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似てる

『あ、遠藤さんでしょ?』『うん。さっきも言ったでしょ?しつこいよ。あたしの名前が何?』

『名前知りたかっただけ。』

『……は?悪用するつもり?辞めて。』

『じゃあね。悪用はしないから。』


意味分かんないよう。

誰か助けて…。

『あーや!』

『あ、紗織。聞い…』

『見てたよー。あれ、誰?友達?かっこいいね。紹介してよ!!』

『は?知らないもん、あんな奴。』

『知らないって、めっちゃ仲良かったじゃん。いいなぁ。』

『よくないから。あ、先生来た。』



いつも通り、ノートも取らずにボーっとしてた。


『遠藤さん、彼氏いたんだね?』

『え?』

後ろを振り向くと、クラスで1番目立つグループにいる彩乃だった。

『体育終わったあと、教室来てたっしょ?』

あいつが彼氏に見えていた事より、今だに

「さん」

付けだったのが悲しかった。


『あれ、知らない人なんだ。何言ってるか全然分かんなくてさ。』

『そーなんだ。変なの。』

『ねっ。』


やっぱ、こういう人苦手だ。話つづかない。すぐに前を向いた。


ボーっとしてたら、いつのまにか帰りの時間になっていた。

帰ろ。


『遠藤さん。』

肩を叩かれたので振り向いた。

『はい?……うわ。』

またあいつだよ。

『一緒に帰んない?』

『なんで?』

『冷たいね。』

『まぁ、帰るぐらいならいいよ。』

『やった!』

断っても、ダメそうだな。と思ったので、つい、いいよって言ってしまった。


校門を無言のまま抜けてった。

何で喋んないわけ?と疑問に思ったけど、やっと口を開いた。


『あのさ、遠藤さん。実は俺も、遠藤って言うんだよね。』

『へー。』

『何か同じ名前っていいよね。』

『同じ名字でしょ?名前一緒だったら、あんたキモいから。綾って男なんていないでしょ。』

『ふはっ、そうだね。』

『あんた変わってるね。』

『遠藤さんもね。でも、俺と遠藤さんって似てるんだよね。』

『何?どこが?』

『ねっ。』

『へ?意味分かんないよ。』

『俺こっちだから。じゃあね。』


………。

何が似てんだろ。


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