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《第一章》
12.意外な特技
「わ、我は、ヴァ・ロイだ! ロイと呼ぶがいい!」
「はい、ロイさん」

 ちょっとギクシャクした感じで、ロイは早夜に手を差し出す。

 リュウキとナイールが散々睨み合った後、ピトが「まぁまぁ」と見た目の子供っぽさとは掛け離れた大人の対応により、仲間たちの自己紹介は再開された。
 そして、ピト、ミリア、イーシェの順番で自己紹介をしてゆき、ロイの番となったのだが、

「あちゃー、ロイってばなんかカチカチに緊張しちゃってるわ」
「あれじゃ、バレるのも時間の問題かもしれないミョ。やっぱりロイは駄目駄目ミョ」

 緊張しているロイの様子に、ミリアとイーシェはコソコソと囁きあう。
 今日初めてあった体で早夜とは接しなければならない上に、今ロイはチクチクとした視線を横からひしひしと感じている。
 そこにはナイールが笑顔ではあるがその目は氷のように冷たさを放ち、リュウキは最早感情を抑える事無く、あからさまな態度でロイを恐ろしいまでの眼差しで睨みつけているのだ。
(怖い! 恐ろしすぎるのだ!)
 背中に冷たい汗を掻きながら、ロイは半ば泣きそうな思いで早夜と握手をする。
 視線の棘が、より一層鋭くなった。
 まるで、『早夜に気安く触れるな獣人風情がっ』と言われているみたいで、物凄く居た堪れなかった。

 ふと前方の視線が気になり、ロイが顔を上げると、早夜は握手した状態で、チラチラと何かを気にするように自分を見ている事に気付いたロイ。
 頬を染めながらソワソワと、それはロイの頭だったり腰の辺りなんかを行ったり来たりしていた。

「ん? 如何したのだサヤ? 我の頭と腰に何か付いているのか?」

 不思議に思って頭に触れたり体を捻って腰を見たりするロイ。

「いえ、その……それは……」

 早夜はカァッと頬を染め、モジモジと恥ずかしそうに自分の服を弄り出した。
 それは何だか、好きな男性を前にした少女の反応に見え、ロイはゾクゾクと射殺さんばかりの殺意の篭った視線に耐えねばならなかった。
(ひぃ! 死ねる! 我はこの視線だけで死ねると思うぞ!)
 きっと、心労によるストレスで死ねるだろうと思ってしまうロイ。
 目の前の黒髪の少女は、此方をポーとした顔で見つめたかと思うと、ポソリと呟いた。

「……を……さい」
「なんだ? すまぬがもう一度言ってくれぬか? 聞き逃してしまった」

 早夜の声は囁くようで、あまりにも小さかった。



「キャー、もしかしてサヤちゃん!?」

 ドキドキとしながらその様子を見守るミリア。彼女は早夜がロイに気があるのだと勘違いしているのだ。

「でも、ムエイ様だけじゃなくナイール王子も障害になるなんて……でも、お姉ちゃんはサヤちゃんを応援してるわ! サヤちゃん頑張って!」

 こっそりとエールを送るミリアに、隣に居たイーシェはそっと溜息を付く。

「流石に今回は、ロイが色々と哀れミョ……」

 その呟きは、一人盛り上がっているミリアには届かないのであった。




 一方早夜は、ロイに訊き返され、手をモジモジと動かす。そして、意を決して大きな声ではっきりと言った。

「ロイさんのその、耳と尻尾を触らせてください!」

 その瞬間、周りから音が消え去った。チョロチョロと動き回っていた魔導生物達でさえ、ピタリと止まって早夜とロイを見ている。
 皆から注目され、何だか恥ずかしくなってしまった早夜は顔を覆った。

「あ、あのっ、いきなりこんなお願い失礼だとは思ったんですけど。でも、最初目に入った時からずっと気になってて、触ったらきっと気持ち良さそうとか……フサフサで柔らかそうとか……見てたら堪らなくなってしまって……」

