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《第五章》
無題6
 (ある男の日記)

『 全く、無駄な力を使ってしまった。

  少年の死を知った者達が、私を倒そうと、次々に私に襲い掛かってきたのだ。

  だが、更なる力を得た私の前には、どんな者も敵ではない。

  しかし、少しだけ油断をしてしまった。

  顔に傷を負ってしまったのである。

  全く、あの少年以外は、全てゴミ以下だ。

  少年の心臓を喰ったら、直ぐにでもこの世界を滅ぼしておくんだった。

  私に歯向かうと言うのなら、望みどおりに滅ぼしてやろう 』


  〜次ページ〜


『 あの少年の居た世界は、キレイさっぱり滅ぼしてやった。

  少しは気分が晴れた。

  顔の傷が少し痛むが

  これ位は魔法を使わずとも、自然に治るだろう。


  さて、次は何処に行こうか。

  “万物の力”を持つ者を探さねば 』


  〜次ページ〜


『 何という事だ!

  顔の傷が治らない。

  どんな治癒魔法を行っても、一向に治らないのだ。

  もしやあの時、呪を掛けられた?

  だとしたら、どんな呪だというのだ!

  私の知識をもってしても

  その原因も、その解呪の方法も分からない。



  そうだ、万物の力を持った者だ。

  そいつの心臓を喰らえば、知識と魔力が得られる。

  それで方法を見つけよう。

  だが、如何すればいい?

  こんな顔で、誰が私を信用すると言うのだ 』


(苛立ちからか、字が乱暴に書きなぐられている。かなり読みづらく、汚い言葉も書かれている)


『 私は仮面を被る事にした。

  怪しいが仕方が無い。

  なるべく見目が良い物にしたつもりだが、

  これで、どれ程の人が信用してくれるのだろうか。

  いや、この傷を利用して、人を信用させる手もあるかもしれない。

  憐れみ、同情させるのだ。

  そうだ、そうしよう。



  ああ、早く喰いたい。

  万物の力を持った者の心臓を 』


(その後、異界を次々に渡った事が記されている)


『 見つけた。

  万物の力を持った人間だ。

  まだ赤子だった。

  もう少しだけ成長させれば

  今よりももっと、力が安定するだろう。


  成長させる為には、親は必要だ。

  まずは親を懐柔させよう。


  私と主を信用させた、あの旅人のように。


  まずは怪しまれぬよう、事は慎重に運ばねば。

  あの少年の時のようになっては、目も当てられないだろう。

  そうだ、私の術で、少しづつ精神を壊してやろう。



  そうすれば、子供が成長する頃には、

  親は喜んで、子供を私に差し出す事だろう 』



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夢の逢瀬 ←番外編です。


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