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黒姫の魔導書 作者:てんてん

最終章 天に在りしは星の煌き

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第04話 灼熱の世界

 灼熱の領域に侵入してしばらく進んだレネ達は、膝丈の高さで釣鐘型の小さな白い花が鈴なりに咲き誇る草原を発見した。そして地図魔法で周囲に探索者がいないことを確認し、せっかくなのでタマから降りて採取をすることにした。

「この花の部分が身体を温める高級薬になります。この階層を進む上で必要な魔法薬の原料でもあるので、需要はいつでもありますね」

「はい、団長。中で何かが燃えていませんか?」

 レンティはしゃがんで花の中を覗き込み、そこに白く輝く何かを見つけた。目に焼き付く輝きのため太陽みたいだと感じていた。

「そうですよ。鉄すら簡単に溶かす温度だそうで、触ると一瞬で燃え移って耐性薬を飲んでいても消し炭にすらならずに燃え尽きるそうですから、絶対に触らないでくださいね」

 にこやかなレネの説明に覗き込んでいたレンティは仰け反ってしりもちを付き、手を伸ばしかけていたノバルトは慌てて引っ込め、匂いを嗅ごうとしていたミアシュは素早くセラルの後ろへ逃げていった。

 花の名前は白焔陽花。見た目の可憐さとは裏腹に取り扱い要注意の花であった。

『よしよし、ここまで脅かせば不用意に触ることはないだろう。それにしても、油断したところを見計らって指摘するなんてレネも悪くなったものよのう……』

「いえいえどういたしまして。……身近にいる先生を見習っただけだからね」

 杜人は感慨深げにレネを見つめ、レネもにっこりと笑みを浮かべて見つめ返した。もちろん先生とは杜人のことである。つまり、今まで散々からかって遊んで来たよねと言われているのと同じなのだ。そのため杜人は背中に大量の汗を掻きながら笑みを固まらせた。

『……ごほん。採取を始めようか』

「ん、了解」

 杜人は話題を続ける愚を悟り、ごまかすために咳払いをすると視線をそらして次の行動を提案する。そのためレネは勝利の笑みを浮かべながら準備に入った。

「採取方法は簡単です。凍らせると光らなくなりさわれるようになりますので、茎を切り取れば終わりです。ただ、生命力が強いため切り取らずにそのまま放置すると復活するので、時間を確認しながら都度凍らせていきます。合図を出しますので慎重に採取してください」

「了解です……」

 採取係となる四人の腰は引き気味である。それを見ている杜人は腕組みしながらさもありなんと頷いた。

『今まで散々脅かしておいてそこに入れだなんて、レネはやっぱり極悪非道だなぁ。それと……むぐっ』

「後で聞くから静かに、ね?」

 レネは微笑みながら不可視念手を発動させると杜人を掴んで口を封じ、近くに引き寄せて小声で用件を伝えた。そのため杜人はおとなしくなることで了承を示し、解放されたところで反省したことを明確に示すために見えない壁に手を付いて反省のポーズを決めた。しかし、レネに通じるはずもなく、すいっと目が細まったところで慌てて次の手順に移った。

『さて、次だ次。制御術式連結……統合制御……、こんなものか』

 杜人は彗星の杖と端末石をひとつの魔法具となるように内部で連結してから取り出すとレネに渡し、レネは彗星の杖を構え端末石を花園に飛ばした。そしていつも通りに彗星の杖を用いて魔法陣を構築し始めると、端末石にも同様の魔法陣が浮かび上がった。

『良さそうだな』

「うん。端末石の細かい制御は無理だけど、同じ魔法を複数使うならやっぱりこのほうが楽だね」

 今のレネはひとつの魔法陣を構築しているだけなのだが、魔導書で複製制御部分を担当することによって連結した端末石の数だけ複製できるようにしている。副作用として彗星の杖では複製されなくなり魔法の威力もかなり落ちてしまうが、消費する魔力は総複製数の四倍までに抑えられたので総合的な効率は良くなっていた。

