過去の記憶を見せられ、仮面の男を見た途端、その記憶を拒絶する早夜。
そして聞こえてくる子供の泣き声、早夜は一体何を見るのか……。
10.月夜の晩に・中編
――バチン!――
そんな音と共に、リカルドとシェルは早夜の手から弾かれてしまう。
「っ!? 何だ? 今のは……」
呆然とする2人は、リジャイの方を見る。彼は先程と変わらぬ姿勢のままだ。しかし、よく見ると彼の顔には、うっすらと汗が滲み、その表情も苦しげであった。
「おい! どうした!?」
シェルが声を掛けると、視線だけを此方に向け、リジャイが何処か切羽詰ったように言った。
「早夜に抵抗されたのさ。よっぽど見たくないものだったらしい。
それよりも、助けてくれない? 早夜に意識を持っていかれる――……」
そう言いながらも、手を突っ張らせ、必死に離れようとしているみたいだった。だが、額から繋がる光の道は、ますます強く輝き、まるで放さまいとしているかのようである。
2人は驚き、言われたようにリジャイを離そうとするのだが、びくともしなかった。
「早夜を起こして。それでしか多分、この術は解けない……」
そう言われて、シェルとリカルドは慌てて早夜を起こそうとする。
「――駄目だ早夜、僕の過去なんか見ちゃいけない――……」
そこは真っ暗な場所だった。
私はその中を、子供の泣き声を頼りに進んでゆく。
――誰? 何処にいるの?――
そう呼びかけてみたけど、一向に返事は無く、ますます泣き声が酷くなるばかり。
手探りで探ってみても、その手には何も触れない。
その時、私は不思議な事に気が付いた。自分の手が見えるのだ。こんなに真っ暗なのに……。
そしてわかった。これは、私自身が発光しているのだと。
そう思って、足元に手をかざしてみれば、そこはちゃんとした床だと分る。
もっと、もっと光が欲しい、そう思うと、その光はますます強くなってくる。そして、周りの光景が見え始めた……。
床、壁、天井、それに家具もある。けれど私は、その異常さに言葉を失った。
何故なら、それらは全て、赤いもので彩られていたから……。
それは血だった。大量の血が、そこにあったのだ。
ありとあらゆる場所に、血しぶきが飛んでいる。
それを認識した途端、私は血の臭いを感じた。吐き気を催すその臭いに、私は新鮮な空気が吸いたくて、窓を探したけれど、そこには窓が一切無かった。
そしてハッとした。
こんな所に子供を置いて行けない。
私はこの部屋を見回す。さっきよりも明るくなり、この部屋の中が見渡せた。
居た――。
その子は、床にうずくまり泣いていた。
その子もまた、血に染まり、髪にもべっとりと血糊が付いて、その顔を覆い隠してしまっていた。
私は、その子の傍に膝をつく。ベチャリと血が付くが、気にならなかった。
――ねぇ君、大丈夫?――
私は出来るだけ優しく、そっと声を掛けると、その子はビクリと体を震わせ、ゆっくりと顔を上げた。
紅に染まった髪の隙間から、瞳を覗かせている。それは、酷く傷付いた目で、絶望、恐怖、寂しさなどが入り混じった、悲しい眼差しだった。
その子は、綺麗な紫色の目をしており、怯えた目で私を見ている。
私は、大丈夫だよと言って、その子を抱きしめて、安心させてあげようとした――。
『サヤ!』
その時、呼び掛けられた様な気がして、振り返る。だけど、そこには誰も居なくて……。
でも耳を澄ませば聞こえてきた。
『サヤ! 起きろ! 目を覚ませ!』
この声はリカルドさん?