 早夜は実は、犬猫といった動物が大好きであった。でも、家はアパートであったし、アヤと二人暮しであったしと、この事は誰にも言った事はない。

「で、でもっ! 無理ならいいです!」

 我慢など慣れっこであった早夜はそう言った。でも、見れば見るほど、その揺れるしっぽは魅惑的である。
 早夜のその言葉を聞いて、ある者はホッと胸を撫で下ろし、ある者は同意。そして、またある者は落胆した。
 因みに、ホッとした者はリュウキにナイールそして亮太の三名であり、同意した者はイーシェにピト、落胆したのはミリアと蒼である。
 そして当のロイは、何だかとんでもない事を聴いたという顔をして早夜を見ていたかと思うと、顔を真っ赤にして喚きだした。

「な、ななな何を言い出すのだっ!! 尻尾に触るなど、絶対にダメなのだっ!!」

 しっぽを押さえて、じりじりと後退さるロイ。

「ちょっとロイ。触る位いいじゃないのよ。それにこの前、私あんたの耳触らせてもらったじゃない」
「み、耳は別に構わないのだ! だが尻尾は我ら獣人族にとって、無闇矢鱈と他者に触れさせていいものではないのだ!!」
「何よそれ……」
「あ、あのっ、駄目ならいい――」
「つまりアレかミョ!? 尻尾を触っていいのは、結婚を前提と恋仲の相手としか駄目だとかいうオチかミョ!?」
「ハッ、イーシェお主よく分かったな!?」

 またもや彼らの周りから音が消え去った。
 シーンと静まり返る中で、イーシェがクワッと目を見開き叫ぶ。

「なんてお約束なんだミョ! 王道過ぎるミョ! これで尻尾が性感帯とかで、握られると弱々になっちゃう的な事になったら、イーシェありきたり過ぎて鼻で笑ってやるミョ!」

 その言葉に、ロイはウッとたじろぎ声をつまらせる。
 それを見て図星だと理解する一同。イーシェは宣言どおりに、鼻で笑ってみせ、ロイを大いに落ち込ませるのであった。




「そういえば……カムイとリジャイはまだ来ていないのかい?」

 カンナの姿もなかったが、彼女には連れ去られた時に会っているし、その事で顔も合わせづらいだろうというナイールの心遣いだったりする。
 そして、ナイールの質問にピトが答えた。

「カムイは恐らく、何処かで道草でも食ってるんジャろ。言葉通り、草でも食っておるかもしれんの。リジャイジャが、フーム……ここの所すっかり姿を見せなくなってしもうたのぉ……」

 その時早夜は、リジャイという名を聞いて、「あ!」と声を上げてしまった。
 皆が早夜に注目する。

「どうかしたのか? サヤ……」

 ナイールは訝しげな視線を早夜に寄越す。
 早夜は思わず声を上げてしまった事に気恥ずかしさを覚え、顔を染めながら俯いた。そして、少し緊張した面持ちで瞳を彷徨わせながら言った。

「あの、その……実は、リジャイさんとはもう……」

 ナイールが目を見開かせた……。



 早夜は昨夜、ナイールが居ない時を見計らい、いつもの様に指輪に向って近況報告をした。
 その時は、明日リュウキに会えるという事を告げた所、何時もは返事が返ってくる事は無いのだが、その日はその返事が返ってきたのだ。
 やはりノイズ混じりであったけれど、彼の声を聞いて何処かホッとする早夜。

『良かったね、早夜。やっとリュウキとご対面か……おめでとう』
「はい、ありがとうございますリジャイさん」
『フフッ、僕はまだ何もしていないじゃないか』
「いいえ、リジャイさんのお陰です。色々と私達の為にしてくれたじゃないですか」
『いやいや、そんなのはまだまだ……』

 その時早夜は、「あれ?」と引っ掛かるものがあった。けれど、その何かは漠然とし過ぎていて、早夜には何も掴めない。

「……リジャイさん、今何をしているんですか?」

 ポツリと訊ねたが、彼は「ないしょ」と言うばかりで、何も教えてはくれなかった。
 早夜の脳裏に、人差し指を唇に押しつけ、謎めいた笑みを浮かべるリジャイの姿が思い浮かぶ。

