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黒姫の魔導書 作者:てんてん

第6章 写し鏡のその奥に

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第01話 新しい一歩

 大国レーンに対して他国が思う不思議のひとつに『他国を併合し目端が行き届かない広い領土を持っているのに反乱する地域がない』というものがある。

 普通の国であれば、併合しただけでは何かしらの不満が溜まり、反乱の種となる。そこに付け入る隙があり、弱体化工作を仕掛ける。しかし、レーンでは工作員が暗躍しても、手ごたえはあるのに燃え上がらない。実に不思議な国なのだ。

 他国にとっては不思議でも、レーン貴族にとっては不思議でもなんでもない。レーンでは他国と異なり、最大戦力である暇な王族が漫遊している。平民に対してはおおらかな王族も、土地を治めている貴族には厳しい。結果、油断すると愚か者のとばっちりを受けるため、上位の貴族ほど胃痛に悩まされることになり、王族が来ても大丈夫なように善政を敷いて民と己を守っているのだ。

 そんな不思議な国であるレーンには、王族に関する逸話や伝説が数多く残されている。その中にこんな話がある。



 ある時、ずっと昔に血が分かれたとある国の王族が、レーンの王冠を求めて国王に譲位を迫ってきました。

『我こそは正当な血筋なり。偽王よ去れ!』
『これはありがたい。それでは今よりこの国はあなたのものだ。祖に恥じることなく治められよ』

 そういって国王は喜んで譲位すると、あっという間に姿をくらましました。そのため広間には空になった玉座と、その横に浮きながら青く輝いている宝珠のみが残されたのです。

 その逃げっぷりを嗤った新王は、玉座に座ると傍らに浮いている王家の至宝『天の涙』を手に持ち、高く掲げて宣言しました。

『今こそ武力を持って全土を統一せん!』

 次の瞬間、『天の涙』が澄んだ輝きを放つと玉座には誰も居なくなり、『天の涙』のみが誰にも支えられることなく青白い光で周囲を照らしていました。

『だから祖に恥じることをするなと教えたのに。子供達も全員居なくなってしまった。次は誰が王になってくれるのだろうか』

 誰も居なかった広い部屋に、いつの間にか現れていた元国王改め新国王の嘆きがこだましたのでした。



 これはレーンの国王は他国に比べて交代の周期がとても早いため作られた笑い話ではあるが、一部真実も含まれている。

 即ち『祖に恥じる行いをした王族は居なくなる』という部分である。強大な力を持つが故に甘えは許されず、国民の目に晒されながら生涯王族として過さなければならない重圧は並大抵のことではない。

 傍目には一番好き勝手に生きているように見えるレーンの王族であったが、祖に恥じる行いをする王族だけは『居ない』のだった。





 夜。巨大な石にて組み上げられた王宮の一室。長物を振り回せるほど広い室内には質素だが品のよい調度品が置かれている。そして中央にあるテーブルには術式が書き込まれたノートがあり、すぐ傍にこの部屋の主である第三王女シアリーナ・レーンが寝巻き姿で背もたれつきの椅子に座っていた。

「私にかかればこんなものよね」

 少女というには僅かに足りない身体を伸ばして笑みを浮かべる。天井にある明かりの魔法具が放つ光に照らされて、長い黒髪が光を淡く反射していた。そして身体の力を抜いてから姿勢を正し、テーブルを紫の瞳で見つめるとその上に魔法陣を構築していく。

「……夢幻結界」

 魔法陣から放たれた光が収まると、そこには様々な絵と文字が煌めく小規模の円筒が存在していた。まさしくそれは、レネが学院祭で用いた宣伝用魔法の縮小版であった。

「最初は驚いたけれど、単に分割して難しく見せていただけじゃない。まとめればこんなに簡単なのに」

 天級魔法を簡単と言ってのけたシアリーナの表情には嘘はなく、本気で言っていることが分かる。そして王族でも上位の力を持つシアリーナにとって、それは当たり前のことであった。

 事の起こりは少し前に終わった学院祭である。毎年見学に行っていたので今年も何の気なしに見に行ったわけだが、そこで今までにない大規模な魔法を目撃して言葉にできない衝撃を受けたのである。

 シアリーナは王族として祖に恥じることがないように厳格に育てられた。その反面、王族の中でも上位の魔力量と術式構築の速さ、そして黒髪紫瞳ということで『大賢者の再来』ともてはやされていた。

 そのためその名に恥じることがないように一層の努力を重ね、同世代に敵う者はいないと自負してきた。ところが、自分にできるかわからないような大規模魔法を、年上とはいえたった一人で構築し発動させたのを見てしまったのだ。

 そして周囲の声からそれが『殲滅の黒姫』という二つ名持ちの平民の少女と分かり、調べると主討伐や大広間の罠を二度突破、開発した商品の販売など、普通に聞いただけでは一笑に付すようなことをしていたことが判明した。