『目を覚ますんだ、サヤ!』
これはシェルさんだ……。
私は立ち上がろうとする。でもその時、何かが私の手に触れた。見るとその子供が、私の手を躊躇いがちに、握ろうとしている。
とても不安そうな顔をしていて、まるで置いてかないでと言っているみたいだった。
私はその子の手を取ろうとしていたけれど、その時、意識が急激に上昇するのを感じた。
――待って、私はこの子を置いて行けない――
そんな叫びも空しく、私は目を覚ました。
熱で頭がボーとする。だけど、目の前に紫色の目を見つけた時、ホッとして微笑んでいた。
「良かった。此処に居たんだね、もう大丈夫だよ――……」
そう言って、手を伸ばしてその頭を撫でる。
すると、その紫色の瞳は一瞬驚いたように見開かれた後、一度切なげに揺れて、すっと細められた。
「えーと、早夜? 寝ぼけてるのかな……? 僕としては、結構嬉しいけど……」
そう言われて、ボーとしていた頭が徐々に覚醒してくる。
「……あれ?」
周りを見渡して見れば、私はベッドの上に横たわっており、ここは自分の部屋だと分った。
さらに、ベッドの両サイドから見下ろしているのは、シェルさんとリカルドさんだった。
(何か不機嫌そうに見えるのは、気のせいかな……?)
そして、目の前を改めて見てみれば、苦笑するリジャイさんの顔があって、私はその頭に手を置いている。
「ふわぁ! ご、ごめんなさいっ!」
私は慌てて手を離し、起き上がろうとした。
けれど、身体がだるく、直ぐにベッドに崩れ落ちてしまう。
「こらっ、サヤ! 起きんじゃねぇ!」
「そうだ。お前はまだ、熱があるんだぞ!」
リカルドさんとシェルさんが、怒ったように言う。
「そうそう、君の熱、結構高いんだから」
リジャイさんにもそう注意され、私はひどく心が落ち込むのを感じた。
「ご、ごめんなさい……」
そういった途端、私の目からはポロッと涙が零れ落ちた。熱のせいで、涙腺がおかしくなっているのかも知れない。一度こぼれると、後から後から流れ出てくる。
3人とも、びっくりしていた。
「なっ、何で泣くんだよ!? 俺は別に怒ってねーから……」
「私もちょっと、きつく言ってしまったかもしれないな……。すまなかった、サヤ」
戸惑うようにそんな事を言う2人に、私はますます申し訳なくて、泣けてきた。
「ふえーん、ち、ちがっ、これ、は――」
そして、脳裏に浮かぶのは夢の中の光景。今しがた見たものではなく、その前の夢――。
あの夢はとても幸せで、それを思うと、嬉しいのか悲しいのか分らなくなった。
「――お父さん――」
知らず知らずのうちにそう呟いていた。
はっと3人が息を呑むのが聞こえたけれど、そんなの今は気にならなかった。
あの人がお父さん……。
リュウキさん、本当に私のお兄さんだったんだ……。
それに、あの少年がもう一人の私のお兄さん……?
そして――。
「ごめんね、早夜」
その時、リジャイさんが謝ってきて、私は現実に戻された。
「な、んで……あやまるん、ですか……?」
嗚咽混じりにそう聞くと、リジャイさんはすまなそうに言った。
「実は夢を見せたのは僕なんだ……。君の記憶を探って、過去に何があったのか知ろうとしたんだけど、それが早夜を悲しませてしまったね……」
その言葉を聞いて、私は首を振った。
「そんな……謝らないで下さい。確かに悲しいけど、嬉しいんです……。私にもちゃんとあったんですね、温かい家族――」
そう思ったら、また泣けてきて、感情が溢れ出すように涙も止め処なく流れる。
頭はさらにボーとして、胸も苦しい。
だけど、これだけは伝えたくて、リジャイさんの服の裾を掴み言葉にした。
「あり、がとう、ございます……。リジャイさん、ありがとう……」
そして無理して笑ったけど、多分ひどい顔をしてるだろうなと思っていると、リジャイさんは、ハーと溜息を付いた。
「……まったく、君って子は……何処まで――……」
そう呟く彼は、何だか泣きそうに見えた。
そして苦笑いをすると、私を見て言った。
「でも、そろそろ泣き止んでね。ますます熱が上がっちゃうよ?」
そんな事を言われても、涙なんてどうやって止められるのだろう……。自然にポロポロ出てくるし、と思っていると、何か思いついたようにリジャイさんは頷いて言った。
