トンネル栽培キット~とある人口過密都市~
Chika:暇
-うむ
Chika:暇暇暇
-どっか行きたいね
-旅行とか旅行とか旅行とか
Chika:シーズンオフに
-同意
-人の多い場所うんざり
Chika:人がゴミのようだ
Chika:言ってみただけ
-(´ー`)
Chika:顔文字腹立つ(´・д・`)
-(・3・)
Chika:(=゜ω゜)(=゜ω゜)(=゜ω゜)
-暇をかみしめる
Chika:そういえば
Chika:トンネル栽培キットって知ってる?
-急に何
Chika:旅行の話で思い出した
Chika:トンネルを育てるキット
-なんか聞いたことあるかも
-異世界に繋がるやつ?
Chika:それ
-買ったの?
Chika:買ってはない
Chika:私も噂で聞いただけだが
Chika:最近多い失踪事件に そのキットが関わっているとか
-なにそれ怖い
Chika:異世界に行っちゃったらしいのですよ
Chika:行方不明になった人たちはね
Chika:この街に嫌気がさして
Chika:異世界旅行 つか 異世界移住?
Chika:それ目的でトンネル栽培キットを買ったとか
-都市伝説?
Chika:になるのかな
Chika:病んだ街が作り上げた現代の神隠し・・・
Chika:的な
-的な(・ω・` )
-病んだ街だったのか ここは・・・
-人口過密だから?
Chika:超過密だから
Chika:実際病むわ こんだけ人いると
-せやな
-学校の教室の人口密度たるや
Chika:全校集会の時の体育館の隙間の無さたるや
-休日のデパートとかやばい
Chika:繁華街は歩道も車道もやばい
Chika:家も狭い
-三人家族とかでも狭いんだよな
-面積が足りない
-人が増えすぎて どこにいても一人当たりの陣取れる面積がどんどん小さくなってってる
Chika:土地は有限だものなあ
Chika:人は際限なく増えていくが
-もう外から新しく人が移って来るの禁止になったけどな
Chika:それでも この街の人口増加はこの先もまだまだ止まらないらしい
Chika:出生率のデータとかから推測すると
-まじか・・・Σ(・∀・|||)
-あー そういや俺んとこももうすぐ産まれるんだった
Chika:だったね
-15、6も歳の離れたきょうだいとか 予想外すぎ
Chika:かわいいかもよ そんだけ離れてると
Chika:うちも同居中の姉夫婦の子が
Chika:そちらより三ヶ月遅れくらいで
-そうなのか!
Chika:めでたいんだけど
Chika:これ以上家が狭くなるのはなー(´・ω・`)
-ほんとそれ
-家にいても一人になれる場所がいよいよなくなる
Chika:かといって家の外に出ても
Chika:この街で一人になれる場所なんてないという
-うんうんうんうんうn
-それがほんと精神的にきつくて・・・
-家にいても外にいても
-起きてる時も寝てる時も
-とにかく四六時中周りに人がいるのって・・・
-もうほんときついわ
-ウワァァァァァァヽ(`Д´)ノァァァァァァン!って叫びたくなる!!!
Chika:今度いっしょに叫ぼうぜ
Chika:二人でカラオケとか行って
Chika:あ でも一人がいいのか
-そこは二人でやぶさかではない(`・ω・´)
Chika:(´∀`)
Chika:しかし ほんとなー
Chika:人口密度以外は文句のつけようがない素晴らしい街なんだけど
Chika:店いっぱいあるし遊び場多いし治安もいいし交通も便利すぎて・・・
-だからみんなこの街から出て行かないんだよな
-外から入ってくるばっかり
-で 人口は増える一方
-結果 ついに規制が
Chika:移住規制って思いきった措置だよね
Chika:それほどこの街の人口過密が深刻な状況にあるいうことか
Chika:でもまだ止まらない過密
-これ以上人口増えるの 正直勘弁してほしいんだけど
-そうはいっても生まれてくるもんはしょーがないしな・・・
-あー
-今この瞬間が 一人になれる最後の時かもしれない・・・
Chika:え
Chika:今一人なの?
-ほかの家族はみんな出払っちゃった めずらしく
-急遽 俺一人で留守番
Chika:あら偶然
Chika:私も今一人で留守番してる
-まじ?
-あー そんならチカの家行けばよかったかも
Chika:でも 通信機越しのほうがゆったり話せない?
Chika:どっちかの家で直接会ってたら いつ家族が帰ってくるか気になって落ちつけないじゃん
-いや でもそれはほら
-通信機越しではできないことも いろいろありますし?
