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THE WORLD 作者:SEASONS

4月15日

730/4820

栗原徹

すでに日が沈んでいる時間なのではっきりと全貌が見えるわけではないものの。

ジェノス魔導学園と比べれば半分にも満たない規模の学園だろう。

校舎の大きさ自体も4階建て程度だ。

それほど大きくはない。

だがそれでも、学園の存在感は決して小さくはないように思える。

堂々とそびえ立つ校舎と広大な敷地。

ここも立派な学園である事に間違いはないからだ。

「ひとまず中に入るか」

月明かりだけが照らし出す暗闇の中で学園に接近してみると、
一人の青年が校門の前に立っているのが見えた。

そして青年も俺の姿に気付いたのか、
学園に入ろうとする俺に話しかけてきた。

「天城総魔さんですね?」

足を止めて頷く。

「ああ、そうだ」

「学園長からのお話は聞いています。中にご案内しますのでこちらへどうぞ」

先行して歩き出す青年のあとを追って俺も歩きだす。

そして校舎へと歩みを進める途中で、青年から自己紹介をしてきた。

「順序が逆になってしまいましたが、一応自己紹介をしておきますね。僕の名前は『栗原徹くりはらとおる』と言います。おそらく魔術大会で会っていると思いますが、栗原薫くりはらかおるの兄になります」

ああ、兄か。

言われて栗原徹の顔を眺めてみると、
そっくりというほどではないものの、どこか面影があるようには思えた。

「兄妹で魔術医師か」

「ええ、そうです。一応、この学園での僕の成績は3位になります。とは言っても、他の学園とは違って、この学園は戦闘の実力制ではなくて医術の技術で決まりますので、大会に参加出来るほどの実力は僕にはありませんけどね」

恥ずかしそうに照れ笑いを浮かべる徹の表情は妹の薫とよく似ている。

「なるほどな。笑い方はよく似ているな」

「そうですか?自分達では分からないんですが、周りにはよく言われますね」

微笑み続ける徹の表情はどこか嬉しそうに見えた。

妹と似ていると言われることが嬉しいのだろう。

「もうすぐです」

校舎の内部に入り、徹が示した視線の先には『会議室』と書かれた扉がある。

「すでにみなさんお待ちです。こちらの準備は出来ていますが、天城さんはどうですか?」

「問題ない」

「了解です」

簡潔に答える言葉に頷いた徹は迷うことなく会議室の扉を開いた。
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