挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
THE WORLD 作者:SEASONS

4月1日

7/4820

生徒手帳

ここは学園の南西辺りだろうか?

特に気になるような物は何もないが、
だからこそ無人のようだ。

ゆっくりと休めそうな気がする。

少し休むか?

急ぐ理由は何もない。

時間は有限だが無理に何時間も歩き続ける必要はないだろう。

まだ3分の1程度しか見れていないが、
学園内の雰囲気は何となくわかってきた気がするからな。

まだ行っていない場所にしても大体似たような光景だろう。

だとすればあとは大まかな位置関係さえ覚えられれば焦る必要は何もない。

地図と方角を確認しながら見て回れば十分だろう。

幸い周囲に人はいないようだからな。

休むにはちょうどいい状況だと思う。

一息つくつもりで休憩所の椅子に腰を下ろしてみた。

「ふう」

ここは静かな場所だな。

鳥のさえずりが聞こえるだけで人の声は聞こえない。

たまたまだとは思うが、この付近には誰もいないらしい。

「そういえば、もう昼頃か?」

見上げてみれば太陽が真上に差し掛かっている。

おそらく生徒達の大半は昼食のために食堂に向かっているのだろう。

そう考えれば人が少ないのも頷ける。

誰もいないのなら好都合だ。

しばらくここで休ませてもらおう。

わざわざ人ごみの中に突き進んで行く趣味はない。

食事ならいつでもとれる。

食堂は常に開いているはずだからな。

急ぐ必要も理由もない。

それよりもせっかく空いた時間だ。

今のうちに入学式で受け取ったばかりの生徒手帳を開いて内容に目を通してみることにしよう。

一度くらいは読んでおいた方が良いだろうからな。

生徒手帳には学園内の地図や校則が記されている。

ある程度の校則などは覚えておくべきだと思うのだが今はまだ何も知らずにいる。

本来であれば入学式で説明を受ける知識なのだが、
あまりにも説明が長かったために前半から終盤までほとんど寝て過ごしていたからな。

起きていられないほど眠かったわけではないのだが、
ただただ話を聞き続けるのは面倒だったからだ。

結果的には自業自得だが途中で飽きて寝てしまったせいでまともに話を聞いていなかった。

だから今は何も知らない。

まあ、あまりにも覚えるべきことが多いために、
あとで忘れても困らないよう基本的な情報は全て手帳に書かれているということが入学式の冒頭で宣言されていたからな。

特に慌てるつもりはない。

…と言うよりも、だからこそわざわざ長い話を聞く必要がないと判断して式の間は堂々と寝て過ごしていた。

その結果として基本的な部分から何も分からないために調べなおす手間が増えてしまったわけだが、
必要なことは生徒手帳を調べればすぐにわかるはずだ。

仮に分からない部分があるとしても困ったときはその都度、教員や職員に尋ねればいい。

説明を嫌がる教職員はいないだろうからな。

今は最低限の確認だけで良いはずだ。

入学式初日から授業や実習があるわけでもないからな。

新入生の今日の予定は学園内を見て回り、
食堂や寮の場所を把握して明日からの生活に備えて準備を整えることだけだ。

だからこそ、こうしてのんびりと学園内を散策していられる。

今は寮に向かう前に基本的な部分をある程度まで把握しておければそれで十分だろう。

今日という日はまだ半日ほどある。

その時間を寮の自室で潰すのはもったいない。

学園内の散策を続けつつ、
手持ちの情報の整理をしておくことで今後の方針を定めやすくするために生徒手帳を読み進めてみることにした。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