-ごめんなさい
-チカさん怒らないで
Chika:それで トンネル栽培キットだけどさ
-華麗にスルーですかそうですか
Chika:人口過密都市の暮らしに疲れ果てたこの街の人々が 異世界へと旅立つためにキットを買い求めてるんだって
Chika:トンネルを人が通れる大きさにまで育てて 異世界への道を開くんだとさ
Chika:ロマンだね(*´ー`*)
Chika:ちょっと欲しいな 私も
Chika:意外と簡単に育てられるらしいし
Chika:筒と輪っかをお供えするだけなんだって
-ハァ?(゜д゜)
-どうしたいきなり
-お供えって
-何その唐突な会話の流れは
-トンネル栽培キットの話 まだ継続中?
Chika:継続中です
Chika:トンネル栽培キットのこと 君は詳しくは知らんのだな
-名前は聞いたことあるってレベルなんで・・・
-あとは 異世界に繋がるトンネルってことくらいしか知らんかった
-どういうものなの?
Chika:はいはいはい
Chika:ここ テストに出ますよー
Chika:トンネル栽培キットとは
Chika:大掛かりな工事等の必要なく、誰でも家庭で簡単にトンネルを育てることのできるキットである。キットの中にはトンネルの種およびトンネルの育て方の説明書が入っている。トンネルは、種を発芽させたのち、栄養を与えることで任意の大きさに成長させることができる。トンネルの栄養とは、輪っか状、あるいは筒状の物体に含まれる穴である。栄養を与えれば与えるほどトンネルは大きく成長する。ちなみに、トンネルに与える輪っか状、あるいは筒状の物体のことを、トンネル栽培用語では「お供え」と称する。また、トンネル栽培キットで育てたトンネルの大きな特徴としては、トンネルの向こうが異世界に繋がるということが挙げられる。それゆえ、「自家栽培のトンネルの向こうを覗いてその先にある異世界の様子を眺めて楽しむ」ことがトンネルを育てる醍醐味の最たるものであるが、トンネルを人間サイズにまで育て上げれば、無論そのトンネルを通って自身が異世界へ入り込むことも可能なのである。
-先生!テスト範囲は三行以内でお願いします!
Chika:トンネルに
Chika:大量の笛ラムネとうまい棒をお供えすれば
Chika:異世界への扉が開く
-(;゜Д゜)(゜Д゜;(゜Д゜;)ナ、ナンダッテー!!
-そう聞くとすげえ・・・トンネル栽培キットすげえ!
-でも なんで「お供え」なんだろう エサとか肥料とかじゃなくて
Chika:さあ それは知らん
Chika:何か理由ってか 由来があるのかな
-しかし 異世界かあ・・・( ・∀・)
-具体的にはどんなん?異世界って
Chika:それは 育てたトンネルの大きさによって変わってくるらしいよ
Chika:種によっても変わってくるらしい
-へえ それじゃあ
-トンネルで異世界に旅立ったって人たちは それぞれ違う異世界に行っちゃったのかなあ
-こっちの世界で行方不明になってる人らが 向こうでばったり出会ったりはしないのか
Chika:かもね
Chika:もしかしたら いくつかダブる異世界もあるのかもだけど
-異世界がダブるって なんかすごいな
-言葉の響きがなんかすごい
-ところで
-チカはトンネル栽培キット 買うつもりなの?どうなの?
Chika:どうしようかな
Chika:面白そうだとは思うんだけど
Chika:異世界に旅立ちたいとまで思うわけではないし
Chika:そもそも 人間が通れるサイズのトンネルを育てるスペースが 家にあるかなあ・・・
-あーそれは確かに
Chika:かといって
Chika:小さいトンネルから異世界を覗くだけってのも
Chika:それはそれで物足りないし
Chika:まあ たぶん買いはしないかな
-ほんとに?
Chika:ほんとだとも
-お姉さん夫婦の子ども生まれて 今よりもっと家が狭くなっても?
-もしいつか チカがトンネル育てて異世界に行くなら
-そのときは連絡よろしく
-そのときは 俺もトンネル栽培キット買わなきゃ
Chika:えっ?
-えっ?
-ああ そっか
-チカのトンネル 俺もいっしょに使やいーのか
-トンネルがそれぞれ別の異世界に繋がっちゃうなら
-自分で新たにトンネル購入しても意味ないな( ̄ω ̄;)
Chika:自力でそこに気づいてくれて何よりだ
Chika:本気でびっくりしたわ 一瞬
-セーフ!!_(゜▽゜*)_))((_(*゜▽゜)_セーフ!!