 それだけならば、まだ『凄いね。私も頑張ろう』だけで流せた。しかし、情報を集める過程でレネも昔『大賢者の再来』と呼ばれていた事実を知った。知ってしまえば、レネの実績がとても大きなものに見えた。

 だから、いつか大賢者と並び称されることを目標としているシアリーナは、このまま放置してレネに大賢者の名を奪われるわけにはいかないと思ってしまった。

「大賢者様の後を継ぐのは私なんだから」

 そう呟くと夢幻結界を解除し、ノートに書き込み始めた。そして集中が高まってきたときに扉が静かに叩かれ、シアリーナ付きの侍女であるフィリが静かに入室してきた。

「姫様、お飲み物をお持ちしました」

「いらない」

 フィリを監視要員と認識しているため、嫌っているシアリーナの返事は実にそっけないものだった。それでもフィリは表情を変えることなく、準備を進める。

 フィリは侍女と護衛を兼ねているが、武器は短剣程度しか所持していない。それもそのはずで、紫瞳であるフィリの武器は魔法なのだ。それも特級魔法使いの資格を若くして獲得した才能の持ち主である。そして幼いうちに成長が止まりやすい紫瞳の中で、きちんと成長できた幸運の持ち主でもある。

「どうぞ」

 返事もなかったがそのままお茶を置き、部屋の隅に移動して待機する。当然シアリーナは無視し、作業を続行した。

 今までは家族や周囲の者達が喜んでいたことをしたのに、少し前から逆にたしなめられるようになっていた。シアリーナは陰で王族を嗤っていた侍女を探し出したり、悪辣なことをしようとしていた貴族を討伐したりなど、王族としてしなければならないと教えられたことを実行しただけである。

 シアリーナとしては間違ったことをしている認識はなく、祖に恥じることをしている意識はまったくなかった。そして最初のほうに家族から連続して頭から否定されたため心は一気に硬質化し、実力行使一歩手前までされた今では説明されても受け入れる余地がなくなっていた。

 家族としてはそろそろ表舞台に出る年齢のため、王族として厳しく対処しただけなのだが、既に己の価値基準を持っているシアリーナにとっては裏切りと同意である。そのため一層反発し頑なになったのだ。

 そして一番頑なにした出来事。責められていたシアリーナをかばっていた兄が『あれはもう駄目だ』と言っているのを聞いてしまったのである。失言ではあったが、変えられない己の力不足に対する嘆きでもあった。しかし、シアリーナにとっては裏切りであった。

 失敗に気が付いた家族が弁明を試みたが、既にシアリーナにとって家族は裏切り者であり己の正義を否定する敵である。まったく聞く耳を持たなくなってしまい、普通の侍女では止めることができないためフィリが派遣されたのである。このため見捨てられたと判断したシアリーナは完全に心を閉ざしたのだった。

 シアリーナは飲み物を放置したまま作業を続け、しばらくしてからノートを片付けて明かりを消し、寝台に入った。そして暗闇の中でフィリが片付けをして出て行く音を聞き、ようやく身体の力を抜いた。

「みんな嫌い……」

 もはや寄り立つものは己の力を基にした矜持だけである。だからこそ、それを崩す可能性のあるレネに敵愾心が募るのだ。もちろん明確に把握しているわけではない。そして成熟していない心の視野はより狭まり、見えない道へと足を踏み出すのであった。





 学院祭も終わって通常の日常が当たり前のように過ぎていく。フィーレ魔法学院に所属しているレネもまた、通常の生活へと戻っていた。

「えへへ、おいしい」

『食いすぎて腹を壊しても知らないからな』

 午後。最近は自室より馴染んでいる広い和室にて、レネは満面の笑みを浮かべてソフトクリームを食べている。

 服装はまだ寝るには早すぎるため、フィーレ魔法学院の制服である。白のブラウスに紺色のフレアスカート、深藍色の上着。胸元には上級魔法使いを示す徽章と赤いリボンを付けている。腰まである長い黒髪はいつも通り後頭部の上で白いリボンにて結ばれている。

 座卓に座っている杜人も半透明のまま変わらない格好であり、白系の狩衣と黒の烏帽子である。レネの隣にいる護衛のシャンティナも三つ編みの長い黒髪につけたリボンを嬉しそうに揺らしながらソフトクリームを食べている。服装もレネと同じ制服であるが、魔法使いというわけではない。

 レネとシャンティナは髪も黒く、瞳も大きな魔力を持つ『紫瞳』であるため特徴は似ている。しかし、並んで歩いても姉妹と間違われることはない。華奢でかわいらしいレネと表情に乏しく無口なシャンティナを並べても、色彩程度では似ていると感じないのである。

