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THE WORLD 作者:SEASONS

4月15日

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警告と制裁

開かれた扉の先には、
10名ほどの人物が待機しているようだった。

室内へと歩みを進めると、
待機していた10名の視線が俺達に集まり始める。

あまり友好的な雰囲気ではなさそうだ。

誰もが俺を値踏みするかのように眺めているのが分かる。

「それでは一通りの紹介をしますね」

話を切り出した徹が進行を務めるようだな。

「まず最初に…」

徹は俺に視線を向けてから待機していた10名に対して説明を始めた。

「彼が琴平学園長から依頼のあった護衛対象の天城総魔さんです。と、同時に今回の作戦は彼の指揮によって行われます」

徹の説明によって、待機していた10名の視線が再び俺に集中する。

だが、あまり好意的には見えないままだ。

若干、数名は協力的に見えるが、
大多数はあまり友好的に見えない。

「こんな子供に何が出来るんだ?」

誰かが不満を呟いていた。

その言葉に続いて次々と疑問の声が沸き起こる。

「部隊の指揮なんて出来るのか?」

「こっちは命をかけてるんだぞ?なぜ琴平は来ない!?」

どうやら不満があるようだな。

仮にここに琴平がいたとして、
琴平自身が指揮を執ると言ったとしても不満がなくなるようには見えないのだが。

見ず知らずの俺に命を預ける覚悟がないのは一目瞭然だった。

これでは連れて行くだけ邪魔に思える。

いない方がマシだろう。

そう判断して、自由にさせることにした。

「不満があるのなら今すぐ帰れ。死ぬのが怖ければ、参加しなくていい」

「なんだとぉっ!!!」

怒りをあらわにした男がつかみ掛かってくる。

「意気がるなよ、小僧っ!!!」

憎しみを込めて怒鳴り散らす男だが、
この程度の威圧で怯えるほど生易しい人生を過ごしてきた覚えはない。

「邪魔だ。離れろ」

男の手を掴んで力を解放する。

その瞬間に激しい激突音が部屋中に響いた。

「が…はっ!?」

何が起きたのか、男は理解できなかったようだな。

衝撃波によって部屋の壁にたたき付けられた男は、
そのまま気を失って倒れ込んでいる。

そして訪れる一瞬の静寂。

俺の制裁によって室内は静寂に満たされていた。

この程度なのだろうか?

命をかけているという割には、意志が弱いように思える。

これでは護衛として役に立つとは思えない。

驚きの表情を浮かべる残り9人を見つめて、改めて宣告することにした。

「命をかける覚悟のある者だけが参加すればいい。死を恐れるのなら立ち去ることを勧める」

俺の発言によって逃げる者はいなかったが、俺を睨みつける者は増えていた。

「調子に乗りやがって…!」

別の男が掴みかかってくる。

抵抗の意思を見せる男に対して、
今度は右手を突き出してから問いかけてみる。

「今ここで死ぬか?」

「死ぬのはてめぇだ!!!」

全力で殴り掛かってくるが、
こんなところで殴り合うつもりはさらさらない。

俺の邪魔をするなら排除するまでだ。

「吹き飛べ…」

生まれる突風。

魔術の風が男の体をあっさりと飲み込む。

その次の瞬間に。

『バリィィィィンンッ!!!!!』と部屋の窓ガラスを突き破って、
男は部屋の外へと吹き飛んでいった。

「が…あぁぁっ!!!!」

窓の外に放り出され、
突き刺さるガラス片で全身血まみれになって転がる男によって地面が血を吸って黒ずんでいく。

「うわっ。これはまずいですね…」

徹が慌てて男に駆け出そうとしたが、
今はその行動を引き止めておくにする。

「やめておけ」

「なっ!?」

戸惑う徹に警告を続ける。

「これから向かうのは命をかけた戦場だ。足手まといは必要ない」

「いや、しかし…」

「死にはしない。加減はしてある」

それにこれは見せしめだ。

いちいち手当てをしていては時間と労力の無駄でしかない。

「放っておいても問題ない」

栗原徹に指示を出してから残る8人に視線を向ける。

「もう一度言う。死を恐れるなら立ち去ることだ」

3度目の警告によって…

「ちっ!」

「くそっ!」

「やってられるか!!」

「勝手にしやがれ!」

「お前が死ね!」

それぞれに悪態をつきながら5人の男が逃げ出した。

残ったのは3人だ。

男が一人と女が一人。

そして少女が一人だ。

「…くっ…うぁぁ…」

「………。」

外でうめき声をあげる男に時折視線を向けながらも、
徹は俺の指示にしたがって自己紹介を再開することにしたようだ。

苦痛の声に聞こえないふりをして、残る3人の人物の紹介を始めた。
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