挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
THE WORLD 作者:SEASONS

4月4日

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

69/4820

第1検定試験会場

北条と共に行動し。

ついに第1検定試験会場にたどり着いた。

これまでのような画一的な検定会場とは違って一際大きな検定会場だ。

規模だけを見れば今までの検定会場と比べても軽く2倍はあるだろう。

たった99人の生徒しか在籍していないにもかかわらず。

飛び抜けて巨大な規模を持つこの会場こそが学園最後にして『最強』の生徒達が集まる会場のようだ。

最後であり最大規模の検定会場。

この場所へようやくたどり着くことができた。

ひとまずここが目指していた場所だ。

目指し続けた『頂点』がここにある。

生徒番号1から99番の生徒達。

彼らを乗り越えれば俺の実力が示されるだろう。

いずれ目指すべき最後の戦いに想いを馳せながら受付へと歩みを進めていく。

そのすぐ後ろを北条がついてくるが今はもうあまり気にしていない。

こちらから話しかけない限りは基本的に干渉してこないからな。

無理に気にかける必要はないだろう。

「名簿がみたい」

今までと同じように受付で名簿を受け取る。

だが、名簿に記されている生徒の名前は少なかった。

まあ、当然か。

この会場は全員集まっても99人の生徒しかいないからな。

よほどの事情がない限り、全員集まることはないだろう。

割合的に言えば数名の生徒しかいないとしてもなんら不思議ではないように思える。

もちろん俺と同じように一つ前の検定会場から挑戦に来る生徒はいるかもしれないが、
それでも数名程度のごく少数だろう。

三桁台の挑戦者を含めても100名を超える程度に過ぎないはずだ。

会場にいる生徒が他の会場と違って少ないのは当然だな。

名簿を確認してみると今は10人にも満たないわずか数名の名前しかなかった。

「いつもこの程度の人数しかいないのか?」

「いえ、時間帯にもよりますが、平均的には20名ほど集まると思います」

一応、係員に確認してみたところ。

普段よりも少ない人数のようだった。

「今は人が少ない時間帯ということか」

「ええ、そうですね。正確に何時と決まっているわけではないので、完全に運任せになりますが、今は特に少ないですね」

名簿には5人の名前しか記されていなかった。

多ければ20人集まるとしても、
少ない時には2、3人という事もあるようだ。

特に今はお昼前という事もあり、
ごく一部の生徒しかいないのかもしれない。

とは言え。

誰もいないわけではない。

選べる生徒は5人もいる。

残念ながら一桁台の生徒はいないようだが二桁台の生徒は5人いる。

この会場の実力を知るという目的は十分に果たせるだろう。

対戦相手が何番であろうとも何もしないよりはマシだからな。

ひとまず対戦相手を選ぶ為に名簿へと視線を向けてみる。

現在名簿に記されている名前は5つだ。

生徒番号85、鈴華恵理子(すずはな えりこ)
生徒番号76、彼方進(かなた すすむ)
生徒番号53、新谷力(あらや りき)
生徒番号32、市橋亮太(いちはし りょうた)
生徒番号27、矢野百花(やの ももか)

以上、5人だ。

上位99人のうちの5人。

周囲を見渡してみれば誰もが他の会場では感じられなかった程の強力な魔力の気配を放っているのが感じられる。

ただ。

実はもう一人だけ、この会場で戦う事の出来る生徒がいる。

『学園第2位』の北条真哉だ。

まだ会場に入る手続きをとっていない北条の名前は名簿にはないが、
こちらから求めれば北条は試合に付き合ってくれるだろう。

もちろん今はまだ時期尚早だ。

戦うつもりはないし負ける試合を行う意味もない。

戦いを挑むのは簡単だが今の段階ではどう考えても勝ち目がないと言い切れる相手だからな。

北条と戦うのは避けるべきだ。

だが、北条がいることで出来ることがある。

名簿を眺めるのを止めて北条に視線を向けてみた。

すると、ただそれだけの行動で北条には伝わったようだ。

「ははっ。俺と『戦いたい』ってわけではなさそうだな」

冗談っぽく笑っているが、それでも構わないという意思は含まれているだろうな。

北条としても試合を望まれれば受けるつもりでいたのかもしれない。

だが、俺としてはまだそのつもりはない。

そうではなくて別の要件を求めて視線を向けたのだが、
北条はこちらの意図を正確に読み取ってくれたようだ。

「まあ、もののついでだ。引き受けてやるよ」

受付の係員に歩みを進めていく。

「そこで待ってな」

気楽に請け負ってくれた北条が係員と話し合う様子を黙って眺めているだけで、
自然と話が進展していく。

これはこれで便利だな。

どうせ付きまとうのならそれなりに役に立ってもらいたいと思っただけなのだが、
こちらの伝えたかった思惑を北条は正確に理解してくれたようだ。

無言でおこなわれた意思疎通。

その内容は言葉にするまでもないだろう。

『会場にいる5人全員と戦う許可』を求めただけだ。

先ほどの試合で8人の生徒から奪い取った魔力を単純に計算すれば、
すでに1対1の戦いでは勝利が見えているからな。

いくら相手が学園最上位の生徒達であろうとも苦戦するとは思えない。

だからこれから行う試合も実力差を埋めるために多対1の試合をしようと考えた。

上位5人の生徒と戦って勝ち抜く事。

更なる実力を付ける為には必要な試練だと考えた。

今まで以上の激戦をくぐり抜けなければ戦う意味がないからな。

この程度の戦いで勝てなければ一桁台の生徒には届かないだろう。

もちろん今まで以上に難易度を高めなければ魔剣の実力が計れないという事もあるのだが、
自分自身が強くならなければ『翔子』や『北条』を相手にして勝てるとは思えないという理由が何よりも大きい。

今よりももっと強くならなければならない。

そう考えてこの会場にいる5人全員との試合を望んだのだが、
それには北条の協力が必要だ。

一生徒でしかない俺では校則から外れる交渉はできない。

だが北条ならそれができる。

そう信じて交渉を託しているのだが、
ほどなくして北条はこちらに向けて微笑みを見せた。

「おーけー。許可はとったぜ。あとはお前次第だ」

無事に係員の説得ができたらしい。

試合場の場所も決定し。

会場内の全ての生徒が試合場に集まることになった。

「感謝する」

「ははっ、気にすんな」

愚痴をこぼすどころか笑顔を見せてくれる北条に軽く一礼してから、
試合場に向かって歩きだすことにする。

もちろんそのすぐ後ろを北条が追ってきているのだが、
今回に限って言えばこちらから不満を言える立場ではない。

手を借りた以上。

監視を拒む権利はないからな。

北条の自由を認めるべきだろう。

ひとまずこちらの目的は達成できている。

文句は言えない。

試合さえできれば十分だ。

ただそれだけを望み。

試合場へと歩みを進めていく。

こうして新たな会場で、
再び多対一の試合が始まろうとしていた。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