『 熱い熱い砂漠の国 《クラジバール》
彼の国は砂漠のオアシス
オアシスは旅人の渇きを潤す
だが、渇きを潤す為のそのオアシスは
獲物を誘き寄せる為の罠
一度その罠に囚われれば
逃げる事など叶わない 』
「確か、此方の方だったな……」
そう呟き手をかざす。見渡す限りの砂、そしてじりじりと暑い太陽。
急がなくては干からびてしまうと考え、男は目的の場所へと急ぐ。
男は砂よけのマントを被っている。頭まで覆うタイプのものだ。
そこから覗く瞳の色は、金色だった。
その他は確認できない。
「いた……」
そう呟くと、そちらへ走り出す。
黒い髪の男性が倒れていた。
その鎧は、アルフォレシアの物だろう。
見ると、脱水症状と熱射病になっているようだ。
「フム」と頷くと、懐から札を取り出す。
自らの額に当て、気を込めると、札は淡く輝きだした。
そして、それを倒れている男に貼り付ける。
すると、札の光が男に吸い取られるように消えて行き、それと同時に男の顔色も良くなっていった。
「よしっ」
男は満足げに頷くと、もう一枚別の札を取り出す。
だが、その札に気を込めようとした時だった。
「だめだよ。彼はこのままクラジバールへと運ぶ」
不意に声をかけられ、金目の男は振り返る。
「キサマ……何故ここに……」
そこには、金目の男と同じように、砂よけのマントを被った男が立っている。
「何故って、僕も彼が来た時、魔力を感知したんだよ。あれ程の魔力だもの、気付かない方がおかしいよ」
「そうか……迂闊であった……」
チッと舌打ちする。
「まぁ、君程の感知能力を持った人間なんて、この国……いやこの世界には存在しないけどさ……。でも今回は、あの魔学者殿の発明した感知装置に引っかかっちゃったんだよ。
それでさ、城の中は大騒ぎで『敵だ、敵が攻めてきたんだー』とか『いや、異界の者が迷い込んで来たに違いない』とかってさ。
そこで、僕に様子を見て来いって命令されてさ、ここに来たんだ」
「では、異界人だと伝えるのだ。こやつは、我の屋敷へと運ぶ」
「えー!? でもこの人、アルフォレシアの鎧着てるよ。それに、この黒髪って……例の“魔眼使い”じゃないの?」
「こやつが何者でも、だ。我はこやつを助ける」
「……うーん……ま、いっか。分かったよ、城の人間には彼は異界人だって報告するよ」
「……すまぬのだ……」
「でも、その鎧は捨てなきゃね、アルフォレシアの人ってバレちゃうよ」
「わかった」
「フフ、じゃあ、これは貸しにしといてあげるよ。後でちゃんと徴収するからね」
「うう……キサマの貸しは怖すぎる……」
「あはは、まー覚悟しててよ」
「では、我は彼をは運ぶとしよう」
「じゃあ、僕がついでに一緒に運んであげるー。あ、これはサービスだから安心してね? ロイロイ」
「っ!! ロイロイゆーな!!」
そして、彼らの周りに魔法陣が現われ、彼らは何処かへと消えていった。
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