「うん、分った。じゃあ、早夜が泣き止むまで、此処に居る3人で早夜にチューしまーす!」
「うえぇぇっ!!」
「おいっ!」
リカルドさんの驚きの声と、シェルさんの怒気を含んだ声が頭の中に響く。
私もリジャイさんの言葉に驚き、気が付けば涙は止まっていた。
「あはは、止まったねー。ちょっと残念? じゃあ早夜、これから君の熱を取り除いてあげるね」
そう言うと、私の額に手を置き、反対の手で私の手を握る。
そして、リジャイさんが額の目を見開かせると、私にはそこから魔力があふれ出すのが見えた。すると、私の中から、熱とダルさが吸い取られるような感覚がある。
でも何か不自然のような気がして、意識を集中させようとした時、彼が声を掛けてきた。
「ねぇ早夜、一つだけ聞いて良い?」
私は返事をする代わりに、彼を見た。
「夢の中で……家族の夢の後で、君は何か見た?」
そう聞いてくる彼の表情は、何処か不安げで、あの夢の中の子供とだぶって見えた。
(ああそうか……あれはリジャイさん――……)
そう確信すると共に、私は彼を安心させる為に微笑んでいた。
「……迷子の子供が居ました」
「まいご……?」
「はい、だって……泣いていたんです。すごく心細そうに……だから迷子です……。私はその子を連れ出そうとしました。あんな所じゃ、迷子になって当然です……」
私がそう言うと、何処か釈然としないながらも、何処かホッとしたようだった。
あの、血だらけの部屋の事は伏せようと思った。
でも、迷子と思ったのは本当……。あんな場所に居たら、心が迷子になってしまうと、何となくそう思ったのだ……。
リジャイさんは微笑むと、私に寝るように言った。
「体力は奪われているから、今はぐっすりと眠った方が良い。でないと、いくら僕が治しても、またぶり返しちゃうからね」
彼のその言葉に、私は頷くとそのまま目を瞑った。そうすると、泣いた事による疲労も手伝って、私はそのまま、まどろみの中へと沈んでいった。
早夜が眠りに付いた事を確認したリジャイは、目を細めると術に集中する。すると、大分早夜の顔色は良くなり、苦しそうだった呼吸も整ったものへと変わっていった。
その様子を見て、リカルドもシェルも、ホッとしたように微笑む。
「……それにしても、あの、サヤの記憶の中に出てきた仮面の男は、何者なのだろう……?」
ふとシェルが呟くと、その言葉にリカルドも頷いた。
「そうだよな……サヤが拒絶したってことは、たぶんあいつが原因なんだろう?」
「ああ、恐らく……。それに、あの中に出てきたリュウキの年齢から言っても、此方に来た時とぴったり合いそうだ……」
2人がそのように考えをまとめていると、リジャイが口を挟んできた。
「でも、結局の所は何も分らずじまいだよね。後は、早夜のお友達が彼女のお母さんに話を聞いてくる事を待つしかないか。何処まで話してくれるのかは分らないけど……リュウキに聞くにしても、彼も幼かったみたいだし、何処まで覚えてるのかも怪しいしね……」
リジャイのその言葉に、シェルはハーと溜息を付く。
「私達も、サヤの母に会えればよいのだがな……」
「母親ってアレだろ? あの白髪の……」
「ああ、よく似ていたな」
「まんま、大人にした感じだったよな。色が違うだけで……」
白髪の紅い瞳の女性を思い浮かべる2人。その中でリジャイは、黙って話を聞いていた。
彼には分っていた。
早夜にとっての母親は、もう一人の女性だという事を……。
映像を見ただけの彼らと違って、此方は深く意識が繋がっていた為、彼女の思考も捉えていた。
拒絶されてからは、まったく感じなくなってしまったが……。
リジャイは、早夜の顔を見つめる。
夢の中の彼女は、白髪の女性を見て、確かに思っていた。この人物が、本当の母親なのだと。
その時、感じ取った彼女の感情は、驚き、喜び、そして悲しみ、寂しさ。
早夜の額に置いた手で、クシャリと頭を撫でてやる。
術はもう、終わっていた。
しかし、離れがたく、この手を離す事ができない。
握っている彼女の手を、口元まで持ってくると、その甲に口付けた。そして、チラッとリカルド達を見る。彼らはまだ、早夜の記憶の映像についての話で忙しそうだ。
(さて、いつ気付くかな……?)