Chika:おう(*'-')b
Chika:あのさ
Chika:異世界移住の話は まあ都市伝説だけども
-うん
-どした?
Chika:私が異世界行くなら そのときは一緒に行くって
Chika:当たり前のように そういうつもりでいてくれてるのが
Chika:なんか 正直うれしいなあと思いました マル
-ヽ(´□`。)ノ・゜
-やばい
-もう 今すぐ会いたいんですけど
-明日会ったとき ぎゅーってしていいですか?
-いつもの待ち合わせ場所の近くに 滅多に人いないビルの隙間あるじゃん
-あそこでぎゅってしていい?
Chika:あのな
-はい
Chika:この会話のログ あとで絶対消しとけよ
-チカさん怖いです
Chika:このログ あとでちゃんと消しとくんだぞ(・ω<)☆
-了解なんだぞ(・ω<)☆
-俺だってこんなログ残しときたくないわ(゜д゜;)
-万一家族に見られたら死ぬ
-通信機これ 家族共用なんよ
Chika:ならばよし(●-`ω´-●)
Chika:じゃあ 明日の待ち合わせ場所は いつものとこの近くのビルの隙間ってことで
-(●´∀`*●)
Chika:あ!
-ん!?
-なに?
Chika:なんかチャイム鳴った
Chika:玄関 誰か来たみたい
Chika:ちょっと待ってて
-ほいほい
-まーだかなー
-ま!だ!か!な!
-♪~(゜ε゜( ) フンフンフーン♪
-マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
-madakanamadakana-
Chika:ごめん。お待たせ(^^)
-おかえりーヾ(。・ω・。)
-チャイム 誰だった?
Chika:さあ。
-?
-さあってなんだ
-誰だかわかんなかったの?
Chika:うん。
-何それ 不審者?
Chika:そうかな。
-えー大丈夫かよ
-今 まだ玄関の前にいるの?そいつ
Chika:ううん。もう行っちゃったみたい。
Chika:大丈夫だよ(^^)
-そう?怖くない?
-なんなら 俺今からそっち行くよ?
Chika:心配しないで(^^)
-ならいいけど・・・
-なんかあったら 遠慮なく頼ってよ―(`・ω <´)ノ
Chika:ありがとう(^^)
Chika:それよりさ。
Chika:トンネル栽培キットの話の続きなんだけど。
-ん?
-まだなんかあるの?
-もしかして やっぱり買うつもりになったとか・・・?
Chika:ううん、そうじゃなくて。
Chika:都市伝説のほう。
Chika:さっき、この人口過密都市に嫌気がさした街の人々が、異世界に繋がるトンネル利用して、この街から逃れて異世界に移住してる……って話をしてたよね。
Chika:その話とはまた別に、もう一つ、トンネル栽培キットにまつわる都市伝説があるのは、知ってる?
-いや・・・知らないけど
-んー・・・
-どんな噂?
Chika:えっとね。
Chika:そうだなあ。その噂の前に、まず……
Chika:トンネル栽培キットで育てたトンネルって、どうやったら塞げるか、君は知ってる?
-いや 知らないって
-全体的によく知らないんだってば その栽培キットについては
Chika:そっか。ごめんごめん(ーー)
-どうやったら塞げるかって
-土とかセメントとかで塞げないの?普通に
Chika:ああ、そういうのはね、トンネル栽培用語では「塞ぐ」じゃなくて「埋める」っていうんだよ。
Chika:そもそも、トンネル栽培キットのトンネルっていうのは「空間に開いた穴」なんだ。周りにはトンネルを形成する物体は何もなくて、ただ穴のみが存在しているっていう状態のもの。
Chika:だからね、トンネル栽培において「トンネルを塞ぐ」っていうのは、その穴を消滅させることを指すんだよ。
Chika:つまり、きれいに「無」にするの。トンネルを塞いだあとは、そこに何も残らないの。穴も、その穴から奥へ続いてる道も、何もかも、残らず全て消えちゃうの。
-へ・・・へえー・・・
-なんか ちょっと怖い気がする(;゜∀゜)
-チカさんの語り口がどことなく ややホラー気味なような(-ω-;)
Chika:そう?(^^)
-えーと それで
-トンネルを「塞ぐ」には 結局どうすればいいわけ?