『そうだ、そろそろナイール王子とか、僕が居ない事を不審がってる筈だ……調べられると厄介だし……そこで早夜にお願いなんだけど……』
「何ですか?」
『僕が人目を忍んで君に会いに行ってるって、ナイール王子に言ってもらいたいんだ……そうだな、君がクラジバールに来てから、もう何度も会ってるって事にしといて欲しいな』
「えぇ!? いいんですか? そんな事言って……」
『大丈夫大丈夫。いつも僕の行動を見ている皆なんかは、それを聞いて納得する筈だから』



 と言う訳で、早夜はナイールにリジャイとは既に会っていると告げた。

「一体いつからリジャイはあなたの所に……」
「えっと……割と最初から?」
「ハッ、じゃあ今までのサヤの不審な態度は、彼に会っていたからなのか?」
「え!? いえ、その……はぁ……」

 そんなに自分はナイールの前で不審な態度をとっていたのだろうかと思いながら、でもそう思ってくれた方がいいかなと曖昧に頷いた。

「あやつめ、我らの所には全く姿を現さずに、早夜の所には行っているだと?」
「まぁ、あいつらしいと言えばあいつらしいが……」

 リジャイの言っていた通り、彼らは納得してくれた。
 でも、ナイール意外には後で本当の事を言わなくちゃと早夜は考える。

「それでサヤ、リジャイはあなたに会いに来て一体何をしていたのかな?」
「へ? あ、あの……ただお話を……」
「あの格好で……?」

 そう言われてハッとする。
 そうだ、そうなると自分は、あの恥ずかしい貴族の格好でリジャイに会っていた事になる。
 途端にだらだらと汗を流し始める早夜。

「ちょっと待て、あの格好とはどの格好の事だ?」

 何だか嫌な予感するのか、リュウキが少々怖い顔で詰め寄ってくる。
 その辺の事情の事を知っているミリアは、

「えぇ!? あの格好でリジャイに会ったの、サヤちゃん! それで、何もされなかったの!?」

 そう言って心配げに早夜の事を見るものだから、ますますリュウキの顔が怖くなった。

「あ、あああぅおぅ、そのちゃんとシーツを巻いて……」
「フーン……」
「シーツだと……?」
「そっかぁ、あの格好でいるよりはましかぁ……」

 ミリアのその言葉に、リュウキは(シーツを巻いた方がましな格好とは何だ!?)と負のオーラを周りに撒き散らせている。

「まさかサヤ、彼の枷を外したりはしていないだろうね……」

 ボソリとナイールが他の者には聞こえないように訊ねてきた。
 思わずギクリとして彼の事を見上げてしまう。
 その仕草を肯定と見たナイールは、ハァッと溜息をつく。

「外したのか……」

(ああっ! リジャイさんごめんなさい! なんか余計な事までナイール王子に知られちゃいました!)

「でも、あなたの所には良く来ているんだよね?」
「え? あ、はい!」
「じゃあ、今度リジャイがあなたの所に来る様な事があったら、私の前に出て来てくれるように言っておいてくれるかな」
「はい、分かりました」

 一応頷く早夜。

 その時である。

 少々殺伐とした(リュウキの黒いオーラによって)この場に、陽気な声が聞こえてきた。

「おー、皆揃ってるな! 遅れてわりー! 途中いいもん見っけてさ!」

 ガハハッと豪快に笑いながら現れた人物に、皆が振り向く。
 そこには、大きな体のカムイが此方に向かってくる所だった。
 しかし、皆の視線は彼の頭上……正確には彼が肩に担ぎ上げている物に向かっている。
 それを見て、早夜は「ヒッ」と短く息を吸い込んだ。

「それは……」
「カムイ、そんなのよく見つけたな……」
「き、きしょっ!!」
「ホッホッ、こりゃ稀に見る大物ジャの」
「それを捕らえる為に遅れておったのか、お主は……」
「チャムカミョ! 物凄くでっかいチャムカミョ!! こいつはお肌にもいいんだミョ! でかしたミョ、カムイ!」