『これで星天の杖の代わりになれば良かったのだがな』

「使うときは大抵威力が必要な場合だから仕方ないよ。偶然ってすごいよね」

 当初は効率が悪すぎる星天の杖をどうにかしようと案を考えたのだが、どう改造してもある程度からはうまくいかず、威力半分で消費八十倍とかの劣化品しか作れず、組まれた術式が偶然の産物で絶妙な具合になっていることが分かっただけであった。

 ちなみに術式を読み取ったレネも挑戦してみたものの、最大威力を出すには現状が一番と結論を出しただけで終わった。本来の術式で完成したときの消費魔力はどの程度の想定だったのだろうと、レネも杜人も解析した感想として同じことを考えたのだった。

「……氷結檻」

 そんなことを話しながらも制御はきちんと行い、完成した魔法陣に魔力を注いで氷系上級範囲魔法の氷結檻を発動させた。

 同時に構築していた魔法陣が消え去り、陽炎を立ち昇らせながら輝いていた花園の地面に複数の魔法陣が現れる。そして白焔陽花の下から氷結させ始め、さほど時間をかけずに範囲内すべてを凍りつかせてしまった。

 魔法は現象を変化させるため『燃え盛る炎』を直接凍りつかせることも可能なのだ。そのため白焔陽花の温度が何度であろうと、凍りつくという現象変化に抵抗できなければ意味がないのである。

 そして魔法の効果時間が過ぎて氷から解放されても、氷結温度まで冷却された事実はそのままである。そのため復活するまでは安全となる。

「それでは、慌てず素早く採取をお願いします。私はここで時間をはかっていますので、合図したら逃げてくださいね」

「了解しました!」

 レネは優しい笑みを浮かべていたのだが、四人の表情は真剣そのものである。そのため最初は手前から慎重に採取し始め、少しずつ範囲を広げていった。

 その様子を見守っていたとき、ちょうどレネの近くに幻燈がふわりと漂ってきた。障壁で防げるためレネは気にしていなかったのだが、それを後ろにいたシャンティナがおもむろに手を伸ばして掴み取った。そのため驚いたレネが振り向くと、ちょうど口の中に放り込んで飲み込んだところだった。

『んなっ……』

「ちょ……」

 最初は障壁で隔てられているが、口を閉じた時点で内部に引き入れてしまう。そのため杜人とレネは致死の行為に慌てそうになったが、シャンティナは変わらずいつも通りである。おかげで大げさに動く前に落ち着くことができた。

『あー、おいしかったか?』

「少し、薄味?」

 杜人の問いにシャンティナはこくりと頷き、率直な感想を述べた。その答えに、一応常識の世界に生きるレネは笑うことしかできなかった。

「いやいやいや……何ともないの?」

「はい。……おつまみ?」

『あれだ、魔力に満ちた炎の塊だからじゃないか?』

「あー、シャンティナは炎だっけ……」

 レネはシャンティナの扱う霊気系魔法の発現が炎を模していることを思い出して、今の奇行を何となく納得した。正直に言って、人の範疇には居ないと思っている。間違っても人は単独で主と渡り合うことなどできないのだから。

 そして杜人は害がないことにはこだわらないので、そんなものだと受け入れた。レネも驚いただけなので、特に感情の変化はない。大気の毒については、今更心配することではないのだ。

『害がないなら好きに食べて良いぞ。味に違いがあったら教えてくれ』

「はい」

「炎に味の差……。あったら面白いね」

 正式に許可が出たシャンティナは嬉しそうにリボンをはためかせ、レネも楽しそうに笑った。そして再度掴み取って食べ始めたシャンティナから視線を動かし、作業をしているレンティ達に目を向ける。そこで、かなり警戒しながら慎重にゆっくりと採取している姿を目撃した。