Chika:うん。あのね。
Chika:トンネルを塞ぐ方法は、ただ一つ。
Chika:それは、トンネルに「生け贄」を与えること、なんだよ。
-おおう・・・
-生け贄 ときたか・・・
-やっぱホラーじゃん(≡Д≡;)
Chika:そうかもね(^^)
Chika:でも、これは栽培キットの説明書にも記載されてる、れっきとしたトンネルの取り扱い方法なんだ。
Chika:トンネル栽培キットで育てたトンネルを塞ぐには、生け贄が必要不可欠。
Chika:生け贄を与えることによって、トンネルは、生け贄ごと消滅する。
Chika:トンネルの穴も道も、生け贄と共に「無」になって、あとには何も残らない。
Chika:それ以外の方法では、どうやったって、けっしてトンネルを塞ぐことはできない。
Chika:ちなみに、トンネルの「お供え」には無生物を使うのが一般的だけれど、「生け贄」は必ず生物でなくてはいけないんだ。
Chika:藁人形とか紙人形とかでお茶を濁すことはできないんだよ。
-生物って・・・
Chika:虫とか、ネズミとかね。
-ああ なるほど
-そういう 小動物系ね
-それでもまあ 生け贄にされる生き物は かわいそうだけど・・・
Chika:そうだね(^^)
Chika:でもね。小動物でなんとかなるのは、育ったトンネルの大きさが、まだ小さいものである場合だけ。
Chika:必要な生け贄の大きさは、塞ぎたいトンネルの大きさに比例するんだ。
Chika:つまり、蟻サイズのトンネルなら、蟻を生け贄に。ネズミサイズのトンネルなら、ネズミを生け贄に……ってこと。
-へー
-じゃあ トンネルが大きくなればなるほど 塞ぐときに大変になるんだ
-育てたトンネル 塞ぎたいけど塞げなくて 困る人とかいそう
Chika:うん。そういう人は、実際けっこういるよ。
Chika:近頃は、大きくなりすぎたトンネルを塞げずに捨てる人が増えていて、そういった「捨てトンネル」が、全国的に社会問題になってるからね。
-そうなんだ・・・
-それにしても トンネル栽培用語って
-「お供え」とか「生け贄」とか なんか
-トンネルが まるで神様みたいだ
Chika:確かにね。
Chika:トンネル栽培キットのトンネルは、この世界と異界をつなぐ道なわけでさ。
Chika:異界への道を開いて、二つの世界を繋ぐ。そういう力を持つものって、一種の神様と言えるのかもしれないよ。
Chika:人為的に作り出した神様だ。
Chika:それは、「お供え」によって力を増幅し、「生け贄」によってその力を封じることができる。
-なるほどー
-・・・って 納得できるような やっぱりよくわからんような(;・∀・)
-えっと・・・・・ちなみにですよ?
-それってさ・・・・
-もし塞ぎたいトンネルが 人間サイズのやつってことになったら・・・・
Chika:もちろんそのときは、人間か、もしくは人間と同じくらいの大きさの動物を、生け贄にする必要があるわけだ。
-ひいいぃぃぃ・・・((( ゜д゜ ;)))
-こえー
-あー でも
-そっか 絶対人間でなくても 人間と同じサイズの動物なら可・・・なのね
-その不運な動物には悪いけど (´▽`) ホッ
Chika:さあて。はたして、そこでホッとしてる場合かな?
-・・・と いいますと?(・_・;)
Chika:異世界移住説とはまた別の、トンネル栽培キットにまつわる、もう一つの都市伝説。
Chika:そういう話をしてたよね。
Chika:ここからが、その話の本題。
-(;゜д゜)ゴクリ…
Chika:君も嫌というほど知っているだろうけど、
Chika:この街は現在、国内で飛び抜けて人口密度の高い、超人口過密都市だ。
Chika:その人口過密による、住民一人当たりの生活スペースの減少は、年々深刻さを増し続けている。
Chika:そんなこの街が、
Chika:よその地区で廃棄されたトンネルを、わざわざ引き取って処分してるって、知ってた?
Chika:ねえ、なんのためだと思う?
Chika:この街が、よそで持て余してる捨てトンネルを集めて、ここで処分してるのって。
-むむ・・・(・_・;)
-なんとなく 話が見えてきたぞ・・・
Chika:そう?
