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THE WORLD 作者:SEASONS

4月15日

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呪縛が解かれても

《サイド:美袋翔子》

着々と表彰式が進んでいくわね。

その様子を眺めながらも私は悲しみと絶望の中にいたわ。

どうしてか?なんて考えるまでもないわよね。

総魔が別れの言葉だけを残して消えてしまったからよ。

でもね?

もちろんたったそれだけのことで総魔への想いを断ち切ることなんて私には出来ないわ。

本気で好きになっちゃったんだから。

他に女が出来たって言うならともかく。

さよならって言われたくらいで、
はいそうですか、なんて思えるわけがないじゃない。

そんなふうに簡単に割り切れるのなら最初から好きなったりしないのよ。

「…総魔…。」

ねえ、どこに行っちゃったのよ?

こぼれ落ちる涙。

溢れる想い。

置いて行かれた事実と、傍にいることの出来ない絶望。

私の心の中は悲しみで満ちていたわ。

孤独感だけが私の心を支配して、悲しみが涙として流れていくの。

言葉に出来ない想い。

総魔の呪縛が解かれてもまだ私は動き出せずにいる。

動くことはできても追い掛けることが出来ないの。

もう一度会いたいと思う気持ちはあるけれど、
もう一度拒絶されたら今度はもう立つことさえ出来ないと思うから。

だから会いたいと思う気持ちと、
会ったあとの恐怖の感情が混ざり合うせいで、私は動けずにいたのよ。

今はただじっと、総魔の向かった方角を眺め続けることしかできなかったわ。

ただそれだけのことしか出来ずにいるの。

「ねえ、翔子」

声をかけてくれた沙織にゆっくりとした動きで振り返る。

背後にいた沙織の表情は…何て言うのかな?

私とは意味が違うと思うけれど。

それでもやっぱり総魔がいないことを悲しんでいるように思えたわ。

「ねえ、沙織。私、どうしたらいいのかな?」

「それは翔子が決めることよ。翔子はどうしたいと思うの?」

「…分からない。自分でもどうしたらいいのかが分からないの」

総魔に逢いたいって思うけど、
総魔に会うのが怖いとも思うの。

「ねえ、沙織。私はどうすればいいの?」

涙を流しながら精一杯問いかけてみた。

そんな私の態度のせいかな?

「………。」

沙織も泣いてしまいそうな表情になってた。

だけど沙織は気持ちを押さえて、涙を堪えて我慢していたわ。
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