「うーん? 復活まではかなり時間があるから、あそこまで慎重にならなくても大丈夫なんだけどな」

『ふふふ、何を言うかと思えばそんなことか』

 不思議そうに首を傾げるレネに、シャンティナの観察を終えた杜人が笑顔で近づく。そのためレネは心で身構えながら杜人を光る指で軽くつついた。

「そんなことって、どういうこと?」

『説明を思い出してほしい。復活する都度凍らせる説明はしたが、どの程度の時間で復活するかは話していない。つまり、レネはいつ復活して死ぬかもしれない場所に笑顔で追いやったわけだ。俺にはとてもできないことを笑顔で実行したから、次は俺かと恐れおののいていたのだが』

「あ……」

 杜人はによっと笑っている。どう見ても恐れおののいている者の表情ではない。そして指摘されてようやく理由が分かったレネは、慌てて復活するまでの時間を教えた。そのため四人はようやく緊張が解けた表情となり、速度を上げて採取し始めた。

「もうっ、どうして教えてくれなかったの!」

『何を言う。もう忘れたのか?』

 恥ずかしさで顔を赤らめ、ちょっぴり涙目で講義するレネに、杜人は胸を張って対抗する。

「何を?」

『教えようとしたら掴んで話せなくしたのはレネだろうに。ついでに後で聞くから静かにとも言っただろ? だから俺としては伝えたかったのだが、小心者ゆえにレネの怒りを恐れて言えなかったのだ! ほれ、だからきちんと今教えただろ。ぬふふふふふ』

 杜人はくるくると回転して勝利の舞を踊る。誰がどう見ても、今ここに小心者を見つけることはできないだろう。

「……えい」

『ふぉ!?』

 レネは微笑みを浮かべながら素早く指を光らせると、ためらうことなく杜人を弾いた。杜人は一瞬で氷に似た結晶に覆われ墜落し、地面に落ちて解放されるといつも通り痙攣する。もちろん演技のため、レネは気にせずぷいっと顔を背けた。

『酷いじゃないか。俺が一体何をしたというのだ』

「ふんだ、ばか。……てい」

『ぐわぁー。り、理不尽すぎる……ぱたり』

 即座に復活した杜人をレネは目にも止まらぬ速さで再度弾き、またもや杜人は地面に墜落する。そしてわざとらしい棒読み台詞を残して力なく倒れこんだ。

 そんなじゃれあいを、シャンティナは幻燈をつまみぐいしながら楽しそうにリボンを動かして見守っているのであった。




 採取を終えた一行は探索者が居る領域へと向かい、普通の装備で平気に行動しているところや、氷結魔法具を出現した魔物に投げて実演などをしながら移動を続ける。目撃した誰もが、風のように訪れて風のように立ち去ったレネ達を呆然と見つめていた。反応としては上々であるので、レネも、そして団員達も笑顔で通過していた。

「そろそろ良いかな?」

『そうだな。では帰ろうか』

 そしてそれなりの距離を踏破し結構な人数に出会ったと判断したところで宣伝活動は終了とした。タマによる移動のため時間はまだまだある。そして引き返して二度同じことをしても印象が薄れるだけなので、杜人は来たときとは異なる道、遠回りをして探索者が居ない場所を通過する経路を選んだ。

「……あ、あそこに燃泥がいるよ」

『結構大きいな』

 斜め前方を指差した先にはレネをひと飲みできそうなくらいのこげ茶色の泥が広がっている。その表面には青白い炎が見え隠れしていて、駆け足程度で移動しているタマの半分程度の速さで近づいてきていた。これが燃泥という魔物で、倒した後に残る泥を燃やすと鉄をも溶かす高温を発するので、鍛冶屋などに重宝されている。

 下手に近づくと高温の燃える泥を飛ばしてくるので離れて倒さなければならないが、冷却攻撃に弱いので注意を怠らなければ白焔陽花より楽な魔物である。

 そのため氷結魔法具の実演相手として最適であり、レネから託されている団員達は嬉々として投げつけていた。

「今度は俺が……ぐぁ、また外れた」

「きちんと狙わないと駄目でしょ。よっと、氷結せよ。……良し、任務完了です」

 最初に投げたノバルトの魔法具は遠くへ投げ過ぎて通過されてしまった。そのため素早くレンティが引き継ぎ、ちょうど良い地点に投擲して燃泥を氷漬けにする。それをそのままジンレイの領域へ取り込み、止まることなく進んでいった。