「それではこれで最後に致しましょう」

 そう言いながらジンレイは優しい微笑を浮かべてソフトクリームを差し出した。姿は相変わらずのいぶし銀であり、今は家令として働いているが、騎士として戦闘もこなせる一家にひとりは欲しい逸材である。

 現在居る空間は魔物であるジンレイの体内であり、領域内ならばどこにでも出現し様々なものを魔力から作り出すことができる。ソフトクリームも作り出したもののため、いくら食べても太らないのである。

「残念、最後だって」

「残念」

『……本当に知らんからな』

 ジンレイはそんな会話を聞きながら一礼してから後ろに下がると姿を消した。余計な口を挟まず空気にように消え去る見事な対応であった。




 そして最後のソフトクリームを堪能したレネは、もらった資料を座卓に広げて今後のことを考え始めた。

『実技の講義は受けるのか?』

「うーん、受けてみたいけれど特級魔法を使える魔法具が無いとね……」

 今では魔導書の修復も進んで天級を使える魔法具も複製できる。しかし、手元にはまともに使える魔法具は上級までしかないのである。唯一所有している星天の杖も消費魔力百倍という素敵仕様であり、おいそれと使えないのだ。

 上級魔法使いであるレネが受ける講義は特級魔法についてである。そしてレネは自力では出力不足で初級魔法までしか使えないため、座学はともかく実技は受けても見学しかできない。そして座学は既に受けて全て暗記しているので、改めて受ける必要がないのである。

「となると、時間もあるからこれかな。講師教練」

『なになに……、初級魔法使いに対して講義を行う。期間は半年単位、希望者が居ない場合は正規の講義に割り込む形で行う。……半年が好きなのか?』

「半年ごとに試験があるからね。といっても全員が一斉に受けるわけじゃないから開始はいつでも良いし連続しなくても大丈夫。だからほとんどの人は一年くらいかけているみたいだね。この講義を受けていれば特級試験の必須科目が免除されるから、必ず全員がいつかは受ける講義なんだよ」

 フィーレ魔法学院は強い力を持っているからといって特級認定を出すような甘い学び舎ではない。少なくとも特級魔法使いには後進を育てることを求められるので、できない者は上級止まりとなるのである。

『なるほど。……判定基準がないな。適当でも良いのか?』

「やり方は自由だけれど、役に立たない教え方をすれば間違いなく介入されるよ。酷い人は三日で中止になったこともあるよ。たぶん魔法具を使って監視している部署があるんじゃないかな」

 情報を暗記しているレネの回答に淀みはない。そして情報を連鎖して引き出せるので、ひとつの資料では分からないことも推測可能なのである。

『実に曖昧だが、千差万別のものに基準を設けるほうが大変か。……ところで、なんだかレネが一番嫌う講義のような気がするのだが』

「まあね。でも、逃げても仕方がないでしょ? さすがにぶっつけ本番は無理だし、一度教えた経験があるから何とかなると思う」

 レネは微笑みながら要綱に目を通していく。その頼もしい姿に杜人は良い変化だと頷いた。

 学院祭前のレネならできるかどうか悩み、ラウレス騎士学校において指導教官の経験がなければ選択肢にも上がらない。そして杜人と出会う以前のレネが偶然上級になったときは、卒業を選ばずに上級魔法使いで満足して学院を出ていたはずである。

『なんということでしょう。あの孤独を愛したレネが、自ら人と交わることを選択したのです。しかし、光差すところに影はあり。まさかその選択によってあんな未来が待ち構えているとは、誰も予想できませんでした。まる』

 以前のレネなら杜人のからかいに反応して怒り出すところだが、余裕がある今は笑って受け止めることができるようになっていた。もちろん杜人は選んでからかっているので、その変化は好ましいと思っている。

「今度はさすがに大丈夫じゃないかな。……たぶん」

『座学中心だからな。……おそらく』

 レネと杜人は目を合わせると同時に微笑み、これ以上言葉に出すのはまずいと合意して互いにそっと目をそらした。

『ええと、そういえばレネも昔この教練を聴講したのだろう? どんな感じなんだ』

「んー、……へたくそだった。まるで予習してくるのが当たり前のような教え方だったかな。その割に教科書から逸脱しないし、何をしたいんだろうって思ったよ。だから一回で止めて、それ以降は受けなかった」

 分からないから教わるのであり、分かる効率を上げるために予習をするのである。予習をしたから分かるのではなく、分かるなら講義を受ける必要はないのだ。そしてレネのときは分かっていることが前提で講義が進められたため、二回目の時点で聴講者が激減し三回目で誰も居なくなって中止となったのだ。