そう思い、にやりと笑うと、リジャイはそのまま頭を下げ、早夜の唇に自分の唇を押し付けた。
最初は、感触を楽しむように、そして徐々に深くしてゆく。
「あの服装からいって、結構身分は高くないか?」
「そうだよな、あれは多分父親なんだろうけど……何か、偉そうな雰囲気だったよな……」
リカルドがそう言って、何気無く視線を移した時、信じられないものを見た。
一瞬、頭の中が真っ白になり、徐々に理解していくと共に、頭に血が上ってゆくのを感じる。
「……? リカルド?」
突然黙り込んだリカルドを、訝しむシェル。そして、その視線を追ったシェルもまた、目を見張った。
「なっ!? 何を――」
シェルがそう言いかけると同時に、リカルドはリジャイに向かって行った。そして肩を掴むと、強引に引き剥がす。
その場に尻餅をついたリジャイは、リカルドを見上げるとニッと笑った。
「あはは、やっと気付いた。あんまり遅いから、舌まで入れちゃったよ」
ブチッと何かが切れるのを感じたリカルドは、リジャイの胸倉を掴むと、その頬に拳を振るっていた。
「っつ――!」
頬を押さえ、涙目になるリジャイ。
「うぅー、いったー……」
「これで済むとは、思ってねーよな……」
冷たい瞳でリジャイを見下ろすリカルド。
「自業自得だな……」
シェルもまた、リジャイを冷たく見やって、懐からハンカチを取り出すと、早夜の元へと行き、その口を丁寧に拭いてやる。
(自分もしておいて何だが、他の奴がするのを見て、こんなにも腹立たしいとはっ……)
思わず拭いてやっている手に力が入ってしまい、早夜がウゥーンと唸った。
ハッとして手を離すと、溜息を付き、早夜の顔を見る。眉根を寄せてはいたが、起きる事は無く、また安らかな寝息を立て始める。
そんな無邪気な寝顔を見て、何だか少々、憎らしく思えてくるシェルだった。
「あはは、寝顔があんまり可愛いからついー」
「つい、じゃねえ! てめぇ、俺の目の前で3回も――」
「目の前じゃなかったらいいの?」
「いい訳ねーだろっ!」
リカルドは、拳を震わせ怒鳴る。
つい数時間前だ。
自分は早夜を好きだと気付いて、驚くほど暖かく、穏やかな気持ちになれたというのに――……。
(全部こいつのせいだ……)
倒れそうになる早夜をこの男が抱きとめた時も、この男の言葉で早夜が穏やかな表情になった時も、目覚めた早夜がこの男に微笑みかけ頭を撫でた時も、そして、今のキス――……。
胸の奥で、ドロドロとしたものが溢れ出してくる。
そう、これが嫉妬なのだと確信する。
(サヤもサヤだ、こいつの前ではもっと警戒持てよっ!)