 今のところ、ノバルトの戦績はゼロである。そのためがっくりとこうべを垂れてため息をついている。大柄な身体もあって暑苦しいことこの上ない見た目である。

『おそらくノバルトは反応速度が遅いから、互いに動いている状態では投げるときに狙いを修正できないのだろう。ひとりだけ楽しめないのもなんだから、全員を強化してやったらどうだ?』

「そうだね……」

 ノバルト達単独でも武技を使えば強化できるが、初級相当のため反動が出る。そのため普段は使わないようにしているのである。

「えー、強化しますね」

「ありがとうございます! ……ふっふっふ、見ていろよ。氷結せよ! てぃっ」

 レネが強化したことで力強く復活したノバルトは勢い良く立ち上がると、座るレンティ達を見下ろす。そしてちょうど向かってきた燃泥に狙いを定め、魔法具を力いっぱい投げつけた。

 結果、魔法具は見事燃泥に突き刺さり、そのまま突き抜けていった。ノバルトは投げた姿勢のまま固まり、レンティ以外は予想外の結果に沈黙している。燃泥は粘りがあるので、普通なら突き刺さってもそのまま突き抜けることはないのである。

「……」

「氷結せよ。えいっ。……次があるよ」

 近づく燃泥はレンティが冷静に始末し、崩れ落ちたノバルトの肩に手を置いて優しく微笑みながら声をかけた。そのためノバルトの気持ちは更に落ち込むことになった。もちろんレンティは日頃から苦労しているので、結果を予想していたのである。

「えっと」

『待て、傷口を抉るな』

 レネも慰めようとしたところで杜人は止めに入った。この場合の慰めは、ある程度気心の知れた仲間からでないと意図したものになりにくい。今のノバルトは落ち込んでいるが傷ついているわけではなく、レンティももう少しすれば復活すると分かるから実行したのである。

 しかし、上位者であるレネが心から慰めると『役立たず』と取られかねず、精神的致命傷になりかねないのだ。

『いや、抉りたいのか? ふむ、それがレネの希望なら協力……。まてまて、ここではまずい。タマの操作を間違えてしまうぞ』

 だから杜人は真顔で止め、次に何かを考え付いたかのように顎に手を当てて考える仕草をし、重くならないようにからかいの笑みでレネを見つめた。そしてからかいに反応しそうになったレネにひらひらと手を振り行動を抑制する。

 それによってレネも思わず慰めようとした愚を悟り、深呼吸をして心を落ち着かせた。

「分かった。……後でね」

『う、うむ』

 もちろん本当にする気はない。しかし、レネも少しくらいは勝利してみたいお年頃なのである。結果、冷や汗をかく杜人を見て、そっと微笑んだレネであった。




 そんなことを行いながら軽快に走っているとき、前方に居ないと思っていた複数の探索者の反応があった。

「あれ、こんなところに?」

『この地点は歩きだと泊まりがけになるはずだが。ま、競争相手が居ない分、実入りが大きいのかもしれないな。もう挨拶だけで十分だろうから、普通に通り過ぎよう』

「そうだね」

 この階層では環境が厳しすぎて乗り物を持ち込めないので、基本徒歩での探索となる。そのため階層が広くても、出入り口を結ぶ道の周辺以外には行かないのが普通であった。いつでもどこでもタマを呼び出せる杜人が居るレネとは根本的に動きが異なるのである。

 レネは楽しんでいるレンティ達に伝達し、気持ちを余所行きに切り替える。そして杜人は探索者達の姿が見えてきたところで、速度を歩きより速い程度まで落とした。

「ん? なんだか疲れているみたいだね」

『この環境下では仕方がない。魔法薬を飲んでいるとはいえ、本来は生きられないのだからな。……それでも確かに今までの探索者よりは疲れているようには見える。警戒だけはしておこうか』