「けど、そのときはそう思ったけれど、いざ自分がやってみようと考えると、教えるのがとても難しいことが分かるよ。教科書を全部覚えても使うのは一部なんだよね。かといって他が不要かと言えばそれも違うし、優先順位をきちんとつけて教えないと聞いているほうも混乱するよね。……たぶん、昔の私なら教科書を丸暗記させたんじゃないかなぁ」

 図書館にある本をすべて暗記しているレネにとっては簡単なことであるが、今ではそれが普通ではないことを理解しているため他人に同じことを求めはしない。

『そうだな。間違いなくそうやっただろう』

「むぅ」

 杜人はさもありなんと頷き、レネは不満そうに頬を膨らませて杜人を普通の指で弾いた。

「ふんだ、ばか」

『それだけ成長したということだ。言葉を素直に受け止めるのも大切なことなんだがなぁ』

 からかいを含んだ杜人の返しに、レネはじとっとした目を向ける。

「素直に受け止められる言葉にしないほうは悪くないの?」

『ふむ、気がついたか。上出来だ。冷静に判断できるようになってきたな。その通り、教えるのであれば、まず聞いてもらえる言葉で伝えるのが大前提だ。だが、目的を達成するためなら素直に聞いてもらう必要は必ずしもない。今のがそうだな』

「……気がつくか試すのが目的だったから?」

 杜人はその通りと頷き、レネもそうだったのかと納得し頷いた。

 もちろん大嘘であり、気が緩んで出た言葉を正当化するために軌道修正したのである。最近はレネも強くなったため、深く考えずに踏み込んだ返事をしてしまうときがあったりするのだ。杜人としてはせっかく築いた信頼を単なる油断で損なうのは嫌なため、反応が芳しくない場合は適宜修正しているのである。

 というわけで、杜人は元に戻らないように話題を進めた。

『人には向き不向きがあるから、良い方法だとしても実行できない人もいる。それを察知できないとその人に嫌われることになる。教える側にとっては正しいことでも、教わる側にとっては大迷惑なこともあるだろう。そこで理解できないほうが悪いと言うか、修正しようと試みるかは善し悪しではなく人それぞれの方針にすぎない』

「ふむふむ」

 この辺りはまだまだ素直なレネはあっさりと意識を切り替え、メモを取りながら耳を傾けている。それを見ていた杜人は、これなら大丈夫と少しだけ踏み込んだ話題に移った。

『レネも講師として教えるならば、最初から指導方針を明確にしたほうが良いと思う。ある程度の線引きをしておかないと、うまく行かなくなったときに迷って悩むことになるからな』

「指導する者が迷っていては、誰もついてこないからね。……私は聞いた人が楽しかったと思って欲しいかな。そして自分から学ぼうと思って欲しい。無理かな?」

 レネの希望は指導者としては超上級者のみが成し得るものである。当然今のレネではまだ無理であり、経験が必要であった。だが、せっかく考えたことをばっさりと否定するとやる気を一気に削ぐことになるため、杜人は無理だとは言わずに微笑みを向けた。

『無理ではないな。要約すると、学ぶ楽しさを教えたいで良いか? 学力を上げるとか、一番にしたいとかではないな?』

「うん。そっちは他の人に任せるよ」

『では、最終目標として講義を受けるのが楽しみになるようにするを掲げようか。最初は慣れていないし、試行錯誤が必要だから人数は減るかもしれない。だからそれも糧にして改良していこう。最後まで残った人が、受けて良かったと思える講義を行うためにな』

 杜人はレネの希望を抽出し、外れてはいないが実現できる目標を設定する。講義が楽しみになるならば自主的に学ぶ意欲も高まる。二つの希望を一つに集約し、進むべき道を明確にしたのである。当然楽しみに思っても勉強しない可能性もあるが、それは言う必要のないことなので言わない。

『問題は、果たして受講希望者が居るかということだが……』

「だ、大丈夫だよ。ほら、初級には新入生が大勢居るし、学院祭は大盛況だったから……。それより内容を決めようよ」

 杜人はわざとらしく笑いながら視線を向けると、レネは誤魔化すように目をそらしてから話題を進めてノートに講義内容の案を記入していく。

 レネの持つ不本意な二つ名『殲滅の黒姫』は、学院内では未だに恐怖をもってささやかれる名である。ちなみに学院祭でも普通の魔法使いでは考え付かない魔法を連発したため、名は轟くばかりであった。

 そしてなにより、殲滅の黒姫の名は外での評価はかなり良いものであり、新入生はその噂を聞いて学院に入学している。そのため興味がある者なら正反対の評価に首を傾げるはずであり、人は何故か外部の良い噂よりも隠れた内部から聞こえる悪い噂のほうを信じやすい。

 それを分かっている杜人は、からかいながら認識させることによって膨らむ希望を抑え、発生するであろう落胆を小さくしていた。

 そういうわけで杜人はいつも通り、強く生きろと温かく見守るのであった。
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