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《第二章》
~砂漠の国クラジバール~
『 熱い熱い砂漠の国 《クラジバール》

  ()の国は砂漠のオアシス

  オアシスは旅人の渇きを潤す

  だが、渇きを潤す為のそのオアシスは

  獲物を誘き寄せる為の罠

  一度(ひとたび)その罠に囚われれば

  逃げる事など叶わない 』


 




「確か、此方の方だったな……」

 そう呟き手をかざす。見渡す限りの砂、そしてじりじりと暑い太陽。
 急がなくては干からびてしまうと考え、男は目的の場所へと急ぐ。

 男は砂よけのマントを被っている。頭まで覆うタイプのものだ。
 そこから覗く瞳の色は、金色だった。
 その他は確認できない。

「いた……」

 そう呟くと、そちらへ走り出す。

 黒い髪の男性が倒れていた。
 その鎧は、アルフォレシアの物だろう。
 見ると、脱水症状と熱射病になっているようだ。

 「フム」と頷くと、懐から札を取り出す。
 自らの額に当て、気を込めると、札は淡く輝きだした。
 そして、それを倒れている男に貼り付ける。
 すると、札の光が男に吸い取られるように消えて行き、それと同時に男の顔色も良くなっていった。

「よしっ」

 男は満足げに頷くと、もう一枚別の札を取り出す。

 だが、その札に気を込めようとした時だった。

「だめだよ。彼はこのままクラジバールへと運ぶ」

 不意に声をかけられ、金目の男は振り返る。

「キサマ……何故ここに……」

 そこには、金目の男と同じように、砂よけのマントを被った男が立っている。

「何故って、僕も彼が来た時、魔力を感知したんだよ。あれ程の魔力だもの、気付かない方がおかしいよ」

「そうか……迂闊であった……」

 チッと舌打ちする。

「まぁ、君程の感知能力を持った人間なんて、この国……いやこの世界には存在しないけどさ……。でも今回は、あの魔学者殿の発明した感知装置に引っかかっちゃったんだよ。 
 それでさ、城の中は大騒ぎで『敵だ、敵が攻めてきたんだー』とか『いや、異界の者が迷い込んで来たに違いない』とかってさ。
 そこで、僕に様子を見て来いって命令されてさ、ここに来たんだ」

「では、異界人だと伝えるのだ。こやつは、我の屋敷へと運ぶ」

「えー!? でもこの人、アルフォレシアの鎧着てるよ。それに、この黒髪って……例の“魔眼使い”じゃないの?」

「こやつが何者でも、だ。我はこやつを助ける」

「……うーん……ま、いっか。分かったよ、城の人間には彼は異界人だって報告するよ」

「……すまぬのだ……」

「でも、その鎧は捨てなきゃね、アルフォレシアの人ってバレちゃうよ」

「わかった」

「フフ、じゃあ、これは貸しにしといてあげるよ。後でちゃんと徴収するからね」

「うう……キサマの貸しは怖すぎる……」

「あはは、まー覚悟しててよ」

「では、我は彼をは運ぶとしよう」

「じゃあ、僕がついでに一緒に運んであげるー。あ、これはサービスだから安心してね? ロイロイ」

「っ!! ロイロイゆーな!!」

 そして、彼らの周りに魔法陣が現われ、彼らは何処(いずこ)かへと消えていった。


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夢の逢瀬 ←番外編です。


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