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THE WORLD 作者:SEASONS

4月15日

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第3位

「さあ!それではこれより、表彰の授与式を始めたいと思います!!米倉代表、よろしくお願いします!」

進行を進める係員の合図を受けて表彰台の前へと歩みを進めていく。

ここからが私の役割になるからよ。

各校の努力をたたえるために表彰状を手渡すのが私の仕事なの。

「みんな良く頑張ったわね。ご苦労様」

表彰台に上がる3人に声をかけてから、
私の傍に控えている係員が用意してくれた表彰状を受けとる。

今大会3位として名前を記された『ヴァルセム精霊学園』への表彰状よ。

その表彰状を確認してから大塚君の前に進み出たことで表彰式が進んでいく。

「それでは3位の表彰から行います!!『ヴァルセム精霊学園』への盛大な拍手をよろしくお願い致します!!!」

係員の指示によって一斉に響き渡る数万人規模の拍手の音。

その大音量の中で、大塚君に表彰状を差し出してみる。

「おめでとう。今回も優勝には手が届かなかったけれど、あなた達の活躍は必ず多くの人々の希望となるはずよ。これからもくじけずに頑張ってね」

ヴァルセムの健闘を讃えながら微笑んだことで、
大塚君は頭を下げながら表彰状に手を伸ばしたわ。

「ありがとうございます。次回こそは優勝を目指せるように頑張りたいと思います」

普段とは違う丁寧な言葉遣いで表彰状を受け取ってくれてる。

翔子に対する行動は私も何度か目撃したことがあるけれど。

基本的には真面目で場をわきまえる子なのよ。

大会では御堂君の陰に隠れてしまって、あまり目立っていないけどね。

それでも本来なら大塚君も英雄になれるほどの実力を持ってるって私は思っているわ。

今回は圧倒的とも言える実力差でジェノスに敗北していたけれど。

それは天城君や深海さんが異常なだけで、
決して大塚君達が弱いわけじゃないのよ。

あの二人が別格なの。

その二人に追随する翔子と御堂君も異端だけどね。

今回のジェノスは精鋭が揃いすぎていたと思うわ。

ここまで圧倒的な実力差で勝ち抜けるなんて私も想像してなかったからよ。

天城君がいることで勝率が上がればいいな、って思ってただけなの。

その程度の期待だったのに蓋を開けてみればジェノスの圧勝。

結果的にはどの学園もジェノスの快進撃を阻止することはできなかったわ。

特にヴァルセムは3連敗という不名誉な敗退を見せたわけだけど。

大塚君の目に曇りは見られないわね。

ジェノスを率いる私を目の前にしても悔しさなんて微塵も感じさせなかったわ。

嫉妬や憎悪を感じる暇があるのなら、
少しでも多くの努力を積み重ねて結果を出すことに意義を見出してる感じなのよ。

本気で優勝を目指していることを感じさせるほどの意志を秘めた瞳だったわ。

その瞳を見たことで、密かに心の中で安堵してしまう。

私には…

いえ。

私達には大塚君のような人物が必要だからよ。

これから始まる戦争。

その戦いを生き抜く為には一人でも多くの戦力が必要なの。

未来を繋ぐ為の戦力として大塚君の力も借りたいと思ってる。

だけど、ね。

代表として戦力を望む気持ちと。

戦争に参加せず一人の生徒として成長してもらいたいっていう教師としての願いもあるの。

どちらが上とは決められないわね。

どちらも本心だし、どちらも大切な選択肢だからよ。

出来ることなら戦争になんて巻き込みたくないわ。

だけど戦争は避けられないの。

戦わなければ魔術師の未来は守れないからよ。

だからこそ思ってしまうの。

一日でも早く戦争を終結させることを。

その為になら命を失っても構わないって本気で思ってる。

この国を守ることで安定した平和とこの国の未来を守れるのなら自分の命なんて惜しくない、ってね。

そんなふうに思える程にはこの国を愛しているのよ。

大切な思い出の詰まったこの国を守ることが出来るのなら戦場に立つことに迷いはしないわ。

それだけの覚悟は持ってるつもりよ。

だから、出来ることなら一人でも多くの国民に生き残って欲しいと思っているの。

「応援しているわ。あなたもまだまだこれから成長出来るはずよ」

「ありがとうございます」

「ええ、頑張ってね」

大塚君との会話を終えたことで、一歩後ろへと下がったわ。

次の表彰に移るためよ。

準優勝は決勝で敗退したグランバニア魔導学園よ。

表彰台に立つのは学園首位の澤木京一さわききょういち君ね。
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