Chika:それじゃ、もう結論を言っちゃうけど。
Chika:この街の自治体は、廃棄されたトンネルを「間引き」に利用してる。
Chika:この街に存在する大小様々なコミュニティに対して、秘密裏に「要らない人間」を調査してね。
Chika:その人物をトンネルの生け贄にして、トンネルといっしょに処分してるんだ。
Chika:二つの廃棄物を同時に始末できる、一石二鳥の方法ってわけだね。
Chika:そうやって、この街はひそかに粛々と「人減らし」を進めてる。
Chika:「不要人物のリスト」というのが、すでにもう出来上がっていてね。役人が、そのリストに登録された人間のもとを順次訪れて、その人間をさらっていくんだ。トンネルと「要らない人間」をいっしょに処分するために作られた、この街のどこかにある、特殊廃棄物処理場へとね……。
-ヒィィ((ll゜゜Д゜゜ll))ィィ!!!
-こええ・・・マジこええ・・・
Chika:怖いよね(^^)
Chika:ねえ。もし、この噂が本当なら。
Chika:君は、人ごとじゃないんじゃない?
-な なんですと?Σ(゜Д゜;)
Chika:だって、君、出来の悪い子供だから。
Chika:成績も良くないし、見栄えのする容姿なわけでもないし、その他のことだって、これといった取り柄があるわけでもない。
Chika:ご両親にとって、君という子供が成功作か失敗作かといったら、失敗作の部類に入るでしょう?
Chika:加えて、君のところにはもうすぐ次の子供が生まれる。
Chika:ただでさえ狭い家に、子供は二人もいらないよね。
Chika:君と、これから生まれてくる君のきょうだいと、
Chika:どちらか一人だけ残すとなったら、すでに伸びしろの知れてる、15年以上育てた現時点でなんの取り柄も得られなかった君よりも、
Chika:これからの育て方次第で将来性を期待できる、第二子のほうを、ご両親は選ぶんじゃないかな。
-( ゜д゜)ポカーン
-ちょ・・・・・いくらなんでも・・・
-えっと
-ケンカ売ってるのかな?かな?(#^ω^)ビキビキ
Chika:本当のことを言ったまでだよ(^^)
-えー
-ちょっと 勘弁して・・・リアクションに困るわこんなん・・・
-あのー チカさん
-もしかして なんかものっそい怒ってらっしゃる?(;・∀・)
Chika:そんなんじゃないって。
Chika:ただ、本当のことを言ってるだけ(^^)
-はあ そっすか・・・
-いやーしかし それを言うならですよ?
-チカさんだって 学校の成績のほうはそんなよろしくなかったというか
-確か 俺とトントンくらいじゃありませんでしたっけ?(;^ω^)
-それに そっちだって
-もうすぐお姉さんの夫婦の子供 生まれるって言ってたじゃん
-俺んとこと同じく 家狭くなるじゃん
-あとこう言っちゃなんだけど
-そっちのお姉さんめっちゃいい大学出て 旦那さんとそろっていいとこ勤めてるじゃん
-親にとって 子供のスペックうんぬんで成功とか失敗とかいうならさー
-俺が 不用人物リスト?とかいうのに載るの心配しなきゃなんないなら
-チカさん自身はどうなんすかね え?おいヾ(-ω-;)
Chika:そうだね(^^)
Chika:君の言うとおり、こっちも人ごとじゃないんだ(ーー)
-あ はい・・・
-なんか今日 チカさん怖いよ
-今日っていうか さっきから
-シンプルな顔文字とか 地味に怖いよ
Chika:そう?(^^)
Chika:どうして?(ーー)
-うん なんかそれ
-なんていうか
-急に 手打ちで顔文字入力し始めた感 っていうか・・・
-あと 口調っていうか文体になんか違和感・・・・
-さっきからずっと思ってたんだけど
-なんか いつものチカさんらしくなくね?
Chika:気のせいじゃない?(^^)
-そうかな・・・
Chika:考えすぎだよ(ーー)
-でも・・・・
-えーと
-率直に聞いていい?
-あなた 本当にチカさんですか?
Chika:(^^)
-真面目に答えて
Chika:(ーー)
-ふざけるな
-おまえ誰なんだ
-チカはそこにいるの?
-答えろ
-なんとか言え!
-今からそっちに行ってやろうか?
-それとも
Chika:今、何時かな。
Chika:そろそろ8時か。
Chika:予定の時刻だな。
Chika:それじゃあ、
Chika:チカさんには、もうじき会えるよ(^^)
-そr
-今玄関チャイム
-なんだypどうなってほんとにあのとしでんせt5う
-なーんちゃって
-こっちも時間通り着いたよ
-んじゃ 引き上げます
Chika:お疲れ。
Chika:この会話のログは、ちゃんと消去しておくからね(^^)
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