 これまでの重い空気は何処へやら、カムイの担ぐ体長五メートルはあろうかという巨大なチャムカの登場に、みな色めき立つ。
 そして、ナイールがハッとして早夜を見た。
 早夜は顔面蒼白となり、カタカタと細かく震えながら、それでも視線は真っすぐにカムイの抱えた巨大なムカデ擬きに向いている。
 ナイールが早夜に手を伸ばすよりも早く、彼女は助けを求めてその細い手を伸ばした。
 しかしそれは、自分ではなく別の者に向っていた。そう、リュウキである。
 早夜が無意識にリュウキに縋りついて助けを求めていたのだ。
 ナイールの胸にいいようの無い感情がザワリと湧いて出る。

「早夜? どうした?」
「イヤッ、ムカデが、ムカデが……」
「ムカデ? ああ、そうか」

 漸くリュウキも合点がいったのか、カムイの抱えているチャムカに目をやる。
 早夜の苦手とするものを思い出したのだ。
 リュウキの口角が自然と上がる。今までの黒いオーラが和らいでいた。早夜が自分に助けを求めた事が嬉しかった。
 先程から突き刺さるような視線をひしひしと感じているのだが全く気にならなかい。

「早夜、大丈夫だ。あれはムカデとは全く別の生き物だから……それでも恐いというのであれば、そうして兄にしがみ付いているといい」

 早夜の頭に手を乗せ、見せないように優しく顔を伏せさせた。早夜もそれに素直に従う。

「なぁ、こいつどうする? 煮る? 焼く? それとも生で食うか?」
「ピッ!?」

 顔を伏せた事で、周りの音がより鮮明になっている。それに、カムイの声は馬鹿でかい。嫌でも彼の声が耳に入ってくる。
 すると、別の声が元気よくカムイにこう言うのが聞こえてしまった。

「それは断然生がいいミョ! 生が一番お肌に直接浸透しやすいんだミョ! ヘイ、カムイ。イーシェに一本寄越すミョ!」
「おう、いいぜ!」

 そんな声と共に、バキッと何かを折る音がして、早夜を大いに怯えさせた。

「さっきまで生きていたから活きがいいぞ!」
「ミョミョ! 本当ミョ! というかまだ生きているミョ! 中の身がまだピクピク動いてるミョ!」
「ちょっとイーシェ、よくそんな物食べようと思えるわね。見た目物凄くグロいんですけど! ほら、サヤちゃんなんか怯えちゃってるじゃない!」

 早夜の様子を指差し、出来る事なら食べる事を止めさせたいミリアでだが、イーシェはフンと鼻を鳴らす。

「そうは言ってもイーシェ、美への探求心は人一倍ミョ。その為なら、見た目のグロさなんてどうでもいいミョ。それに………」

 イーシェはズロロロと音を立ててソレに吸い付いた。早夜の肩がビクンと震える。

「ミョミョ! こんな美味いもんを嫌うなんぞ、贅沢もんミョ!」
「そうだぜミリア、好き嫌いはいけないぜ」

 カムイもイーシェの言葉に頷くと、またバキッと音を立ててソレを折った。

「いや、好き嫌いとかそういうレベルのグロさじゃないよねソレ」
「そうなのだカムイ。せめて調理をしてだな……」

 せめてそのチャムカの姿が無い所でとロイが思っていると、カムイはリュウキの方へと歩いてゆく。
 リュウキは咄嗟に早夜を庇うのだが、カムイの方が素早く、庇われるその小さな肩にポンと手を置く。
 だがその次の瞬間、カムイは吹き抜けとなっている天井を見ていた。
 何だ?と思う暇も無く、ポカンとするカムイ。いや、カムイだけではない。他の者も皆同様の反応である。
 カムイは自分の手首を掴んでいる者を見上げて目を見開かせた。

 早夜である。

 カムイは視線をリュウキに移した。これは、いつかリュウキがカムイにした技と同様のものだ。
 ガバッとカムイは腹筋だけで起き上がった。
 その顔は何故か喜びに満ちている。