寝ている早夜に対して、無茶な事を思うリカルドであった。
「あー、そんな怖い顔しないでさー。まぁ、熱に浮かされてやったんだと、多めに見てくんない?」
「あぁ? 何でお前の方が、熱に浮かされんだよ!」
胸倉を掴んで、グイッと締め上げる。
「ううっ、くるしっ……。熱をきれいさっぱり取り除いた後、その熱は一体何処に行くんだと思う?」
「は? お前、治したんじゃねーのかよ!?」
「熱は治せないよー。傷だったら、その人の治癒力を高めてあげればいいんだけど、熱って体の中の悪いものを出そうとする一種の治癒力だから、それに掛ける治癒魔法は無いんだよねー」
訳が分らずリカルドは眉を顰める。
その時、シェルは言った。
「ではお前は、それをそのまま自分にうつしたと言いたいのか?」
「そう、そのとーり」
へらっと笑って言うリジャイを見て、リカルドは手を離した。
解放されたリジャイは、少々咳き込みながらゆっくりと立ち上がり、ダルそうに近くの壁に寄りかかるとチラッと早夜を見た。
「もー早夜ってば、我慢強すぎだって、けっこーきつい――……」
そう言う彼は、本当に辛そうで、呼吸も荒くなっている。
そして、呆然としているリカルドを見た。
「どうしたの? もう殴る気失せた?」
リジャイがそう聞くと、リカルドはギリッと悔しそうに横を向く。
そんな彼の様子を見て、リジャイは苦笑すると今度はシェルを見た。
「じゃあ僕、本当にきついから、帰って寝るね? 後の事はよろしく。あ、ぶり返さない様に、早夜にはちゃんと休ませたげてね。それと――……」
リジャイは人差し指を口に当て言った。
「早夜には内緒ね」
そして、魔法陣を出現させると、この場を去っていった。
リカルドは、リジャイの去った場所を睨みながら、悔しげに呟く。
「何かすっげー負けた気分……」
そんなリカルドを、呆れたように見つめながらシェルが言った。
「何が負けただ。あいつが何をしたにしろ、サヤに口付けた理由にはならないだろう? もう一発くらい殴ってやればよかったんだ……。と言うか殴れ、あばらの2、3本は折ってやれ――……」
そう低く呟く、シェルの目は据わっていた。
その様子に、思わず数歩後ず去ってしまうリカルド。
「な、何か怒ってねーか? シェル兄貴……」
いつもは冷静なシェルから、何やら黒いものを感じ、冷や汗をたらす。
「ははは、何がだ? リカルド」
にっこりと笑うシェル。しかし、その目はちっとも笑ってはいない。
(こ、こえーって兄貴……。怒ってる……これってぜってー怒ってるって!)
そう、心の中で叫ぶリカルドであった。
〜日本・一時帰宅その後 其の十〜
「はーなちゃん♪」
マリアが、翔太郎を連れ立って、ニコニコと花ちゃんを見ている。
その横には、やはり此方もニコニコ顔の、蓮実と茜夫妻が居た。
「何デツカ?」
小首を傾げて花ちゃんが聞くと、翔太郎が花ちゃんの前に、ドデンと何か袋を置いた。
「これはねー、この前CMでながれてた肥料だよー! 私と翔さんからのプレゼント!」
そう言われて見てみれば、確かにあのテレビで見た肥料であった。
「ヒャ〜〜! スゴイノデツ!」
両手をホッペに当て、目を輝かせる花ちゃん。
「そして、これは私達から」
そう言って、茜もまた、何やら花ちゃんの前に置く。
それは『花ちゃん専用!』と書かれた鉢で、丁度、花ちゃんがすっぽり入れる程の大きさであった。
早速、その中に肥料を入れると、「どうぞ♪」と言って、花ちゃんに差し出す。
「キャ〜〜!! 素敵ナノデツ! デハ、オ言葉ニ甘エルノデツ!」
そうして「よいしょ、よいしょ」と言って、鉢をよじ登り、またぎ、そしてお尻をクイッ、クイッと振ると、半身を埋めた。
すると、花ちゃんは頬を染め、うっとりとした顔で、鉢のふちに顎を乗せる。
「フィ〜、極楽、極楽ナノデツ〜」
「ほ、本当に、お風呂感覚なんだっ!」
皆、笑いを堪えるのに必死であった。
=今回の内容=
リジャイ、彼がキスをしたのは、離れがたい事も理由の一つですが、熱で起き上がれなかったせいもあります。 彼らに見せつけて、無理やり離して貰おうという訳です。
だったら他にも方法はあったんじゃね?という人もありましょうが、そこはリジャイですから。 彼って他人を怒らす事が趣味みたいなもんですからね……。

(日一回)
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