エピローグ
薄暗い地下室の中、スーツに身を飾った老人は錆び付いた滑車を眺めていた…老人はどこか満足気に薄ら笑いをしている。この老人は現在のサンタグロース、『キリア・サンタ・クロース』本人である。サンタは一息おき男に話しかけた。
「日本のジャーナリスト君、私の話はこれで終わりだ…私はフィンランド政府から守られているのさ…他に何か聞きたいことはあるかね?」
薄暗い地下室で悲しみの表情を浮かべる男…日本から来たジャーナリストと言う男…サンタはこの男の顔を覚えていない…男にとって幼児連続殺人事件などどうでもいい事だった…
ただひとつ、キリア・サンタ・クロースと言う老人を死ぬ前に一度でいいから見ておきたかったのだ、男はサンタに視線をおくりに話しかけた…
「サンタさん…私の顔に見覚えはありませんか?」
「は?……どういうことかね?」
「………」
男は黙った。自分の正体をサンタに告げるべきか、重い沈黙が2人の間に 流れる。数分すぎた後男は頭を下げ一言…
「ありがとうございました…」
男は一言つげると走るように屋敷を出た。サンタは後をおおうとしない。その場で立ち尽くし涙が止まらなかった…
キリア・サンタ・クロースは男が誰なのか理解してしまったからだ。薄暗い地下室の中、サンタは膝をつき震えている…
男の正体…
それは…
漆黒の地下室の中キリア・サンタ・クロースはただただ震えるしかなかったのだ。滑車の音だけがキィキィと虚しくなっていた… |