「きゃあ!!」

 いきなりカムイが起き上がったので、驚いて言葉通りに飛び上がる早夜。

「ハハッ、お前ちっこいのにでっかい俺を倒すなんてな! 俺、女に倒されたのなんか初めて――」
「いやぁぁあぁぁ!!」

 カムイが興奮した顔で詰め寄ってくるが、早夜は彼の手に握られる蟹の足の様な物(蟹よりも太く節も多い)を目に留めてしまい、あらん限りの力で叫ぶと彼の胸ぐらを掴んで後ろへと倒れこむ様にしてその勢いでカムイを投げた。
 そう、巴投げである。
 しかしカムイは、今度は引っ繰り返る事なく、綺麗に足から着地するとますます顔を輝かせた。

「俺は強い奴が好きだ! だからお前も大好きだ!!」
「ぴぎゃあぁぁあぁ!!」

 早夜にはカムイの声など耳に届かない。ずっと彼の握っている蟹の足に集中していた。
 またカムイが迫ってくる。しかし、早夜に触れる寸前でカムイは動きを止めた。
 その喉元には、硬く鋭い鉄の刄が当てられている。
 リュウキが剣を抜いてカムイを睨み付けていた。

「早夜に近づくな……」
「おおっ、ムエイ! 俺はお前も大好きだぜ! つえー奴はみんな大好きだ!」
「………」

 リュウキは剣先を少しばかり下ろす。
 どうやら恋愛感情での好きではないようだ。
 それでも早夜が嫌がっているのは事実である。剣は向けたままであった。



「サ、サヤちゃんって武闘派なのかしら……?」
「あの娘、ただのお人好しかと思ってたけどイーシェ見直したミョ。やっぱり現代の女は、美だけでなく強さも兼ね備えてないと駄目ミョ!」

 イーシェは食べかけの蟹の足擬きを掲げて叫んだ。
 こうして早夜はこの日、幸か不幸かカムイとイーシェに気に入られる事となったのだった。



 あの後、リュウキがカムイを押さえている間に、ナイールによって連れていかれ、騒ぎは終結した。

「それにしてもムエイよ、あのサヤの技、以前お主がカムイを引っ繰り返した技によく似ていたのだが……」
「ああ、あの時の技は早夜がアヤから教わった護身術だ……」

 リュウキは思い出す。
 日本では、アヤが早夜の為を想って、彼女に護身術を教え込んだ。リュウキはそれを、夢の中で早夜の目を通して見ていた事もあり、覚えて時折此方で使ったりしていた。
 しかし早夜自身は、いつまで経っても覚える事はなく、これでは身を護れないとアヤは大いに心配していたのだが、如何やらそれは覚えないのではなく意識的にセーブしての事だったのかもしれないとリュウキは思い至る。
 例え自分に危害を加えようとする相手でも、傷付けたくないと、そう思っていたのではと……。

 リュウキは苦笑する。
 なんと甘い考えを持つ妹だろうか。
 でもそれは、真実心の底から嫌いな物に対しては遠慮はないようである。
 やはり、自分が早夜を護ってやらなければ……。

 リュウキは改めてそう思うのだった。



 早夜ちゃん意外と強かったのね、な今回のお話。
 アヤに徹底的に教えてもらっていたにも拘らず、ついぞその技が実を結ぶ事はありませんでした。リュウキの言うとおり、無意識にセーブしてしまっていたんですよね。
 はい、甘ちゃんな早夜です。
 でも、受身とかは取れるんですよね。あの、虐められていた際、階段から突き落とされた早夜ですが、本当なら骨を折る事無く打ち身程度で済んだ筈……では何故か?
 それは早夜の黒い部分ですねぇ……自分を突き落とした元親友に苦しめばいいという気持ちが働いたのです。
 この点、矛盾な早夜の心。

 次回、リジャイが登場。キサイ国が舞台。早夜のもう一人の兄、ムエイも出てくる予定。
 お楽しみに。
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