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THE WORLD 作者:SEASONS

4月16日

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校舎の雰囲気

《サイド:美袋翔子》

何だかんだでもう夕方なのね~。

ようやくたどり着いたマールグリナの町並みを観察してみる。

そうして周囲を眺めていたら何気なく時計が視界に入ったわ。

どうやらもう午後6時を過ぎてるみたいね。

つまりほぼ12時間かけてマールグリナに到着したということよ。

ここに来るまでは全力疾走だったけれど。

さすがに町の中ではゆっくり進んでるわ。

沢山の人達がいるから安全を考慮して速度を落として進んでいるのよ。

それでもマールグリナに入ってから10分ほど町の中を走った馬車は目的の医術学園にたどり着いたみたい。

「うわ~」

なんかこう、神聖な雰囲気があるわね~。

さすがに医療を学ぶための学園だけあって何よりも清潔感が感じられるのよ。

何て言うか学校っていう感じじゃないわね。

これは…う~ん。

なんて言うのかな?

校門の先にはもちろん校舎があるんだけど。

ジェノス魔導学園の城塞のような建物じゃなくて限界まで大きくした教会っていう感じ?

中がどうなってるのかは入ってみないと分からないけど。

見た目だけで言うなら神殿っていう感じかな?

「校舎って学園ごとに違うのね~。大小の差はあっても大体同じようなものだと思ってたわ」

そんなふうに素直な気持ちを話してみると沙織は苦笑気味に笑ってた。

「ふふっ。そうね。私も実際にここに来たのは今日が初めてだから偉そうなことは言えないけれど、学園ごとの特色のようなものがあって、校舎の雰囲気はそれぞれに違うそうよ」

へ~。

そうなんだ?

「でも、グランバニアは似たような感じだったわよね?」

魔術大会のついでにグランバニア魔導学園を見に行ったことがあるけど。

校舎の雰囲気はジェノスとほとんど同じだったはずよ。

「それは学園の方針が同じだからよ」

「ん?どういうこと?」

「ジェノスもグランバニアも『魔導学園』でしょ?でも、マールグリナは『医療学園』だから、学園の方針が異なるのよ」

あ~、そっか。

「そういうことなのね~」

「ええ。だから、カリーナ『女学園』もヴァルセム『精霊学園』もデルベスタ『多国籍学園』も、それぞれ独自の校舎があるらしいわ」

ふ~ん。

「そうなんだ?」

「あくまでも話で聞いただけだから実際にどういう校舎なのかは私も見たことがないけれど。ジェノスと同じような校舎を建てているのはグランバニアだけじゃないかしら?確か、エスティア『魔術学園』は校舎そのものが図書館のような建物だって聞いたことがあるわ」

うわ~。

「色々あるのね~」

「ええ、そうね。機会があれば一通り見てみたい気がするわね」

あ~、確かに。

「結構面白そうかも?」

「ふふっ。それじゃあ、戦争が終わって無事に帰って来れたら一緒に見に行きましょう」

「うん!」

沙織と約束を交わしたわ。

まあ、生きて帰って来れるかどうかはまだ分からないけど。

観光目的の旅なら大歓迎よね。

今までグランバニア以外の町には行ったことがないけど、
沙織と一緒ならどこに行っても楽しめると思うからよ。

だから少し気が早いとは思うけれど、
旅行の約束をして将来の楽しみを増やしたの。

ちょっとしたことだけど、目的があったほうが頑張れるわよね。

「約束よ~」

「ええ、約束ね」

お互いに微笑みあって指切りをする。

そんなふうに仲良く話をしていると、
ようやく理事長が馬車を止めてくれたわ。
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