「そうする」

 レネは彗星の杖を持ち直し、万が一の事態に備えて心構えだけはしておく。杜人も通過する位置を考え近づいていった。困っていれば助け合うのが探索者だが、そうでない者も当然居る。そして事情が分からないため、レネ側から干渉することはできない。後が面倒になるため緊急性がない場合は、困っている側から声をかけなければならない不文律があるのだ。

 探索者達はゆっくりと出口に向けて歩いているのだが、ある者はうなだれ、ある者は力なく袋を担いでいた。その中で最前列に居るリーダーとおぼしき男だけが、ときおり振り向いて一行を引っ張っていた。

 そこに小山のように大きいタマに乗った、普通の格好をしたレネ達が後ろから追い越していったため、誰もが口を開けて驚きを表し一時的に暗い雰囲気がなくなっていた。

「こんにちはー」

「お、おう? ……ち、ちょっと待ったぁ! いや、待ってくださいお願いします!」

 レネ達が普通に会釈をしながら挨拶をして、リーダーも反射的に手を挙げて挨拶を返した。そしてそのまま見送り、通り過ぎようとしたところでようやく頭が動き出し、懇願の響きが乗った大きな声でレネを呼び止めた。

『ちっ、異常さにすぐ気が付くとは……やるか』

「こらこら。……はい。何でしょうか」

 杜人は冗談を言いながらもタマを反転させて近づき、レネも困ったものだと笑いながらリーダーに話しかける。

 タマも有名になったのでそれだけでも十分なのだが、リーダーは改めてレネをしっかりと観察し、巷で噂の『殲滅の黒姫』であると確信した。噂ではどんな場所からも生還し、多くの探索者を助けている人物である。そのため内心で安堵しながらも、警戒されているのは何となく分かるので慎重に言葉を選んでいった。

「実は事故と思わぬ環境の変化によって、手持ちの魔法薬では出口まで持ちそうにないのです。この通り、お礼は致しますのでご助力願えませんでしょうか」

 リーダーは担いでいた袋を地面に置くと、口を開いて中身を示す。それに習って他の探索者も同様に行動し、揃って頭を下げた。

 助力に対価を示すのは当然であり、今回は命の対価なため採取したもの全てを差し出すのが慣例である。もちろん中には助けられて当然と思い対価を示さない者も居る。そのときは何もされないが情報は出回るため避けられるようになり、次からは助けようと近づく者さえ居なくなる。そのためそういう者は自然と消えていくのだ。勝手についてくるのとはわけが違うのである。

『だからあんなに疲れた顔をしていたのか。こうは言ったが、おそらく全員には行き渡らない量しかないのだろう。そうでなければ荷物を捨てて走る程度はするだろうからな。もう少しで、誰を生き残らせるか決めなければならなかったのかもしれないな』

 荷物を捨てれば対価を示せないので、見捨てられても文句は言えない。見捨てたことに文句を言うのならば、その人物は無償で他の者達を助けなければ嘘つきとなる。だから来るかも分からない希望の象徴として、心が折れないように捨てずにいたのだと杜人は推測した。

『これなら大丈夫だろう。レネの好きにして良いぞ』

「分かりました。……それでは乗ってください。それとこれを貸し出します。この階層専用に調整した護身の魔法具です。発動中は魔法薬がなくても大丈夫になります」

「ありがとうございます!」

 レネはタマから降りて示された対価を受け取るとジンレイの領域へ収納した。そして魔法具を渡して発動させると、タマに乗り込んだ。レネとしては対価は不要なのだが、後のことを考えれば受け取らないわけにもいかない。金銭同様、曖昧にしてはいけないことなのだ。

 探索者達は口々に礼を言い、タマに恐る恐る乗り込んだ。そして護身の魔法具の性能に驚き、途中で遭遇した燃泥の狩り方に目を見開き、タマの速度に驚愕しながら無事出口まで辿り着いたのであった。
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