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THE WORLD 作者:SEASONS

4月15日

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真哉の指摘

《サイド:米倉美由紀》

まあ、そうなるでしょうね。

予想はしていたけれど、
実際にこうなると気が沈むわね

御堂君の発言によって、私は頭を悩ませてしまうことになったわ。

実際問題として戦力が増えることは嬉しいと思うのよ。

でもね?

それでも命の危険性がある戦場に御堂君を連れていくことを認めるわけにはいかないとも思うの。

もしも参戦を認めてしまえば、天城君の想いが無駄になるからよ。

御堂君達を巻き込まないために彼は一人で旅立ったのよ?

それなのに私が許可を出してしまったら天城君の願いは叶わなくなってしまうわ。

それになによりこれは御堂君一人では済まない問題だからよ。

御堂君を認めれば間違いなく翔子達も名乗り出るはず。

彼女達の視線を見ていればそれは間違いないって断言できるわ。

だからこそ悩んでしまうのよ。

御堂君の参加を認めれば、翔子達も参加したいと言い出すに決まってる。

それはありがたい申し出だけど。

受け入れがたい提案でもあるのよ。

戦力としては非常にもったいないと思うけどね。

それでも天城君の願いを私が潰すわけには行かないわ。

だから認めるわけにはいかないの。

「残念だけど、それは…」

「おっと」

出来ない、と言いきる前に北条君が遮ったきたわ。

「その先は言わないほうがいいぜ?止めれば無断で突っ走るだろうからな」

………。

北条君の指摘のせいで私は言葉を失ってしまったわ。

もちろんわかっていたことだけどね。

それでも実際に言われてしまうと困るのよ。

私を見つめる5人の生徒は誰もがすでに決断しているように見えるわ。

天城君を追いかける為に戦場へと向かう覚悟を感じるの。

「一応言っておくけれど、これは試合じゃないのよ?負ければ死ぬの。泣いても喚いても誰も助けてはくれないわ。それでも戦場へ向かうつもり?」

念を押して確認してみると、
御堂君達は真剣な表情で頷いてしまったわ。

はぁ…。

本当に困った子達ね。

天城君には申し訳ないけど。

覚悟を決めた彼等を野放しにするわけには行かなくなってしまったわ。

こうなるともう無断で行動させるよりも監視下にいさせたほうがまだ安心出来るかもしれないのよ。

ひたすらため息を吐きたくなる心境だったけどね。

「分かったわ。あなた達も連れていくわ。ただし、歩み出せばもうあとには退けないわよ?それだけは覚えておきなさい」

結局、私は御堂君達の参戦を認めることになってしまったわ。

まあ、天城君にしてもこうなることは予想してたでしょうし。

止められなかった私を責めることはしないと思うけどね。

だから例え結末で悲劇であっても自己責任と思ってくれるとは思うわ。

…たぶん。

そのはず…よね?

「仕方ないから、みんなを連れて行くけれど。その前に今日は一旦、ジェノスへ戻るわよ。」

「帰るんですか?」

「総魔を追わないの?」

深海さんと翔子が不満そうな表情を見せてるわね。

でもね?

「焦る気持ちはわかるけれど、私も色々と準備をしなければいけないことがあるのよ。だから戦場への出発は明日の朝になるわ。その後、ひとまずマールグリナに向かってから天城君を含む共和国軍の主力部隊と合流して、そのままアストリアの砦に攻撃を仕掛けることになるでしょうね。」

もう少し詳細を説明するなら天城君は先行して砦の調査に向かう予定だけど。

さすがにそこまで説明してしまうと
ジェノスに戻らずにマールグリナに向かいたいって言い出しかねないから
その辺りの情報はあえて話さずにおいたわ。

「これは戦争よ。もう生きて帰って来れないかもしれないの。そのことだけは忘れないようにね」

いつ、どこで、誰が死ぬかなんて分からないのよ。

それが戦争というものなの。

「表に馬車を用意するわ。準備が出来たら入口に集合。いいわね?」

問い掛ける私に頷いてくれる御堂君達を残して、
ひとまず私は部屋を出ることにしたわ。
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